高橋 淳 (たかはし じゅん) テノール
TAKAHASHI,Jun Tener 輝きに溢れた圧倒的な美声と存在感 埼玉県出身。
東京音楽大学卒業、同大学院修了。’95年ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院夏期アカデミー修了。 ’96年外山雄三指揮仙台フィルおよび神奈川フィル「第九」でコンサートでのソロ・デビューを、’97年帯広市民オペラ『カルメン』ドン・ホセでオペラ・デビューをそれぞれ果たす。各種出演を続けつつ、二期会オペラスタジオ第43期マスタークラスを修了し、修了時に優秀賞を受賞した。これを機にオペラへの出演が急速に増え、オペラを中心に活躍している。 二期会では’01年『ホフマン物語』でデビューし、以後『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『ポッペアの戴冠』『カルメン』『エジプトのヘレナ』と続けて出演。’04年『イェヌーファ』と’05年『魔笛』では、ディクションの確かさと大胆な演技が好評を博した。’06年4月には『皇帝ティトの慈悲』表題役において、演出家P.コンヴィチュニーの高い要求に応え、高い評価を得た。’07年11月『天国と地獄』(日生劇場共催)、’08年2月-3月『ばらの騎士』(びわ湖ホール、神奈川県民ホール共催)では独特の存在感を示した。同年6月『ナクソス島のアリアドネ』では、これまでのキャラクターとは一線を画す、テノール歌手・バッカス役を演じ、会場を圧倒するスケールの大きな美声共々、新聞各紙で絶賛された。’08年10月、びわ湖ホール『サロメ』ヘロデ王にも出演し、11月には日生劇場(共催)開場45周年記念特別公演・ヤナーチェク『マクロプロス家の事』へ出演。新国立劇場には’02年小劇場『賢い女』で初登場。’03年に『ホフマン物語』にアンドレ他四役で出演し、縦横無尽の演技と高度のフランス語歌唱で絶賛された。以後、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『魔笛』『こうもり』、高校生のための鑑賞教室『蝶々夫人』、こどもオペラ『スペース・トゥーランドット』に出演。’05年『ルル』(アルヴァ)、’06年『コジ・ファン・トゥッテ』(フェッランド)では、それぞれ急遽代役として舞台に立ち、公演の成功に大きく貢献した。最近では『さまよえるオランダ人』『タンホイザー』『軍人たち』『ラインの黄金』『ムツェンスク郡のマクベス夫人』に出演し、いずれの公演でも高い評価を得ている。 さらには、’01年日生劇場『泣いた赤鬼』、読売日響創立40周年記念『パルジファル』、東京室内歌劇場『卒塔婆小町・女の平和』『インテルメッツォ』『河童譚』(’08ソウル室内オペラフェスティヴァル)、サントリーホール・ホールオペラ『カルメン』『トスカ』、小澤征爾音楽塾『こうもり』他多数の公演に出演もしくは参加し、公演を支えてきた。 一方コンサートでも、これまでに国内外の著名指揮者の下、国内主要オーケストラの定期演奏会他、多数の演奏会に出演。ベートーヴェン「第九」をはじめ、宗教曲や演奏会形式によるオペラなど、バロックから現代に至るまで幅広いレパートリーを歌っており、確かな歌唱力で公演の成功に貢献している。 特にオルフ「カルミナ・ブラーナ」では個性的な歌唱が高い評価を得ており、数多くの演奏を重ねている。’98年ネーデルランドフィルとの共演で、アムステルダム・コンセルトヘボウの舞台に立ったのをはじめ、’03年小林研一郎指揮日本フィル、および’06年D.ボストック指揮東京佼成ウィンドオーケストラの演奏がCD化されたほか、’04年Y.テミルカーノフ指揮読売日響の演奏は日本テレビ系でも放映された。この他、’99年J.フルネ指揮大阪フィル・モーツァルト「レクイエム」、同年飯森範親指揮大阪音大ザ・カレッジ・オペラハウス管『サロメ』(演奏会形式)、’01年国技館5000人の「第九」演奏会、’05年沼尻竜典指揮グランドオーケストラAichi特別演奏会『グレの歌』(愛知万博)、’08年小泉和裕指揮第51回名古屋・グリーンエコー演奏会・ブリテン「春の交響曲」、’09年ヤナーチェク「ブロウチェク氏の旅行」(東京交響楽団:チェコ語上演 セミ・ステージ形式、日本初演)などは、これまでのキャリアを代表する演奏である。また、G.アルブレヒトの厚い信頼を得て、読売日響への客演を重ねてきた。’01年M.グルリット『ヴォツェック』(日本初演)、’03年ヘンツェ『午後の曳航』(世界初演)、’04年ヤナーチェク『運命』(日本初演)にそれぞれ出演。特にヘンツェでは、マエストロの指名により登の役で出演、難易度の高い音楽を巧みな心理表現によって演奏し、各方面より高い評価を得た。そして’06年夏には、アルブレヒト指揮RAI国立交響楽団と共に、ザルツブルク音楽祭、ベルリン、トリノでこの作品を再度歌い、各地でスタンディング・オーベーションを受ける成功を収めた。 二期会会員 東京音楽大学非常勤講師(2009年度) http://www14.plala.or.jp/rouonchorus/takahasijun.htm |