8月3日(土)開催!「二期会サマーコンサート2024」
東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!
今回、新入会員を代表して期待の2名が出演いたします。その一人は、テノール濱松孝行。サマコンではチャイコフスキー『エフゲニー・オネーギン』よりレンスキーのアリアを歌います。
その濱松からメッセージが届いていますので、ご紹介いたします。
濱松孝行(テノール)
* * *
今回、二期会へ入会させていただきました濱松孝行と申します。
歴史ある団体の一員になれたこと嬉しく思っております。
東京藝術大学、同大学院、新国立劇場のオペラ研修所で勉強させていただきました。
よく歌をめざしたきっかけを聞かれることが多いのですが・・・
思い返せば、小学校も中学校も高校も、きづけば一人で鼻歌をよくうたっていたなぁと思い出しました。観賞の授業では、友人と外国人のオペラ歌手の演奏を見て「変な声だなぁ」
と笑っていたはずなのに、いつの間にか自分がその世界に。人生何があるかわからないなと感じております。
大学に入ってからはというもの、ヴェルディに魅せられ、イタリアオペラの魅力に取り憑かれていたように思います。(勉強したかは別の話でして・・・)
新国立劇場オペラ研修所ではフランス語、ドイツ語、ロシア語と、演奏する機会をいただきました。その中でも、『イオランタ』は特に思い入れのある作品です。今回演奏させていただく、『エフゲニー・オネーギン』レンスキーのアリアも、『イオランタ』と同じチャイコフスキーの作品です。愛する人を思いながら、過ぎ去った美しい日々を思い、不安を歌う、死を間近に感じたもののアリアを聴いていただければと思います。
新国立劇場オペラ研修所試演会『イオランタ』楽屋にて
左よりヤニス・コッコス氏(演出・美術・衣裳)、濱松、アンヌ・ブランカール氏(アーティスティック・コラボレーター)
<Profile>
濱松孝行(はままつ たかゆき・テノール)
神奈川県出身。東京藝術大学音楽学部卒業。同大学院音楽研究科修士課程(独唱)修了。新国立劇場オペラ研修所20期修了。ANAスカラシップにて、ミラノ・スカラ座アカデミー、バイエルン州立歌劇場オペラスタジオにて研修を受ける。日本トスティ歌曲コンクール第1位及び日本歌曲賞ほか、第16回清水かつら記念日本歌曲歌唱コンクール第3位受賞。これまでにヴェルディ『椿姫』アルフレード、チャイコフスキー『イオランタ』ヴォーデモン、モーツァルト『イドメネオ』タイトルロール、ビゼー『カルメン』ドン・ホセなどを演じるほか、新国立劇場『夜鳴きうぐいす』日本の使者1、『ばらの騎士』ファーニナル家の執事、『ボリス・ゴドゥノフ』侍従、『子供と魔法』ティーポット等にも出演。コンサートでもヘンデル「メサイア」、モーツァルト「レクイエム」、ベートーヴェン「第九」、プッチーニ「グローリア・ミサ」等のソリストとして活躍。二期会会員
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公演チラシ(PDF) | ■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~
日時:2024年8月3日(土)
18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)
一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
《チケット発売中》
◆何枚でもお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください! |
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
・二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
主催:公益財団法人東京二期会
●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
|
←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!! |
*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい
8月3日(土)夕、毎夏恒例の「二期会サマーコンサート」。コロナ禍以来5年ぶりに開催します!
東京二期会が誇る、人気・実力派、若手からベテランまで15名のアーティストによる、珠玉のオペラ・アリアや声楽曲をお楽しみください!
現在、X(旧ツイッター)で出演者を紹介中ですが、4人目にご紹介するメゾソプラノ加納悦子は、海外の劇場でも活躍を重ねてきた二期会アーティストの一人。
今回のサマーコンサートでは、ヘンデル『ジューリオ・チェーザレ』より"抜け目のない狩人は" を演奏いたします。
今日はそんな彼女から、海外で共演したとある歌手の舞台裏でのエピソードを寄稿いただいたので、ご紹介いたします。
加納悦子(メゾソプラノ)
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「ディーヴァの本番前のルーティン」
オランダのオペラハウスといえば、最大都市アムステルダムのナショナル・オペラが有名ですが、もう一つ、ライスオペラ(Nederlandse Reisopera)というカンパニーがあって、国際的にはDutch Touring Opera 、つまり「オランダ旅オペラ」というわけで、その名の通り、オランダ各地を巡業していくオペラカンパニーです。オランダ最東のエンスヘーデという小さな町に本拠地を置き、そこで練習して完成させたオペラを、出演者やスタッフ自ら各都市に出向いて行って公演を行うのです。私もかつてこのカンパニーと共に多くのオペラに出演した経験があります。今でこそ日本でも新国立劇場の引越公演が札幌であったりして意外ではありませんが、当時(30年くらい前)ではそのようなお話しはあまり聞いたことがなく、ドイツの歌劇場でもその拠点都市の公演に観たい人が出掛けていって鑑賞するのが当たり前だったので、旅オペラというやり方は私にとって新鮮でした。
「こちらから出向いていく」というのは一見便利そうなのですが、やるほうはとても大変です。オランダはご存じの通り小さな平地の国なので、遠い町でも車で4時間くらいで行くことはできますが、大道具・小道具や衣装などを毎回一切合財エンスヘーデの倉庫から運んで、舞台セットをあっという間に組み立てて、出演者は前日か当日に大型バスで行って、公演が終わったら夜中でも再びバスで戻り、一日二日休んでまた遠征していくというハードスケジュールを、一つのプロダクションについて10回くらい繰り返すので、慣れるまでは疲れました。でも、これもルーティン化すると、少しは楽しくこなすことはできます。何より、多くの特色ある街並みを見られたのは良い経験でした。
さて、やっとここで本当のルーティンのお話しをします。このライスオペラの多くの演目の中で、「サロメ」(R.シュトラウス)に出演したことがあります。この公演の演出は日本でも馴染み深いヴィリー・デッカー氏によるもので、二期会でも2019年に同じ演出の「サロメ」が上演されたのでご覧になった方もあるかもしれません。舞台がすべて階段になっていて、全員の登場人物が常に舞台上にいるという演出です。そしてなんといっても、20人近い歌手に加えてその他の俳優もすべてグレー系のズボッとしたフェルト生地衣装を身に着け(舞台上で異様に暑いです)、極めつけは全員髪の毛のない(禿げ頭)で白い顔であるという、ある意味挑戦的な舞台でした。それにはデッカーさんの特別な意図があるのですが、そのお話しは「ルーティン」と関係がないので割愛するとして、そのときは階段の昇降も相まってとても体力が必要だったので、特に主役のサロメ役がどれだけ大変だったかは想像に難くありません。
ヴィリー・デッカー演出『サロメ』(2019年 東京二期会公演より)
そして、表題サロメ役を当たり役としていた、あるアメリカのソプラノ歌手の本番前のルーティンを私は今でも忘れることができません。R.シュトラウス「狂気の娘・サロメ」を絵に描いたような素晴らしいパフォーマンスと、その仕事ぶりも極めてプロフェッショナルで無駄がなく、正にプロ歌手の鑑のような印象でありましたが、それと同じくらい私の記憶に残っているのが、その彼女の本番前のルーティンです。
この体力・気力的に厳しいオペラ公演の主役を最高のパフォーマンスで乗り切るために毎回彼女がしていたことは「上演開始前のメイクの時に、茹でてオリーブオイルを絡めただけのパスタを一人前食べる」というものでした。美しいブロンドの髪をきつくアップにさせられて透明のビニールでぴったりと包まれたうえに、頭だけでなく顔にも首にもすべて真っ白のドーランを塗られながら、彼女は鏡の中の自分を上目遣いに厳しく見つめ、ソースのかかっていないパスタを黙々と食べていました。(ソースをかけると、余計な油で消化に悪いからだそうです。)
メイク室の彼女の周りだけ誰も近づけないような鬼迫が漲り、その時の光景は私の古い記憶の中に全く劣化することなく残り続けています。なぜわざわざメイクの際に食べていたのかは分かりませんが、恐らく開演時間から逆算して、食べたパスタのエネルギーがちょうど上演の最中に発揮できるように考えられたのではないでしょうか。毎回異なる遠征先の劇場の食堂のコックさんにメニューにないパスタを注文し忘れないこと一つとっても、手間のかかるルーティンですね。もちろん、彼女が終演後やお休みの日に私たちとご飯を食べたりお酒を飲みに来たことはありませんでした。
あぁオペラって大変だぁ!!
加納悦子 記
ラショナル・ライスオペラ R.シュトラウス『サロメ』
加納悦子(ヘロディアスの小姓役) メイク室にて(2枚とも)
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公演チラシ(PDF) | ■■■ 公演情報 ■■■
二期会サマーコンサート2024
~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~
日時:2024年8月3日(土)
18:00開演(17:30開場)
会場:渋谷区文化総合センター4F さくらホール
(JR「渋谷駅」南改札西口より徒歩5分)
料金:(全席指定・税込)
一般¥5,000、愛好会会員¥4,000、学生¥2,000
《チケット発売中》
◆何枚でもお得にお求めいただける「二期会オペラ愛好会」に是非ご入会ください! |
▼予定プログラム全曲、コンサート概要はこちらから
・二期会サマーコンサート2024 ~珠玉のオペラ・アリアと声楽曲の夕べ~ - 東京二期会
主催:公益財団法人東京二期会
●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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*未就学児のご入場はお断り申し上げます
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー。ラストは、リコメーデ役の目黒知史と水島正樹の二人です。
リコメーデはスキュロス島の王で、デイダミーアの父。アキッレを「トロイ戦争に行けば死ぬだろう」との運命から救うため、この島に匿っています。
公演を前にして、二人に話を聞きました。
* * *
――リコメーデはどんな人物、役柄ですか?
水島正樹: リコメーデは、スキュロス島の国王であり、割と高齢の役です。
頼まれたら断れない性格で、どの人にもよく思われたいと思っているような人です。
目黒知史: 友人のペレウスから頼まれ、彼の息子アキッレを自分の国に匿っているのですが、アキッレを探しにきたギリシャ軍に対し、一度は嘘で誤魔化したものの、最終的には自由に探すことを許可してしまうという、一国の主でありながらYESマンです。国王としては情けないと思う部分もありますが、後にその判断を後悔するシーンもあり、非常に人間的であると思います。
リコメーデ役 目黒知史(めぐろ ともふみ)5/25(土)出演
――平和な国の、優しい王様、という印象がありますね。リコメーデの聴きどころを教えてください。
目黒: リコメーデのアリアは2曲あるのですが、今回はオリジナルカット版で1曲のみになりました。
水島: 今回、第一部最後のアリアになるリコメーデのアリアです。
島の自然や、昔楽しんでいた狩りについて語るアリアになります。
目黒: 高齢のため足腰も弱まり寿命も残り少なくなってきているのですが、それを嘆くのではなく、むしろ穏やかに過ごしつつ死を迎え入れるような。
水島: ヘンデルの軽快な音楽とは違い、ゆっくりとしたテンポで歌われるこの曲は、どこか哀愁が漂っていますね。昔懐かしい記憶が蘇ってくるかのようです。
目黒: やはりバスのアリアですので、低音の響きが魅力ですね。曲の後半部分では下降音型が印象的で、あたかも人生の終わりが近づいているように使われています。
――若々しい登場人物が多い中、ひとり大人で、老成した人物の存在は、ドラマとしても大切なのだと思います。さて、今回、二人は「初顔合わせ」になりますか?
目黒: 水島くんは大学の後輩になるのですが、今までほとんど接点がなく、しっかりと話したのは今回の稽古場が初めてでした。ただ去年11月の二期会オペラ『午後の曳航』に出演されていたので、相当な実力者だと思っています。現場では先輩後輩関係なくお互い切磋琢磨して高め合えたらいいと思います。
水島: 目黒さんは、歳は私よりも上の先輩です。とても知的で音楽や、心情を深く勉強されていていつも勉強させてもらっています!
リコメーデ役 水島正樹(みずしま まさき)5/26(日)出演
――最後にお客様に向けて、本番への意気込みをお願いします。
目黒: 演出の中村さんを始めとして若い世代が中心となって作り上げていく舞台です!ダンサーさんと一緒に若さ溢れるパワフルでアグレッシブな舞台を作っていきます。
水島: フレッシュな私達が演じるこの『デイダミーア』、きっとお楽しみいただけますので、ぜひ会場へお越しください。
目黒&水島: よろしくお願いします!
――ありがとうございました。
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▼『デイダミーア』公演情報ページはこちら
2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』 - 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ
●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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