2009年10月 アーカイブ

公演後記 栗山昌良演出
悠久の美『蝶々夫人』

東京文化会館大ホールにおいて去る10月9日から4日間、ジャック・デラコート指揮、栗山昌良演出で、『蝶々夫人』が上演されました。その舞台をご覧ください。
★印…9・11日組キャストから(撮影:鍔山英次)
☆印…10・12日組キャストから(撮影:三枝近志)


ピンカートン(樋口達哉)は、東のくに─日本─への憧れからか、花のような蝶々さんと“かりそめの結婚”をすることに有頂天です。しかし、米国領事シャープレス(直野資)は、蝶々さんがピンカートンを心から愛していることを知って、軽率な行動を戒めます。



ピンカートン(小原啓楼)に挨拶をする、スズキ(小林由佳)。蝶々さんの傍らを離れない、真心あふれる気丈な女性を演じました。



花嫁行列を連ね、長崎港を見下ろす丘の上の家に姿を見せた、蝶々さん(文屋小百合)。今回、初役となった文屋の可憐さが注目されました。



蝶々さんが、結婚のために入信したことを知った伯父、ボンゾ(三戸大久)が、婚礼の最中にやって来て、“親戚の縁を切る”というので、大騒ぎになります。



親戚たちが帰ったあと、蝶々さん(大山亜紀子)を慰めるピンカートン。
やがて、夕闇が二人を包み、美しい二重唱となります。




ピンカートンがアメリカに帰って3年が経ちます。蝶々さんは、じっと信じて待ちます。
有名なアリア「ある晴れた日に」。



健気に待ち続ける蝶々さんですが、ゴロー(栗原剛)は、生活のために新しい旦那ヤマドリ(境信博)を勧めます。しかし、蝶々さんはきっぱりと断ります。



訪ねてきたシャープレスに、子どもを会わせる蝶々さん。大山は、2003年の公演でも蝶々さんを演じています。その心情の変化や成長がより細やかに表現されて、胸を打ちます。



アメリカ国旗を掲げた軍艦が入港し、蝶々さんとスズキは部屋中に花を撒き、美しく装ってピンカートンとの再会を心待ちにします。



しかしピンカートンは帰って来ません。次第に夜が明けていきます。蝶々さんのシルエット。栗山演出の名場面。



蝶々さんと坊やが、疲れて眠っている朝早く、ピンカートンがシャープレスに連れられてやって来ます。しかし、ピンカートンはアメリカ人の妻ケート(渡邊史)を伴っていました。子どもをケートに預けるように、説得を頼まれるスズキ(山下牧子)。控えめに振舞い続けるスズキですが、抑えた演技が、強い説得力を持つシーン。



ケート(谷原めぐみ)に対し、毅然とした態度で子どもを渡すことを告げる蝶々さん。30分後に、ピンカートンにこの家に来るよう伝えます。



蝶々さんと、坊やとスズキのお別れ。



ピンカートンの声が聞こえ、手を差し伸べる蝶々さん。
ひらひらと舞い散る花びらが、“誇り高く生きた武士の娘”の最期を語ります。


オペラ『蝶々夫人』は、日本が舞台だけに、美しい所作も期待されますが、見事に応えた二人の蝶々さんでした。またベテラン陣に加え、若手のメゾ・ソプラノ山下牧子と小林由佳が、栗山演出が要求する、奥ゆかしさと強さを秘めた日本女性スズキを演じたことも印象に残ります。
ご来場ありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

▼公演詳細はこちらをご覧ください
2009年10月公演『蝶々夫人』- 公演記録|東京二期会

Page Top

ソプラノ林正子が 最新ピックアップアーティストに登場!

hayashi_masako_0666AAA.jpg12月5日(土)ゴールデンコンサートin津田ホールに出演予定のソプラノ林正子が、株式会社二期会21ウェブサイトの「ピックアップアーティストvol.13」に登場しました!
▼ピックアップアーティストはこちらからご覧ください
Pick-up Artist Vol.13 林正子の今
チラシやポスターだけでは伝えきれなかった今回のリサイタルにかける想いや、彼女とフランス音楽、ヨーロッパ文化との出会いと深まりが、「インタビュー」からうかがえると思います。
過去のオペラ公演から切り取った「フォトギャラリー」、「ムービー」も必見、必聴です。

「私のお気に入り」は、「旅」をテーマに、彼女が撮りあつめてきた旅先で出会った動物たちの写真を中心にご紹介しています。いきものたちを愛してやまない、またいつでもユーモアを忘れない林の人柄が伝わっているでしょうか。
そして、今回のゴールデンコンサート。
ロックやポップス・ミュージックなどジャンルを越えて活躍中の林正子ですが、一貫して取り組んできたフランス音楽の集大成ともいえるプログラムです。
12月5日(土)は、ぜひ津田ホールまで足をお運びください!

▼公演詳細はこちらをご覧ください
二期会ゴールデンコンサートin津田ホール2009/10SEASON
vol.27 「林 正子 × 1980パリ、2000ジュネーヴ」
- 株式会社二期会21主催・制作コンサート
▼チケットのお求めはこちらから
二期会チケットセンター

Page Top

「二期会クリスタルコンサート」公演情報!

国内外のオペラやコンサート活動で実績をあげ、新たに二期会に入会した実力派のニューフェイスたちが秋の夜にお贈りする、ちょっと素敵な演奏会。

次々と生まれる、輝きをもった新しい声、新しい顔をご紹介いたします。


ちらし(PDF)ダウンロード
◆コンサート情報◆

二期会実力派のニューフェイスたちが歌う
二期会クリスタルコンサート
日時:2009年11月11日(水)19:00開演(18:30開場)
会場:すみだトリフォニーホール 小ホール
   ・JR総武線「錦糸町」駅北口より徒歩5分
   ・地下鉄半蔵門線「錦糸町」駅出口3より徒歩5分
料金:全席自由3,000円<税込み>
主催:財団法人東京二期会

  

==出演者と予定プログラム==
鷲尾麻衣 J.シュトラウス 『こうもり』より“侯爵さま、あなたのようなお方は”
原田 圭 モーツァルト 『ドン・ジョヴァンニ』より カタログの歌
   “奥さん、これが恋人のカタログ”
近藤悦子 R.シュトラウス ツェツィーリエ(作品27-2 詩:ハルト)/
万霊節(作品10-8 詩:ギルム)
黒澤麻美 チャイコフスキー 『スペードの女王』より“やがて真夜中”
矢崎陽子 トマ 『ハムレット』より 狂乱の場
   “遊びの仲間にいれてください”
永瀬祐紀乃・笠井 仁 ドニゼッティ 『ドン・パスクワーレ』より二重唱 “準備は出来たわ”
ー 休 憩 ー
鷲尾麻衣 ドニゼッティ 『リタ』より“この清潔で愛らしい宿よ”
黒澤麻美 チャイコフスキー 『チェレヴィチキ』より“庭にりんごの花が咲いた・・・”
永瀬祐紀乃 ヴェルディ 『ファルスタッフ』より“夏のそよ風の上を”
矢崎陽子 バーンスタイン 『キャンディード』より“着飾って、きらびやかに”
笠井 仁 ヴェルディ 『リゴレット』より“悪魔め、鬼め”
近藤悦子 レオンカヴァッロ 『道化師』より 鳥の歌“大空をはれやかに”
鷲尾麻衣・原田 圭 モーツァルト 『魔笛』より パパゲーノの嘆き 〜 二重唱 “パ・パ・パ”
ピアノ:梅田朋子

▼チケットのお求めはこちら
二期会チケットセンター - 財団法人東京二期会

▼コンサートの概要はこちらをご覧ください
コンサートラインナップ「二期会クリスタルコンサート」- 財団法人東京二期会

Page Top

「千駄ヶ谷スタイル」ニューヨーク・カーネギーホールで2010年1月にコンサートを開催!

「千駄ヶ谷スタイル」・・・感性を同じくする4人の旬な演奏家。
ソプラノ田上知穂、メゾソプラノ長谷川 忍、テノール高田正人、バリトン与那城 敬が、“日常と日常の間に挟まれる栞(しおり)のような上質な時間をつくりたい”と2008年に結成しました。
完売となった昨年秋の表参道でのデビューコンサート後、メンバーの高田正人が2009年度文化庁新進芸術家海外留学研修員としてニューヨークへ留学し、4人での演奏活動は一旦休止しておりましたが、「あの晴れやかな歌声と極上のアンサンブルをぜひもう一度聴きたい」との要望も数多く、「そうだ!それならNYで歌っちゃおう」ということで、ニューヨーク・デビューが決まりました。
未来へ羽ばたく若き俊英たちのニューヨーク・デビューをご一緒に見届けませんか?
コンサート概要とツアー企画などをご紹介致します。
sensuta_omote1.jpg
◆コンサート概要◆
千駄ヶ谷スタイルNYコンサート「Sendagaya Style meets New York」
会場:ニューヨーク・カーネギーホール(ヴァイルリサイタルホール)
日時:2010年1月30日(土)20時30分(現地時間)
料金:一般$20.00、学生・シニア$12.00
出演:千駄ヶ谷スタイル(Sop.田上知穂、Mez.長谷川 忍、Ten.高田正人、Bar.与那城 敬)
演奏予定曲目:
 マスネ 歌劇《ウェルテル》より「手紙の歌」
 プッチーニ 歌劇《トスカ》より「星は光りぬ」
 ビゼー 歌劇《真珠採り》より「神殿の奥深く」
 ドリーブ 歌劇《ラクメ》より「おいでマリカ〜花の2重唱」
 ロッシーニ 歌劇《チェネレントラ》より「愛しの王子様はどちらへ」
 ミュージカル《ウェストサイドストーリー》より「トゥナイト」
 中田喜直「ゆく春」
 山田耕筰「松島音頭」
 山田耕筰「砂山」
 ララ「グラナダ」
 サティ「私はあなたが好き」
 グラハム「ユーレイズミーアップ」   ほか
後援:財団法人東京二期会
▼カーネギーホールのサイトにも情報が掲載されています。
"Sendagaya Style“: A Vocal Quartet - Carnegie Hall(英語サイト)
▼千駄ヶ谷スタイルについてはこちらをご覧ください。
千駄ヶ谷スタイル
*****
◆ツアー企画のご案内◆
「千駄ヶ谷スタイル・ニューヨークツアー」
H.I.Sのフリープランツアーに加え、メンバーによる滞在中の楽しい企画があります。
日時:2010年1月26日〜2月1日(5泊7日)
費用:20万8000円
主な内容(予定)
・カーネギーホールにて千駄ヶ谷スタイルのコンサート鑑賞
・メトロポリタン歌劇場にてオペラ鑑賞(『カルメン』または『トゥーランドット』)
・ブロードウェイミュージカル『オペラ座の怪人』観賞
・ニューヨーク市内観光 など
締め切り(第1次):10月31日(その後は応相談)
▼ツアー詳細はこちらをご覧ください。
千駄ヶ谷スタイルツアー in ニューヨーク - うたうひとDACHONのニューヨーク奮闘記(高田正人ブログ)
コンサート、ツアーに関するお問い合わせは、こちらから→sensuta@gmail.com

Page Top

『蝶々夫人』開幕!

東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』が本日から開幕しました!
butterfly091009_018.jpg 10日と12日の蝶々さんを演じる文屋小百合(楽屋にて)
公演会場となる東京文化会館大ホールロビーでは、着物などを展示してお客様をお迎えしております。
091009Image006.jpg 着物の展示
091009Image007.jpg 別の角度から・・・
091009Image005.jpg メルセデス・ベンツの展示もあります
また、昨日まで行われたゲネプロ(総稽古)の写真が、クラシック情報サイト「クラシックニュース」に掲載されており、最も美しい『蝶々夫人』の舞台の様子がご覧頂けます。
公演は10月12日(月・祝)まで。是非、会場でもその美しい舞台をご覧ください!
▼クラシックニュースの記事
栗山演出『蝶々夫人』究極の美の世界! 東京二期会オペラ公演 - classic news(10/9)
▼公演情報はこちら
2009年10月公演G.プッチーニ『蝶々夫人』- 東京二期会オペラ劇場

Page Top

『蝶々夫人』ゲネプロ!

東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』明日幕開けです!
当日のお天気も台風一過の素晴らしい日になるでしょう。
さて、公演に向けて、スタッフ、キャストは7日も遅くまで総仕上げとなる稽古を行い、その写真が現場から届きました。
◆7日ゲネプロ舞台の様子
右上写真、大山亜紀子(蝶々さん/9日・11日)と樋口達哉(ピンカートン/9日・11日)
butterfly091007_031.jpg butterfly091007_1618.JPG
butterfly091007_030.jpg butterfly091007_029.jpg
◆楽屋にて
左から 小原啓楼(ピンカートン/10日・12日)、谷原めぐみ(ケート/10日・12日)、
久保和範(シャープレス/10日・12日)、直野 資(シャープレス/9日・11日)、
佐藤泰弘(ボンゾ/9日・11日)、近藤政伸(仲介人ゴロー/9日・11日)
butterfly091007_018.jpg butterfly091007_027.jpg butterfly091007_024.jpg butterfly091007_028.jpg
長い年月を経ても少しも色あせることのない栗山演出の様式美の集大成ともいわれる『蝶々夫人』、二期会の精鋭たちが一丸となって益々パワーアップした公演となります。
1957年より、二期会『蝶々夫人』を演出し続けている栗山昌良氏は、今年83歳を迎えたとはとても信じられない俊敏な動きで、自らきめ細かに演技を指導しました。「『蝶々夫人』には毎回発見があり、プッチーニの素晴らしさ、奥深さをあらためて感じている」と氏の言葉の一言一言に説得力があり、その通り、ぎりぎりまで登場人物の心理や時代背景、所作のひとつひとつまで指導にも熱が入ります。
まさに総合芸術としてのオペラの魅力が凝縮された舞台は、老若男女、そして海外からのお客様にも大変好評です。
栗山氏は、来月の関西二期会『フィデリオ』も演出するという、まさに精力的な活躍ぶりです。
スタッフ、キャスト一同、ご来場をお待ち申し上げております。
▼公演詳細はこちらをご覧ください
2009年10月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』- 東京二期会オペラ劇場

Page Top

『蝶々夫人』公演迫る!

最も美しい演出と言われる東京二期会の『蝶々夫人』が、いよいよ10月9日(金)に幕を開けます。
7日と8日にはゲネプロが行なわれ、稽古も総仕上げとなりました。厳しいオーディションを経て選ばれた二期会のキャスト陣は、栗山昌良氏による薫陶を受けて大きな飛躍を遂げることでしょう。
指揮は信頼厚いジャック・デラコート。あの伝説のカルロス・クライバーと死の直前まで篤い親交があったといいます。クライバー縁の東京文化会館でタクトを取ることに感慨もひとしおである様子です。
この名舞台を直接観ることが出来る最後の機会となるかもしれません。どうか《最も美しいバタフライ》をお見逃しなく!!

公演タイムテーブルのご案内
10月9日(金)
10月10日(土)
10月11日(日)
10月12日(祝)
当日券
あり
あり
あり
あり
当日券販売開始
17:00~
12:30~
12:30~
12:30~
開場
17:30
13:00
13:00
13:00
開演
18:30
14:00
14:00
14:00
第1幕
約55分
休憩予定時刻
19:25~19:50
14:55~15:20
14:55~15:20
14:55~15:20
第2幕
約55分
第3幕
約35分
終演予定
21:20
16:50
16:50
16:50
※販売状況により券種によっては販売終了となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
※公演タイムテーブルは、当日の進行によりずれる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

▼公演詳細はこちらをご覧ください。
2009年10月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』- 東京二期会オペラ劇場

Page Top