あるときは気品と情感あふれるヴィオレッタ、またあるときはキュートで溌剌としたスザンナ。
華ある舞台姿と美声、実力と人気を兼ね備えた日本を代表するプリマ・ドンナ
澤畑 恵美 その魅力に迫る
2007年11月、東京二期会『天国と地獄』でオルフェウスの妻のユーリディスに主演する澤畑恵美さん。J・シュトラウス『こうもり』のコケティッシュなアデーレ役でも絶賛されているが、このオッフェンバックのオペレッタへの主演は初めて。二期会では80年代に一世を風靡した、なかにし礼・萩本欽一の演出、故立川清登、島田祐子の名コンビの舞台を覚えている方もいらっしゃるだろう。今回は新制作での上演。自由奔放で魅惑的な人妻ユーリディスを花も実もある歌い盛りの澤畑恵美がどう表現するのか、期待は尽きない。
スザンナやアデーレのようにキャラクターがはっきりしている娘役や悲しい宿命を背負いながらも愛を全うするヴィオレッタと違って、今回のユーリディスのように恋人との逢瀬を愉しむような人妻役は初めての経験ですが、やはり浅草オペラの頃から日本人に親しまれてきたオペレッタの傑作とあって、絶妙な音楽と台詞がちりばめられているのを感じます。新たなキャラクターへの挑戦ですが、共演者の方々やお客様との間に生じる間合いなども意識しながら、女性の中にある本質や危うさ、愛おしさを自然に表現できたらと思っています。
どうなんでしょうか(笑)。早めに準備しておきたい性格というのはありますね。特にオペラやオペレッタではテクニックだけでなく、その登場人物の情感やドラマをどこまで表現できるかが大切なので、お客様の反応を感じながら、冷静さと高いテンションを保つように心がけています。幸い、私の声帯は「薄くて長い」そうで、音域が広いのは様々な役を歌ううえで、有り難いことだと思っています。
リヒャルト・シュトラウスの音楽は本当に素晴らしいですものね。私も将来、元帥夫人や『フィガロの結婚』の伯爵夫人も歌ってゆけたらと思っています。
8月の下旬に収録して、日頃演奏している曲の中からピアニストの谷池重紬子さんとも相談しながら選曲しました。まだどの曲を使うか相談する段階ですが、「十五夜お月さん」、「この道」、「赤とんぼ」、「ゆりかご」、「さくら横丁」など22曲ほどです。
すきな曲ですか?そうですね。橋本国彦さんの「はな緒」などもとっても好きですし、山田耕筰さんの「この道」や中田喜直さんの「たんぽぽ」は、9歳になる息子と一緒に口ずさむこともある曲です。
まだプロの歌手になる前から、伊藤京子先生の「日本の歌」のCDを聞くのが好きでした。
レコーディングに当っては、お客さまが居ないホールでどう伝えるかというのは初めての経験でした。
普段はお客様の前で歌っているので、舞台での演奏の際に、自分が発する音楽に客席が反応してくださることにどれだけ自分が触発され支えられているのかを、あたらめて実感しました。CDは音だけで聴いていただくものですので、単調にならないよう音と言葉に神経を集中して、イメージをふくらませながら演奏したつもりです。
そうですね。主人とは音楽という枠でつながっていますが、互いの演奏に対してはあまり意見を言い合うことはありません。演奏に関しては、結婚というより、子供が生まれたことでの変化の方が大きいかもしれません。以前はまず演奏者としての自分が第一でしたが、子供が生まれてからはそうも言っていられず、自分は二の次になりますが、「七夕」や「お月見」などの季節の行事も、子供がいるから意識するようになったし、家族との時間が、「にほんのうた」を歌う時、自ずと若い頃には埋まらなかった部分を満たしてくれるように感じることはありますね。
「巻きカツ」です。
海苔巻きのようにしてカツを揚げます。
ラップの下に海苔を一枚しき、それを目安に海苔のサイズに薄切り肉を重ねて敷き詰めたら、ラップの下から海苔を取り出し肉の上にピタッと敷く。そして海苔に大きめの梅干しの果肉を塗り、ワケギを半分に折って芯にしてしっかりと巻き、粉と卵をとパン粉をつけて、からりと揚げる。