タグアーカイブ: 田口興輔

迫力の『トゥーランドット』無事に終演しました!(レビュー[2])

東京も30℃を超える暑さが続く中、粟國淳演出『トゥーランドット』の幕を下ろしました。
今回の公演は、「熱気があった」「オーケストラの音に感動した」等、お客様の声もいただき、これまでにないスケール感で盛り上がりを見せました。
公演写真を加え、この夏最大の舞台『トゥーランドット』を振り返ります。
★7月6・9日出演組(撮影:三枝近志)
☆7月7・10日出演組(撮影:鍔山英次)




福井 敬の凛々しいカラフ、横山恵子のたおやかなトゥーランドット姫、完成度の高い演奏を聴かせたピン(萩原 潤)、パン(大川信之)、ポン(村上公太)、ソリスト陣の勢いに乗り、いずれも高い評価を得ました。皇帝アルトゥムは田口興輔。


二期会合唱団も大活躍。トゥーランドットは、合唱の出番も多く大変な演目ですが、マエストロからの厳しい要求にも見事にこたえ、力強く表情豊かな音楽を聴かせました。

総勢130名が舞台に乗ると壮観です。こちらは1幕。


リュー(日比野 幸)の後ろの人物の表情にも注目。ティムールは佐藤泰弘。
群衆も一人一人、劇中で生きているのです。私たちがそうであるように。


ピン(栗原 剛)、パン(西岡慎介)、ポン(菅野 敦)
3人の大臣がそれぞれの故郷への憶いを馳せるシーン。


官吏、役人、美しい侍女たち。天上の人皇帝アルトゥムは牧川修一。
音楽を視覚的に楽しませ、華やかに彩りました。

7日と10日に代役でカラフを歌ったルディ・パークは、韓国出身。スカラ座をはじめ、世界各地の劇場でこのカラフを歌い、絶賛されている逸材です。

今回リューを歌った新垣有希子は、ローマでの研鑽時代、志を共にした友人でもあります。久しぶりの再会もあって、士気も高まりました。


丹藤亜希子も難役トゥーランドット姫を歌い切り、二期会オペラのデビューを飾りました。


ティムール(大塚博章)はリュウの亡骸にすがり悲しむ。


終幕。

たくさんのお客様に盛大な拍手をいただきました。
また、会場ロビーで行われた、東日本大震災被災地への義援金募金にも多くの方がご協力くださり、4日間の公演で合わせて「329,919円」をお預かりいたしました。この義援金は全額、東京都を通じ、被災地へお届けさせていただくことをご報告申し上げます。誠にありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)

▼レビュー[1}もあわせてご覧ください。
粟國淳演出『トゥーランドット』開幕!(レビュー[1]) - 二期会blog(2011/7/7)

ZEN,帆かけ舟

Page Top

「二期会サマーコンサート」〜心優しき愛の歌〜 公演間近!!
直前情報!予定プログラム詳細

 summer2009_2_thumb.jpg
ちらしダウンロード(PDF)

  
8月も終わりに近づき、毎年恒例の「二期会サマーコンサート」がやってまいります!
出演者も入念なリハーサルを行ない、本番に向けて準備万端です。

さて今年の司会は、注目の若手メゾソプラノ小泉詠子とウィーンから先日帰国したばかりのテノール望月哲也。今回は二人の二重唱こそありませんが、司会ではどんな“アンサンブル”を聴かせてくれるのでしょう!?

夏の終わりに素敵なコンサートに行ってみませんか!!

【予定プログラム/公演タイムテーブル】詳細
14:00  当日券販売
14:30  開場     
15:00  開演     
<第一部>55分
モーツァルト『イドメネオ』より“そよ吹く風よ” イーリア 山本香代
モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』より カタログの歌 レポレッロ 山下浩司
ロッシーニ『セビリャの理髪師』より“今の歌声は” ロジーナ 小泉詠子
ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』より“哀れなる父の胸は” フィエスコ 鹿野由之
ワーグナー『タンホイザー』より “歌の殿堂” エリーザベト 桑田葉子
グノー『ファウスト』より 宝石の歌 マルグリート 安部睦美
ポンキエッリ『ジョコンダ』より“優しい御声に” ジョコンダの母 押見朋子
マスネ『エロディアード』より“美しく優しい君” サロメ 冨田真理
プッチーニ『ジャンニ・スキッキ』より“フィレンツェは花咲く木の様に” リヌッチョ 望月哲也
〜休憩〜15分
<第二部>60分
ロッシーニ『セビリャの理髪師』より二重唱“それでは私なのね” ロジーナ 小泉詠子
フィガロ 山下浩司
ドニゼッティ『愛の妙薬』より二重唱“つまり、愛を呼び起こす驚くべき妙薬です” ネモリーノ 望月哲也
ドゥルカマーラ 鹿野由之
ドニゼッティ『愛の妙薬』より二重唱“何という愛情でしょう!私は薄情な女!” アディーナ 安部睦美
ドゥルカマーラ 鹿野由之
ビゼー『カルメン』より二重唱“母の便りを聞かせてよ” ミカエラ 山本香代
ホセ 望月哲也
ディ・カプア “私の太陽” 田口興輔
プッチーニ『蝶々夫人』より花の二重唱“桜の枝をゆさぶって” 蝶々さん 冨田真理
スズキ 押見朋子
カタラーニ『ワリー』より“さようなら、ふるさとの家よ” ワリー 桑田葉子
ファルヴォ “彼女に告げて” 田口興輔
17:10  終演予定    
summer_reh090826.jpg
※リハーサルの合間に・・・(左から田口興輔、押見朋子、ピアニスト山田武彦)
日時:2009年8月29日(土)15:00開演(14:30開場)
会場:北とぴあ さくらホール(JR京浜東北線王子駅北口またはメトロ南北線王子駅5番出口)
料金:(全席指定)A席3,000円 B席2,500円 C席1,000円 【当日券あり】
ご予約・お問合せ:二期会チケットセンター 03-3796-1831
*都合により演奏内容が一部変更になることがございます。あらかじめご了承ください。
*上記、予定時間は当日の進行状況によりずれる場合がございます。
*当初、出演を予定しておりましたソプラノ 渡邊清美 は都合により出演できなくなりました。
 かわりましてソプラノ 安部睦美 が出演致します。何卒ご了承ください。
Page Top

納涼〜毎夏恒例の『二期会サマーコンサート』へどうぞお越しください
心優しき愛の歌〜暑い夏を、サラリとエコに過ごすひと時!

二期会の華やかな歌手が 北とぴあ・さくらホール に顔をそろえる、夏の終わり恒例のコンサート。今年も8月29日(土)15:00より、財団法人北区文化振興財団・東京都北区との共催にて開催いたします。

 summer2009_2_thumb.jpg
ちらしダウンロード(PDF)
今年のテーマはエコ。楽しいお話と一緒に、オペラの名曲の数々をお聴きください。
司会は、二期会期待のテノール望月哲也と、たおやかな若手メゾ・ソプラノ小泉詠子の二人がつとめます。
昨年、東京二期会オペラ劇場『ワルキューレ』でブリュンヒルデを演じ、注目されたソプラノ桑田葉子が『タンホイザー』からエリザベートの名アリアを、04年『ドン・ジョヴァンニ』のマゼット、06年『フィガロの結婚』のフィガロ、07年『魔笛』のパパゲーノとモーツァルトをはじめ、ドイツオペラで高い評価を得ている山下浩司の出演も楽しみ。
『愛の妙薬』、『セビリャの理髪師』のヒロインは、いずれも才気あふれ恋には一途。そのヒロインをとりまく男たちは、ちょっぴり弱気だったりちょっぴりずるかったり。登場人物がそれぞれの心情を歌う二重唱も、たっぷり楽しめます。
10月に東京二期会オペラ劇場が上演する『蝶々夫人』からは、蝶々さんとスズキの「花の二重唱」もお届けします。

そして、数多のオペラで華麗なテノールとして地位を築いたベテラン、田口興輔も特別出演! 得意のイタリアのレパートリーを聴かせてくれます。
ピアノは、的確でおおらかなアンサンブル方法や、色彩豊かな音色によるピアノ奏法などで、そのサポートぶりに声種や楽器、また音楽の形態やジャンルを問わずさまざまな演奏家から信頼を得ている山田武彦氏。
夏の暑さを忘れるひととき、ぜひ、お誘い合わせてお越しください。

二期会サマーコンサート〜心優しき愛の歌
暑い夏を、サラリとエコに過ごすひと時!

日時:2009年8月29日(土)15:00開演(14:30開場)
会場:北とぴあ さくらホール(JR京浜東北線王子駅北口またはメトロ南北線王子駅5番出口)
料金:(全席指定)A席3,000円 B席2,500円 C席1,000円
出演:【ソプラノ】安部睦美、桑田葉子、冨田真理、山本香代
   【メゾソプラノ】押見朋子、小泉詠子
   【テノール】田口興輔、望月哲也
   【バス】鹿野由之、山下浩司
   【ピアノ】山田武彦
チケットお申込:二期会チケットセンター 03-3796-1831
予定プログラム:
<第一部>
W.A.モーツァルト『イドメネオ』より“そよ吹く風よ”
W.A.モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』より“カタログの歌”
G.ロッシーニ『セビリャの理髪師』より“今の歌声は”
G.ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』より“哀れなる父の胸は”
R.ワーグナー『タンホイザー』より “歌の殿堂”
C.F.グノー『ファウスト』より “宝石の歌”
A.ポンキエッリ『ジョコンダ』より“優しい御声に”
J.E.F.マスネ『エロディアード』より“美しく優しい君”
G.プッチーニ『ジャンニ・スキッキ』より“フィレンツェは花咲く木の様に”
<第二部>
G.ロッシーニ『セビリャの理髪師』より二重唱
G.ドニゼッティ『愛の妙薬』より二重唱“つまり、愛を呼び起こす驚くべき妙薬です”
        同      二重唱“何という愛情でしょう!私は薄情な女!”
G.ビゼー『カルメン』より二重唱“母の便りを聞かせてよ”
E.ディ・カプア “私の太陽”
G.プッチーニ『蝶々夫人』より花の二重唱“桜の枝をゆさぶって”
A.カタラーニ『ワリー』より“さようなら、ふるさとの家よ”
R.ファルヴォ “彼女に告げて”
*都合により演奏内容が一部変更になることがございます。あらかじめご了承ください。

Page Top

共同制作公演『トゥーランドット』大盛況の公演となりました!

昨年、好評を得た『ばらの騎士』に続く、共同制作第2弾。びわ湖ホール・神奈川県民ホール・東京二期会、日本オペラ連盟共同制作『トゥーランドット』。
さまざまな所属オペラ団体からキャスト陣が集まり、びわ湖ホール、神奈川県民ホールで、それぞれ2回の公演を打つスケールの大きいプロジェクトです。指揮は、びわ湖ホール芸術監督・沼尻竜典、演出は粟國淳。
まず3月14日に幕を開けたびわ湖ホール公演から、その熱気が伝えられました(びわ湖ホールではチケット予定枚数終了)。続く神奈川県民ホール公演も、首都圏からも多くの聴衆が駆けつけ、最高の盛り上がりを見せた公演でした。
序曲が終わると、舞台上には巨大な歯車の中で、唯々諾々、黙々と働く民衆たち。強圧的な皇帝と冷徹なトゥーランドット姫の従者・役人たちは、管をつけて、自らの思考が停止したかのような条件反射的に動きます。その動きはどこかぎこちなく、まるでロボットのよう。ただ一人リュウだけが、心の命じるままに自由に生きます。その境遇は、傍からは決して幸福とはいわれないかも知れません。しかし亡命中のタタール族のティムール王にだけ、リュウの美しさが見えるのです。
どこかユーモラスな旋律、故郷を懐かしむ歌詞、悲劇の中でほっと人間味を見せるピン・パン・ポン。3月15日のびわ湖、28日の神奈川県民ホールの舞台では、びわ湖声楽アンサンブルの若手歌手(ピン迎肇聡、パン清水徹太郎、ポン二塚直紀)が起用されました。

トゥーランドット姫は、横山恵子と並河寿美。高度に張り詰めた存在感、残酷さ、高貴な美しさで、
粟國演出の核となりました。この役はプッチーニオペラの中でも格別な存在ですが、非常に深い表現を秘めた歌声に、聴く人は心動かされたことでしょう。
左:トゥーランドット姫=並河寿美 右:リュウ=高橋薫子

総勢70名の合唱。ステージ上でも、裏でも出番が多い作品ですが、透明な高音、非常に分厚い響きで緊張を保ち、クオリティーの高さを示しました。
 
金属的で硬質な舞台装置は、トゥーランドット姫の閉ざされた城砦でもあり、囚われた心にも見えます。
照明は、劇中の重要な場面で、音楽とともに変容し、緊張感を高めてゆきます。トゥーランドット姫に挑むカラフ役は、福井敬と水口聡。気迫に満ちた王子カラフの熱唱、演技は、評論家からも注目され、各紙で絶賛されました。

皇帝アルトゥム(田口興輔)が君臨する壮大な皇国。

権力、冨、愛、いずれもが現代まで、解き明かされることのない欲望ではないでしょうか。
トゥーランドット姫の謎かけが、続いているかのような幕切れです。

写真提供:びわ湖ホール
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)
▼出演者などの詳細はこちらをご覧ください。
共催オペラ公演「トゥーランドット」- 公演記録|東京二期会

Page Top