カウンターテナーの彌勒忠史(みろく ただし)が、平成24年度(第63回)芸術選奨文部科学大臣新人賞に決定したことが昨日(3月12日)文化庁より発表されました。
芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞とは、昭和25年より芸術各分野において、優れた業績をあげた者またはその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨し贈呈され、芸術活動の奨励と振興に資するものです。
彌勒は日本に数少ない本格的カウンターテナーとして、古楽アンサンブル「アントネッロ」などと組んだ公演で独特のプログラムを披露し、中世やルネッサンス、バロックの声楽曲に笑いあり、涙ありの抜群の表現力を示しただけでなく、東京オペラシティ「コンポージアム2011」でのシャリーノ作品や、日生劇場でのオペラ『メデア』(日本初演・2012年)の使者役で、現代作品にも果敢に取り組み、集中力の強く優れた完成度の歌を美しい声で響かせるなど、志の高く幅広い活動を行ったことが、栄えある受賞理由となりました。
尚、今回の大臣賞にはオペラ『メデア』で彌勒と共演した、指揮者の下野竜也氏が受賞されています。
贈呈式は3月18日(月)午後3時より如水会館にて行われます。
現在、彌勒はレコーディングのため渡伊中ですが、今後国内において、音楽獣「音楽中◆Jazzyに奏でる初期バロック」(4月2日(火) 19:00 近江楽堂)、兵庫芸術文化センター管弦楽団定期の佐渡裕「カルミナ・ブラーナ」(4月5~7日、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール)などでその歌声をお聴きいただけるほか、二期会WEEK2013 第3夜~オペラ・ブッファの夜『ドン・パスクァーレ』(6月19日(水) 19:00 サントリーホール ブルーローズ)の演出を手掛けます。また、音楽情報誌月刊「ぶらあぼ」にて食にまつわる音楽の話「食べる音楽」を好評連載しています。
▼文化庁のプレスリリース
・平成24年度(第63回)芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の決定について - (PDFファイル)
▼彌勒忠史のプロフィールはこちら
・彌勒 忠史 (ミロク タダシ) - 二期会21
▼演奏会情報などの関連リンク
・音楽獣「音楽中◆Jazzyに奏でる初期バロック」 - 二期会21
・二期会WEEK@サントリーホール2013 第3夜「オペラ・ブッファの夜『ドン・パスクァーレ』」 - 二期会21
・第60回定期演奏会 : 佐渡裕「カルミナ・ブラーナ」 - 兵庫芸術文化センター管弦楽団
・クラシック音楽情報サイト WEBぶらあぼ
タグアーカイブ: メデア
【レビュー】2012年11月公演 A.ライマン『メデア』(日本初演)が、平成24年度文化庁芸術祭賞「大賞」を受賞いたしました
明けましておめでとうございます。
おかげさまで二期会は昨年創立60周年を迎えることができました。
公益財団法人東京二期会および、株式会社二期会21では、2013年も創立60周年記念の充実したラインアップで、より多くの皆様にお楽しみいただけるよう努力してまいります。
61年目の二期会もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて既報の通り、2012年11月9~11日、日生劇場において二期会創立60周年記念公演・日生劇場開場50周年記念特別公演・読売日本交響楽団創立50周年記念事業と銘打ち日本初演に挑んだ、アリベルト・ライマン作曲のオペラ『メデア』が、このたびの平成24年度(第67回)文化庁芸術祭において芸術祭賞音楽部門「大賞」を受賞いたしました。
ご来場いただきましたお客様、ならびに公演関係各位に心より御礼申し上げます。
緊張感のある複雑に絡み合う音、登場人物の心理を立体的に示す跳躍する音型、さまざまな打楽器がずらりと並ぶオーケストラ、音楽的に非常に難しく、高いテクニックが要求される作品でした。演出の飯塚励生は、神話のドラマを現代にも通じる愛の喪失、母と子、富と権力、異文化と孤独、等、明快なメッセージとともに、この作品を具現化しました。
舞台写真とともに、公演を振り返ります。
写真撮影:三枝近志(◇…11月9・11日組、★…11月10日組)
<舞台写真はクリックで拡大表示します>
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コルキス王の娘メデア(大隅智佳子)は、秘宝の金羊皮を地中深くに埋めます。
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メデア(飯田みち代)は、夫イヤソン(宮本益光)とともに、コリントに逃れ、王クレオン(大間知 覚)の庇護を求めます。
かつてメデアを愛したイヤソンですが、今では心が離れていくのを隠そうともしません。
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メデアの役に体当たりで臨んだ大隅智佳子。
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しなやかな、誇り高い女王メデアを繊細に演じた飯田みち代。
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コリント王の娘、クレオサ(山下牧子)はイヤソンとの再会を喜び、故郷を追われたメデア(大隅智佳子)に同情し、キターラを教えます。
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そこへ現れたイヤソン(与那城 敬)は、歌を習うメデアを嘲ります。
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メデアが誇りを傷つけられ、キターラを壊すと、かえってイヤソンは、クレオサ(林 美智子)との距離を縮めるのです。
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メデアの子供は、クレオサのもとへと連れ去られます。
乳母のゴラ(小山由美)は、メデアに子どもを取り返すべきだと説きます。
◇
使者(彌勒忠史)がコリントを訪れ、コルキス王とペリアス王の死に、イヤソンとメデアが関わった疑いで、匿っていることを咎め、国外追放を要求します。
華麗にして冷淡な使者の言葉が、メデアを次第に追い詰めていきます。
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王クレオン(大野徹也)は、娘クレオサの夫となるイヤソンを庇いますが、メデアに対しては冷酷にも追放を告げます。
大畑浩恵の振付による、赤い衣裳のダンサーたち。
メデアの心の動きを表します。疑惑、嫉妬、復讐…。
◇
夫の保身と愛の喪失を悟ったメデアは、次第に狂気にとりつかれます。
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秘薬によって、クレオサの命を奪い、こども2人を自ら手にかけたメデア。
全てを失いさまようイヤソン。
金羊皮がもたらした運命を、メデアはただ「夢でした」とつぶやくのです。
嬉しく楽しい歌ばかりでなく、苦しみや悲しみや恐れを歌う声にもまた、深い慰めを見出すことができる。
連続した音の重なりが震え、心の闇に降りていくような不気味さ、現実世界で見せることはない激情が押し寄せるとき、聴く人は、メデアに共感を覚えたのではないでしょうか。
中でも、純度の高い愛に対しては、束の間、静謐な音が聞こえてくるのです。
初来日となったライマン氏は、イメージした通りの音が鳴っている、と感激し、指揮の下野竜也氏をはじめ、歌手、オーケストラに大賛辞を送りました。
来秋もアリベルト・ライマン作曲、シェイクスピア原作のオペラ『リア』を今回と同じ下野竜也指揮、読売日本交響楽団の演奏で日生劇場にて日本初演します。栗山民也による新演出です。
ぜひご期待ください。
日生劇場『メデア』開幕!
日生劇場公演『メデア』が開幕しました!
作曲家アリベルト・ライマン氏は先月末に来日。立ち会ったリハーサル初日から「自分が思い描いていた音が再現されている!」と最大の賛辞を我々日本人演奏家に贈ってくれました。
同時代の芸術作品というのは、今を生きている私たちの日常の出来事やら夢やら社会問題を孕みながら、私たちにはまだ見えていない「未来」を示してくれるものであると思います。
愛されたがゆえ、また愛したがゆえに、常軌を逸する行動に及んだメデア、世渡りに長けることでかえって、誰よりも権力に翻弄され身を滅ぼすイヤソン、そして、一音も与えられず(=一言もものを言えず)生を終えた、言葉なき子供たち。
彼ら登場人物は、私たちの時代を、おそらくはその矛盾を背負っているかのようです。
彼らは舞台の上で苦しむ姿を見せますが、その姿が私たちに気づきを与え、昇華を促し、もしかしたら解決の糸口を教えてくれているのかもしれません。
初日の終演後には「難しいと思ったけど、ドラマが分かりやすかった」「聴きやすい旋律はないのに、音楽がとてもいい」といったお客様の声を聞きました。
オペラ『メデア』は、本日、明日の3日間だけ。
ご来場お待ちしております!
▼公演詳細はこちら
・2012年11月公演 A.ライマン『メデア』- 東京二期会オペラ劇場
▼日生劇場のホームページはこちら(公演情報がご覧いただけます)
・日生劇場
※当日券は日生劇場チケット窓口で朝10:00より発売します
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日本初演迫る!11月9日~11日A.ライマン『メデア』公演当日のご案内
いよいよ9日(金)から東京・日比谷の日生劇場にて、二期会創立60周年記念公演・A.ライマン『メデア』が開幕します!
不協和音と歌い手の超絶技巧を駆使しつつ辿り着く、静謐(せいひつ)なラストシーンは心を打たずにはいられません。日本初演となる作品のお披露目にぜひご来場ください!
こちらに公演当日のご案内をいたします。
(日生劇場開場50周年記念・読売日本交響楽団創立50周年記念) A.ライマン作曲 『メデア』オペラ全2部・日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演 指揮:下野竜也/演出:飯塚励生 |
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=アクセス= |
<JR> [山手線][京浜東北線]=「有楽町駅」日比谷口徒歩10分 <地下鉄> [千代田線][日比谷線][都営三田線]=「日比谷駅」A13番出口徒歩1分 [有楽町線]=「有楽町駅」徒歩10分 [丸ノ内線]=「銀座駅」徒歩10分 お車のお客様は日生劇場ウェブサイトをご覧ください |
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※販売状況により券種によっては販売終了となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 ※公演タイムテーブルは、当日の進行により変わる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 |
▼公演詳細はこちら
・2012年11月公演 A.ライマン『メデア』- 東京二期会オペラ劇場
▼日生劇場のホームページはこちら(公演情報がご覧いただけます)
・日生劇場
◆指揮・下野竜也、演出・飯塚励生が『メデア』の魅力を語っています!ご来場の前にぜひご覧ください。
▼指揮・下野竜也 インタビュー
・100年後の「名作」が生まれ出る瞬間に立ち会う喜びを - WEBぶらあぼ
▼演出・飯塚励生 動画インタビュー
・演出の飯塚励生がオペラの見どころを語る。 - classic NEWS
東京二期会『パルジファル』が評論家全員から三つ星を獲得!!
クラシック音楽専門誌「MOSTLY CLASSIC」最新9月号に掲載の専門家による推薦演奏会情報記事「コンサート特選館」にて、4人の執筆者全員が『パルジファル』を第一位・三つ星に選定しました!
◎生きる痛みと共感――「パルジファル」には今の日本に重要なテーマが
~石戸谷結子
◎東京二期会「パルジファル」は最前線のオペラ上演に接する絶好の機会
~岡本 稔
◎「驚くべき結末」が待つ二期会の「パルジファル」
~東条碩夫
◎飯守泰次郎が深い理解で作りあげるであろう「パルジファル」に期待
~寺西基之
さらに、今号の「MOSTLY CLASSIC」の特集テーマは、まさに「ワーグナー」!『パルジファル』の作品紹介ももちろんありますので、ご観賞前にチェックされてみてはいかがでしょうか?
▼「MOSTLY CLASSIC」の詳細はこちら
・2012.9月号 オペラの巨人ワーグナーとリング - MOSTLY CLASSIC
そして――、
「音楽の友」夏の特大8月号でも、特集が「オペラが観たい!~国内外オペラ最新事情」。
国内外の公演にならんで、我が東京二期会の『パルジファル』『こうもり』、そして日生劇場・読売日本交響楽団との『メデア』の観どころ、聴きどころが紹介されています!
ちなみに、「『こうもり』を白井晃演出で再演」とありますが、正しくは新演出です!
『こうもり』は二期会オペラの中でも『フィガロの結婚』の16回に次いで上演回数が多く、『カルメン』と並んで今回で13回目となります。
そして、國土潤一氏による「特別寄稿・二期会60周年に寄せて」が今年2月『パルジファル』の舞台写真とともに掲載されました。こちらもあわせてお読みください!
▼「音楽の友」最新号の情報はこちら
・2012.8月号 特集・オペラが観たい!~国内外オペラ最新事情 - 音楽之友社
▼『パルジファル』の公演詳細はこちら
・飯守×読響×二期会がおくる渾身のワーグナー!『パルジファル』 - 東京二期会
▼チケットのお申し込み・お問い合わせはこちら
・二期会チケットセンター TEL.03-3796-1831 インターネット予約Gettiなら24時間受付!
(平日:10:00~18:00/土:10:00~15:00/日祝休)
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二期会創立60周年記念プレミエ・キャンペーン始まる!
二期会創立60周年を記念し、オペラ公演のプレミエ(公演初日)のお客様に特典をお贈りするプレミエキャンペーンを実施します。
欧州のオペラ劇場での特別な公演では、プレミエの料金が他の日よりも値段が高いこともあるくらいスペシャルなイベント。初日だからこその、「スペシャル感」と「高揚感」に劇場全体が包まれます。
「特別な年に、特別なことを!」という想いから、プレミエ特典をご用意いたしました。
『パルジファル』 ◆復刻版 対訳本プレゼント!◆
2012年9月13日(木) 17:00開演 東京文化会館 大ホール
復刻対訳本の表紙(左)と裏表紙。当時の広告も再現!
二期会が『パルジファル』を日本初演したのは1967年。なんと45年前!
訳詞上演がメインだった時代になんと原語上演を敢行しました。
字幕のない当時にあって頼りにされたのが「対訳」であろう、ということで探しましたら、残っていました!聞けば、どうも当時も非売品でスタッフ用に作られたものであったらしく、ほんとうに部数はわずか。まさに「幻の対訳」でした。
今回は、それをもとに復刻版を作成。9月13日(木)にご来場いただいたお客様全員(!)に
プレゼントいたします!
▼『パルジファル』公演詳細はこちら
・東京二期会オペラ劇場『パルジファル』舞台神聖祭典劇全3幕 - 東京二期会
『メデア』 ◆作曲家A.ライマンを迎えてのプレトークに参加◆
2012年11月9日(金) 19:00開演 日生劇場
アリベルト・ライマン
これだけ名作がたくさんあり、時代も変遷して、それでもオペラを新しく作曲し、上演する意味はあるのでしょうか。
そのような(ある種意地悪な)問いかけに、アリベルト・ライマンは次のように答えていました。
「人は生きている限り、歌うでしょう」
日生劇場開館50周年記念、読売日本交響楽団創設50周年記念でもあるアリベルト・ライマンの最新作の上演。そのプレミエはもちろんスペシャルです。
今回は、公演前のドラマトゥルク長木誠司氏によるプレトークに、ライマン本人が登場します。初日(11月9日)のチケットをもったお客様だけの特典です。
ご希望の方は、チケットをお申込の後、日生劇場にお電話(Tel.03-3503-3111)にてお申込下さい(定員100名様/お申込順)
▼『メデア』公演詳細はこちら
・《二期会創立60周年記念》『メデア』 - 東京二期会
▼チケットのお求め・お問い合わせは:二期会チケットセンター
TEL.03-3796-1831 (平日10:00~18:00 土10:00~15:00 日祝休)
本番せまる7月公演、指揮者パオロ・カリニャーニのビデオ・メッセージ!
13日(金)のプレミエは、終演後にキャストがお見送り!
東京二期会オペラ劇場7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』は13日(金)のプレミエまで、あと3日!
先日、オーケストラと両組歌手とのリハーサルを終えたばかりのマエストロ、パオロ・カリニャーニから、日本のお客様へむけてメッセージを受け取りました。
そして、13日(金)のプレミエ公演では、「二期会創立60周年記念プレミエキャンペーン」第一弾を実施します。初日だからこそのスペシャル感、高揚感が劇場全体を包み込むように、創立60周年という特別な年に特別なことを!という想いから実施させていただきます。
今回は、13日(金)の終演後、キャストがロビーにてお客様をお見送りいたします。
どうか心ばかりの御礼の気持をお受けいただければ幸いです。
二期会創立60周年記念公演『フィガロの結婚』終演後の様子。
今回も一同ごあいさつさせていただきます。
「プレミエキャンペーン」は今後、『パルジファル』、『メデア』と続いていきますので、どうぞお楽しみに!
▼公演の詳細はこちら
・2012年7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ/パリアッチ(道化師)』 - 東京二期会オペラ劇場
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