4月公演 プッチーニ『エドガール』~ここを聴く!
第2回「特別な役柄《ティグラーナはTigre》」

2022年4月公演は、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ プッチーニ『エドガール』。
プッチーニ第2作目のオペラで、世界的にも上演される機会は少ないのですが、音楽は素晴らしく、プッチーニの若かりし時代の「歌」が熟練の筆致で充溢している奇跡の名曲。その知られざる名曲の中から、聴きどころを皆様にお届けします。

今回は、『エドガール』だけではなく、プッチーニのオペラに登場するキャラクターの中でも異彩を放つティグラーナです。
ご存知の通り、プッチーニの描く女性像はトスカ、ミミ、蝶々夫人等、ソプラノに主要役が多く、“プッチーニ・ヒロイン”と呼ばれる役柄は愛する人のために命を燃やす女性として、強い共感を呼ぶことが特徴の一つで、『エドガール』でのフィデーリアもこのカテゴリーに入る役柄と思います。
一方、ティグラーナは、このプッチーニ・ヒロイン(フィデーリア)のカウンターとして配置されています。皆に愛される無垢な娘フィデーリアに対して、ムーア人の捨て子で自らの欲望に忠実に従い、村人から疎まれるティグラーナ。
そんなティグラーナの名前の由来は「Tigre(フランス語・イタリア語で「虎」)」。キャラクターとしてはカルメンのイメージでしょうか。

それではティグラーナの聴きどころをご紹介。
まずは第1幕から、教会に大人しく通う村人を馬鹿にして歌う「子羊は可哀想に!」を。
大勢の村人に対して1名で自分の意志を貫くティグラーナは、このオペラ内では悪役ポジションですが、魅力的な悪女として印象深いシーンです。
もうひとつが、彼女のエドガールへの愛情が見える、第2幕の二重唱「エドガール、あなたの顔には」
猛女というだけではなく、フィデーリアとは異なるアプローチでエドガールを求める柔らかなメロディーは、この役の幅の広さを感じさせます。実はこのオペラの中に、フィデーリアとエドガールには二重唱が無いことからも、意味のある二重唱かと思います。
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ティグラーナ 中島郁子(4/23)
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ティグラーナ 成田伊美(4/24)
長閑な村の中で爪を隠さず生きるティグラーナの演唱は、プッチーニオペラにおける女性像に新たな光を当ててくれるはず。この役を演じる中島郁子と成田伊美の歌唱と共にご期待ください!

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▼『エドガール』公演情報ページはこちら
2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ

2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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