2015年『ジューリオ・チェーザレ』より クレオパトラ役(撮影 三枝近志)
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――2015年のご出演から6年ぶりの再演となります。宮本亞門演出版『魔笛』の夜の女王役は、どのような役柄、人物、キャラクターでしょうか。再演を前にして、考え方に変化や、深まりはありましたでしょうか。
高橋: 宮本亞門さんは「夜の女王は美しくて魅力的な人だ」とおっしゃっていて、当時今よりも若くパミーナのような年齢の娘がいる女性をどのように演じたら良いか迷っていた私にとって大きなヒントになりました。今回もただインパクトがあって怖い女王ではなく、特別に美しく人知を超えた存在として夜の女王を演じたいと思っています。
2015年の出演から、ありがたいことに何度も夜の女王を演じ、コンサートでアリアを歌う機会をいただきました。考えてみればこの6年間、夜の女王を歌い続け考え続けていたのかもしれません。昨年11月、日生劇場でルチアを演じた時には、夜の女王もルチアも女性であることで不当な扱いを受け、激しい復讐心や狂気をコロラトゥーラで表現するという点がすごく似ていると思ったんです。そのときも、夜の女王が私の中にずっとあったように思います。
――名曲ぞろいの『魔笛』ですが、高橋さんの一番の聴きどころ、感動ポイントを。
高橋: 聴きどころは本当にたくさんあって選ぶのが難しいですが…ここは「夜の女王のアリア」と答えさせてください!(笑)
いつも感動してしまうのは「パ、パ、パ」の二重唱。あまりの幸福感に思わずぐっときてしまいます。
――人生最初のモーツァルト体験は覚えていますか。
高橋: 幼少期にピアノソナタを一生懸命練習していたのを覚えています。 小学校6年生の時に発表会で弾いた「きらきら星変奏曲」は特に印象的で、今でも弾けると思いますよ!
同じ頃、合唱指揮者である母が「モーツァルトの百面相」(作詞:山川啓介 編曲:鈴木輝昭)という作品を合唱団で取り上げていて、よく聴いていたんです。
モーツァルトの作品が20曲以上も入っているとても楽しい曲で、よく口ずさんでいました。もちろん「夜の女王のアリア」も入っていて歌っていました!
2015年『魔笛』より 夜の女王役(撮影 三枝近志)
――これまでで一番印象に残っているモーツァルトの舞台は?
高橋: 舞台でいえばやはり2015年の『魔笛』でしょうか。あんなにもお客様の視線に緊張したのは後にも先にもあの舞台だけですね。それほど夜の女王という役が注目を浴びるのだと実感した舞台でした。
それとは対照的に、今年の4月に秋山和慶マエストロと日本センチュリー交響楽団さんとご一緒し「踊れ、喜べ、幸なる魂よ」ソプラノソロを務めた際には、軽やかで幸せに満ちたモーツァルトの音楽を演奏する喜びをひしひしと感じました。
――今、この『魔笛』を上演することの意味、お客様にお伝えされたいこと、公演にむけて意気込みを。
高橋: このコロナ禍において世界が一変し、人々の価値観も変わってきました。 そんな中でも変わることなく人々を支える「愛」「勇気」「希望」といったものを今こそ、この『魔笛』で感じて頂ければと思います。
タミーノやパミーナ、パパゲーノたちが困難に立ち向かう姿は、困難に立ち向かう私たち自身と重なって見えるような気がします。
また、2015年の初演は私自身二期会本公演のデビューでもありましたが、この6年間の間に舞台経験を積み、留学も経験したことで2015年とは違う姿をお見せできるのではと思っています。
再演でさらにパワーアップした『魔笛』、そして高橋維の夜の女王をぜひ観にいらしてください!
2019年『天国と地獄』より ユリディス役(撮影 三枝近志)
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▼『魔笛』公演情報ページはこちら
・2021年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場
2021年9月8日(水)18:30、9日(木)14:00*、11日(土)14:00、12日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…夜の女王 高橋 維 出演日
●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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8日(水),9日(木)の公演につきましては、引き続き新規のご予約を承っております。尚、本公演は予定通り開催させていただきます。すでにお客様のお手元にあるチケットは有効となります。ご来場を心よりお待ちいたしております。