出演歌手は、テーマにちなんで、夫婦愛のオペラ『フィデリオ』から、レオノーレ役ソプラノ木下美穂子と、宿敵ドン・ピツァロ役バリトン大沼 徹。そしてスペシャルゲストに演出の深作健太も登場し、大いに盛り上がりました(ブラボーはなしで)。ピアノは平塚洋子が務めました。ご来場たいへんありがとうございました!
今回は、できる限りの感染症対策を施し、開催させていただきました。
進行役の高田も、「こんなに長い間、歌う舞台がなかったのも学生時代以来です…」と、久しぶりのステージに意外と緊張気味?
と思いきや、滑らかな活舌で、「結婚」をテーマにオペラ誕生の物語からトークを展開させました。
もともと貴族の結婚式の催しものとして、サロンに集まっていた詩人や画家や音楽家など芸術家たちがご主人様から「みんなでなんかやって」と、今でいうところの「無茶ぶり」をされたところから奇跡的に生まれた、という総合芸術。オペラはその産声を上げたときから結婚と縁のあるものだったのですね。
エンジンがかかってきた高田講師。約50の演目を、結婚を軸にチャートにして一気に解説!
○純愛、だが死ぬ…『ロメオとジュリエット』、『トスカ』、『ボエーム』など
○純愛、かつ結ばれる…『フィガロの結婚』『セビリャの理髪師』『フィデリオ』『メリー・ウィドー』など
●痴情のもつれで、死ぬ…『ドン・ジョヴァンニ』『オテロ』『カヴァレリア・ルスティカーナ』など
●痴情のもつれ、だがHAPPY END…『こうもり』『コジ・ファン・トゥッテ』『ファルスタッフ』
痴情がもつれて幸せになれるのは50演目中、上の3つしか見つからなかったとのこと。 「浮気をするのは、命懸け」。やはり幸せにはなれないのです。
続いてバリトン大沼 徹のステージ。
『オテロ』のイアーゴで東京二期会オペラ劇場主演デビューした大沼は、今回も悪役です。「オペラに出てくる“ダメ夫”は?」の高田からの質問には、「『フィガロの結婚』の伯爵、それと『ウィンザーの陽気な女房たち』のフルート氏。でも、最悪の男は、イアーゴでしょう」と大沼。
ここで高田も1曲。トスティの「最後の歌」を。
この曲に限らず、イタリアの歌には未練がましい男の歌が多いのだとか。歌から各国の文化の違いも見えてきます。当日はヨーロッパ各国と日本の結婚観の違いなども自論を展開しました。
そして、ソプラノ木下美穂子は、世界中で歌ってきた『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」を披露。
今年、アメリカから完全帰国した木下。「これまで歌ってきた“妻”役で印象に残っているのは?」の質問に、木下は「意外と既婚の役というのは少なくて、蝶々さんもそうですけど、印象的なのは『オテロ』のデズデモナ、それに『仮面舞踏会』のアメーリアですね」。
アメーリアのように夫の上司に道ならぬ恋をするというのも「舞台ならではですね」。
後半にはいよいよ演出・深作健太が登場。
▼▼この模様は、ぜひ動画でご覧ください!▼▼
9月の公演に先駆けて大沼のドン・ピツァロ、木下のレオノーレそれぞれのアリアも披露された後半のステージ。熱狂のうちにカーテンコールとなりました。
ご来場の皆様は劇場が恋しくなってしまったでしょうか?
9月『フィデリオ』から始まる2020オペラ・シーズン、開幕は、まもなくです!
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▼次回オペラ公演 9月『フィデリオ』公演情報ページはこちら
・2020年9月公演 L.v.ベートーヴェン『フィデリオ』 - 東京二期会オペラ劇場
2020年9月3日(木)18:30、4日(金)14:00、5日(土)14:00、6日(日)14:00 新国立劇場オペラパレス
指揮:ダン・エッティンガー/演出:深作健太
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
〈主催〉公益財団法人東京二期会
〈共催〉公益財団法人新国立劇場運営財団、公益財団法人日本オペラ振興会
●公演のご予約・お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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