10月公演『蝶々夫人』キャスト紹介インタビュー連載【4】
~ボンゾ役 志村文彦

東京二期会公演はもちろん、新国立劇場、びわ湖ホール、兵庫芸術文化、日生劇場などで屈指の出演歴を誇るバス志村文彦。2018年にはオペラ『金閣寺』道詮和尚役でフランス・デビューを果たした日本を代表するバスが、自身これまでに何度も演じてきた『蝶々夫人』ボンゾ役で、今度10月の新制作公演に出演します。
今回は、そのフランスでのエピソードや、10月の公演に向けて話を聞きました。

 志村文彦

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――これまで多くの舞台に立ってきた志村さんですが、とりわけ印象に残っているものはありますか。

志村: ひとつというのは難しいです。 達成感を味わえたもの、譜読みに苦労したもの、体調不良で挑んだもの、それぞれに思い出があって・・・・・・決められません、すみません。


2005年2月公演『メリー・ウィドー』より
ニェーグシュ役の志村(左) 右はツェータ男爵役の故平野忠彦氏

――その都度、ひとつひとつの役に打ち込み、目の前の舞台に取り組んできたゆえの答えでしょうか。では、昨年、黛敏郎『金閣寺』にて、フランス国立ラン歌劇場(ストラスブール/ミュールーズ)の舞台に立ちました。そこでの印象に残ったエピソードがあれば、教えてください。

志村: フランス語が全くわからない状態でしたので、フランス滞在中は周りのたくさんの人たちにお世話になりました。
公演中日だったと思いますが、ビデオ録りがあるという日に日本からも何人か来てくださっていたこともあり、ちょっと色気を出して指揮者から目を離した隙に、入りの合図を見落としてしまい、ワンフレーズが一人全部ずれてしまいました。そのあとの溝口役の歌手との真剣な場面で、相手の目が笑っていたのが今でも思い出深いです。



2018年3月オペラ『金閣寺』フランス公演より 道詮和尚役 志村は右端


2019年2月オペラ『金閣寺』東京公演より(写真:三枝近志)
左は溝口役の宮本益光

――『蝶々夫人』のボンゾも何度も演じてきた役のひとつ。あらためて、ボンゾとはどのような人物でしょうか。

志村: 幸福に満ちた舞台に登場するやいなや、キリスト教に改宗した蝶々さんに怒りをあらわにして、その勢いのまま退場する、蝶々さんの運命を暗示するかのような役ですが、勝手に改宗したことに腹をたてているだけではなく、米兵と結婚する姪の将来を案じての動揺もあり、怒りの中にも愛があるのだと思っています。

――お客様へのメッセージをお願いいたします。

志村: 何度も演じさせていただいている演目ですが、新鮮な気持ちで臨みたいと思っています。 ワンシーンですが、物語に必要だったと思っていただけるようなボンゾになれば、と思います。


前回出演の『蝶々夫人』ボンゾ役(右端) 2017年10月公演より(写真:三枝近志)

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▼東京二期会『蝶々夫人』の本公演情報はこちらから 《チケット発売中!》
〈ザクセン州立歌劇場とデンマーク王立歌劇場との共同制作公演〉2019年10月公演 G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場

2019年10月3日(木)18:30、4日(金)14:00、5日(土)14:00、6日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
2019年10月13日(日)15:00 よこすか芸術劇場
指揮:アンドレア・バッティストーニ/演出:宮本亜門/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
〈主催〉文化庁、公益財団法人東京二期会/〈制作〉公益財団法人東京二期会
<志村は東京公演の10月3日(木)と5日(土)、および横須賀公演に出演致します>

●本公演のお問合せ・チケットのご予約は
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の
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