2月21日にワールド・プレミエ(新制作初演)を迎える東京二期会オペラ劇場『ローエングリン』に出演する俳優の丸山敦史。二期会公演初登場となる彼の横顔をご紹介するべく、音楽評論家・室田尚子さんがインタビューしました!
丸山敦史
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『ローエングリン』で、「もうひとりのローエングリン」ともいうべき黙役の騎士を演じる丸山敦史さん。182センチの長身に、切れ長で涼しげな目が印象的だ。個人的には2013年のスーパー戦隊シリーズ「獣電戦隊キョウリュウジャー」(テレビ朝日系)の6人目の戦士・キョウリュウゴールドに変身する空蝉丸が忘れられない。戦国時代からタイムスリップしてきたという設定の空蝉丸は、現代社会の中で色々苦労しながらも、仲間への思いを常に抱き続ける「気配りの人」だった。その後、映画に舞台にと活躍の場を広げてきた丸山さんだが、『ローエングリン』演出の深作健太さんとは、舞台〈闇狩人〉〈里見八犬伝〉などで共演している。
舞台〈里見八犬伝〉より
深作さんによると、丸山さんは「アクションではなく佇まいで存在感を放てる人」。一流の歌手揃いのオペラの舞台で、セリフという俳優にとって最大の武器を奪われた状態で戦うという挑戦も、彼なら大丈夫と太鼓判を押す。
「〈闇狩人〉のときは敵方のラスボスで、一人高いところに立っている絶対的な存在という点では今回の騎士役と似ているところがあるかもしれません。今回はセリフなしでそうした圧倒的な存在感を表現しなければならないので、とにかく必死に食らいついていくしかないなと思っています。」
深作演出のプランは、1月21日に行われた「二期会プレ・マチネ」でも大枠が披露されたのでご存知の方もいらっしゃると思うが【イベントのレポートはこちら⇒ 二期会プレ・マチネ「映画監督 深作健太と『ローエングリン』~今、僕が考えていること」 - オペラの散歩道(二期会blog)】、ローエングリンをバイエルン国王・ルートヴィヒ2世に重ね合わせるという斬新なもの。その中で丸山さんが演じるのは、ルートヴィヒの脳内だけに存在している「理想の騎士」という設定だ。他の登場人物とは違う次元にいる、特別な存在。「キョウリュウジャー」の空蝉丸とも重なる。
『ローエングリン』稽古場にて
「僕が想像していた『白鳥の騎士』とは違いましたが、さすが深作さんが考えることは一歩先をいっていると思いました。そういう作品に呼んでいただけたのはとても嬉しいですし、同時に責任感も感じます。」
二期会の稽古に入るまでに、すでに『ローエングリン』について資料にあたり勉強もしてきていたようだ。とても勉強熱心な面ものぞかせる。「器用な方ではないので、納得できるまでよく考えたいタイプなんです」という丸山さんだが、深作さんも「音楽だけでなく、ローエングリン=ルートヴィヒという一つの役を補完していく役。丸さんなら必ずできるはず」と期待を語ってくれた。
『ローエングリン』稽古場にて 写真右は演出の深作健太
最後に丸山さんから、ファンの皆さんへメッセージを。
「オペラはすごいですね。セリフがないのに歌手の皆さんの表現だけでドラマがちゃんとわかるようになっている。僕のファンで、まだオペラを観たことがないという方にもぜひ観にきてください、とオススメしたいです。」
私たちオペラ・ファンの方も、丸山敦史という俳優が舞台でどんな化学変化を起こしてくれるのか、これまでにない経験ができるにちがいないと今からワクワクしている。
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深作『ローエングリン』の大きなカギをにぎる、騎士役の丸山敦史は全日出演。
どうぞお楽しみに!
ローエングリン・福井 敬との2ショット
▼2月21日(水)ワールド・プレミエ!『ローエングリン』公演詳細はこちら 《チケット絶賛発売中!》
・2018年2月公演 R.ワーグナー『ローエングリン』 - 東京二期会オペラ劇場
2月21日(水)18:00(プレミエ・キャンペーン開催)/22日(木)14:00(平日マチネ・スペシャル:深作健太アフタートーク開催)/24日(土)14:00/25日(日)14:00
●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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【お詫びと訂正】本記事掲載当初、丸山敦史氏出演の深作健太氏演出作品として、堤 幸彦氏の演出作品である舞台〈真田十勇士〉を誤って記載しておりました。堤氏、深作氏、丸山氏はじめ関係各位にお詫びの上、訂正させていただきます。