10月27日(木)、11月公演『ナクソス島のアリアドネ』の指揮シモーネ・ヤングと演出カロリーネ・グルーバーの来日記者会見を行いました。
会場は『ナクソス島のアリアドネ』の稽古場。舞台装置の一部や様々な小道具が会見会場を囲む中、中山欽吾東京二期会理事長の挨拶の後、ヤング、グルーバーの二人が登壇しました。
歌手と楽譜の中に深く入り込み、オーケストラとともに紡ぎ合う宝石のような音楽
シモーネ・ヤング |
「13年ぶりの来日となりました。そして『ナクソス島のアリアドネ』を初めて指揮を したのが1989年ですので、それから30年近く経とうとします。このオペラは36名の小さいオーケストラの作品ですが、オケと舞台上の歌手とが響き合い、まるで宝石のような音楽が生まれる、すばらしい作品です。また、カロリーネと日本で共に仕事ができることを嬉しく思います。 今回の来日では、東京交響楽団と大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏会でも指揮をし、ブラームスを演奏します。ブラームスは、私が10年間務めていたハンブルクゆかりの作曲家です。ハンブルクでも多く演奏しましたし、録音もしました。私のブラームスを日本の皆様にお聴きいただけることをたいへん嬉しく思います。 そしてまた『ナクソス島のアリアドネ』のリハーサルに戻ってきます。今はまだ来日して2日ですが、もうすでに歌手の皆さんとこのオペラの全曲を練習することができました。歌手の方とともに楽譜の中に深く入りこんでいくのは、とても楽しい作業です。私自身もこの公演をとても楽しみにしていますし、ここにいらしている皆様が来て下さることを願っています」 |
新しい愛をみつけ再び生きていく物語
「これまで欧州で何度も協働してきたシモーネさんと、ここ東京でご一緒できることを嬉しく思います。 『ナクソス島のアリアドネ』は、2008年ライプツィヒで初演したプロダクションです。ホフマンスタールの台本は意味が多層的で、文章の奥に実に様々なテーマが隠されています。私はそこに一貫した赤い糸を通し、この作品から2つのテーマを強調したいと思いました。 ひとつは芸術家が抱える問題です。100年前も現在も、芸術はお金の下で、妥協を余儀なくされています。プロローグでは、作曲家や歌手や俳優たちが、殺風景な地下のガレージに招き入れられます。彼らの価値は、大富豪にとって、劇後の花火やご馳走よりも取るに足らぬものとして扱われています。 そして、オペラが始まり、強調したい2つ目のテーマがあります。アリアドネの物語は、テセウスに棄てられ、孤独に死をばかり考えていたアリアドネが、バッカスと出会うことで、新しい愛をみつける物語です。私は、アリアドネだけではなく、2幕に登場するすべての人物が「新しい愛をみつけ」、最後は全員が、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』のように、幸せになるのだ、と考えています。このアリアドネの物語のように、新しい愛をみつけることで人は絶望から再生できるだろうかという問題は、私にとっても大変重要なテーマとなっています」 |
カロリーネ・グルーバー |
そして、キャストを代表して、新国立劇場オペラ研修所時代にグルーバーの指導を受けたツェルビネッタ役の清野友香莉と、すでに2011年『ドン・ジョヴァンニ』マゼット役でグルーバー演出の舞台に立っているハルレキン役の近藤 圭が公演にむけての意気込みを語りました。
ツェルビネッタ役 清野友香莉 |
「まさか自分が、二期会デビューをツェルビネッタ役でできるなんて思っていなかったので、オーディションの結果をいただいたときは飛び上がって喜びました。このような素晴らしい指揮者と演出家に、仕事でご一緒できることに本当に幸せを感じています。そして、新国立劇場オペラ研修所でも国立音楽大学でも先輩でいらした近藤 圭さんとも、こうして共演できることを、とても嬉しく思っています」 |
「2011年二期会『ドン・ジョヴァンニ』でカロリーネさんの演出で演じて、すぐに惚れこんでしまいました。僕は、舞台で演じるときには、つねに正直でありたい、と思っているのですが、彼女の演出では、自然とそのときの心理や状態に入っていけるのです。今回も、カロリーネさんの口から『正直でいなければいけない』という言葉を聞いて、ほっとしました。 また、昨年までハンブルクで研修をしていたのですが、その州立歌劇場の音楽監督をされていたのがシモーネ・ヤングさんで、たくさんのオペラ、コンサートを聴かせていただきました。もちろんハンブルクでのお二人による『死の都』『リア王』も観て、本当にすばらしかったです。今回もすばらしい舞台になることを、確信しています」 |
ハルレキン役 近藤 圭 |
開幕は11月23日(水)。皆様のご来場お待ちしています!
▼「チケットぴあ」の会見レポート
・ウィーンに続き二期会《ナクソス島のアリアドネ》 - チケットぴあ[クラシック オペラ・声楽]
▼「ぶらあぼ」の会見レポート
・初演から100年!日本初演を果たした東京二期会が《ナクソス島のアリアドネ》を上演 - WEBぶらあぼ
▼公演詳細はこちらから
・ライプツィヒ歌劇場との提携公演 R.シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』 - 東京二期会オペラ劇場
▼チケットのお求め、お問合せは
・二期会チケットセンター TEL03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日・祝 休)
《便利!》 ◎二期会チケットセンターのオペラ公演インターネット予約【Gettii(ゲッティ)】なら、24時間いつでもどこでもご予約可能! 座席もご指定いただけます チケットはお近くのセブン-イレブンでお支払&お受取(※) 予約手数料0円。左の「Gettii」ボタンからお進みください。 (※…Gettii予約券は公演会場、二期会チケットセンターでの支払・受取は出来ません) |
※※学生席も販売中!※※
二期会オペラ公演は28歳未満の学生さんなら2,000円でご鑑賞頂けます!
・受付は、公演の前日まで二期会チケットセンター電話(03-3796-1831)のみ。
・事前の決裁が必要です。
▼学生席のお求め方法等、詳しいご案内はこちらをご覧ください。
・学生席について - 二期会チケットセンター
■■■ シモーネ・ヤング オーケストラ・コンサート情報 ■■■
《東京交響楽団》
◆名曲全集 第122回<後期>
日時:2016年11月3日(木) 14:00開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
曲目:ドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調」作品104
ブラームス「交響曲 第4番 ホ短調」作品98
◆第646回 定期演奏会
日時:2016年11月5日(土) 18:00開演
会場:サントリーホール
曲目:ドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調」作品104
ブラームス「交響曲 第4番 ホ短調」作品98
◆第99回 新潟定期演奏会
日時:2016年11月6日(日) 17:00開演
会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
曲目:ドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調」作品104
ブラームス「交響曲 第4番 ホ短調」作品98
▼詳しくはこちら
・東京交響楽団
《大阪フィルハーモニー交響楽団》
◆第503回 定期演奏会
日時:2016年11月11日(金)19:00/12日(土)15:00
会場:フェスティバルホール
曲目:ブラームス「悲劇的序曲」作品81
ブラームス「運命の歌」作品54
ブラームス「交響曲第2番 ニ長調」作品73
▼詳しくはこちら
・大阪フィルハーモニー交響楽団