〈二期会名作オペラ祭〉2016年7月公演『フィガロの結婚』の指揮者は、サッシャ・ゲッツェル。
ウィーンに生まれ、ウィーン・フィルのヴァイオリン奏者として活躍後、指揮者に転向し、ベルリン交響楽団、バーミンガム市立交響楽団、NHK交響楽団等を指揮。2014年ウィーン国立歌劇場に『フィガロの結婚』でデビュー。これが高い評価を受けたので、その後『ドン・ジョヴァンニ』『リゴレット』『ばらの騎士』等先々の公演のオファーも決まりました。
生粋のウィーン人であるゲッツェルが、『フィガロの結婚』にこめる想いを語ります。
どうぞご覧ください。
「みなさん、こんにちは。サッシャ・ゲッツェルです。
今夏、『フィガロの結婚』を指揮するため、ウィーンから東京にうかがいます。
このたいへん美しいモーツァルトの作品のために、東京二期会にお招きをいただきました。ウィーン国立歌劇場でこのオペラを指揮した後のことでした。素晴らしい才能をもった日本の歌手の方、そしてオーケストラと共演できることを、とても喜ばしく思います。
私は、日本の文化が大好きなのです。まだ幼い頃に、両親に連れられて日本に来たことがあります。
それから、ヴァイオリニストとして、ウィーン・フィルやトヨタ・マスター・プレイヤーズの一員として、来日しました。そして今、自分の人生で初めて、日本で、オペラを指揮することができます!それが私にとってどんな意味を持つか……とても胸が高鳴ります!ついに、日本のお客様の前で、オペラを指揮するのです。実はその前にウィーン・フォルクスオーパーの『ウィンザーの陽気な女房たち』来日公演で指揮をしているのですが、今回は、ついに日本の素晴らしい音楽家のみなさまとの共演が叶います。これは、私にとって、たくさんの意味があるのです。
さて、『フィガロの結婚』は、私にとってどのような意味があるか。
このオペラは、本当に信じがたいほど素晴らしい作品です。音楽史上でも、非常に完成された、ほぼ完璧ともいえる作品です。ですが、私はさらに大きな意味があると思います。
私たちが知るべきことは、この作品の――フィガロ、伯爵、伯爵夫人、そしてスザンナが活躍する――ボーマルシェによる原作が、フランス革命以前に書かれているということです。そこには、まず、旧い伝統と、自由、平等、友愛といった新しい時代様式との違いが見られます。そこで生まれたオペラ『フィガロの結婚』初演版は、台本があまりにも革命的であったため、当時のウィーン皇帝ヨーゼフ2世には快く思わず、受け入れてもらえませんでした。
そこで、モーツァルトと台本作家のダ・ポンテはどうしたでしょうか?
ダ・ポンテは、革命的すぎる文章の多くを削除しました。
しかし、モーツァルトは、そのすべてを、音楽に書き入れたのです。だからこそ、このオペラは、今なお人々の自由と、ヒューマニティの自由のための革命的な作品であり続けているのです。
モーツァルト『フィガロの結婚』は、私にとって単に美しい音楽であるということにとどまらず、世界中の人々に、自由と平和の可能性を見せてくれる作品であるのです。
この素晴らしいオペラを、皆様にご覧いただけることを願い、劇場でお会いできることを楽しみにしています。ありがとうございました。」
■■■ 公演情報 ■■■
東京二期会オペラ劇場《二期会名作オペラ祭》
W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』
オペラ全4幕・日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
日時:2016年7月
15日(金) 18:30開演
16日(土) 14:00開演
17日(日) 14:00開演
18日(月・祝) 14:00開演
(各日とも開場は開演の60分前)
会場:東京文化会館 大ホール
二期会名作オペラ祭特別料金:
S席10,000円~D席4,000円、学生席2,000円
指揮:サッシャ・ゲッツェル
演出:宮本亜門
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
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・2016年7月公演 W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』 - 東京二期会オペラ劇場
▼チケットのお求め、お問合せは
・二期会チケットセンター TEL03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日・祝 休)
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