ヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』を彩る輝かしいアリアの数々の中でも、ひときわ注目を集めるのが、テノール最大の難曲のひとつともいわれるマンリーコのアリア“見よ、恐ろしい炎を”(Di quella pira)でしょう。『イル・トロヴァトーレ』といえば、タイトルロールの吟遊詩人マンリーコを聴きにいく、と言っても過言ではありません。
今回その大役を担う、エクトール・サンドバル(客演)と小原啓楼。
サンドバル(写真左)は、メキシコ出身のテノール。今回、指揮アンドレア・バッティストーニの推薦もあり客演が決まりました。ウィーン国立歌劇場『アイーダ』ラダメスをはじめ、ゼンパーオーパー、ワシントン・ナショナル・オペラ、オペラ・メキシコなど、欧州、アメリカ合衆国、南アメリカにおいて、主要歌劇場に出演しています。2001年と2003年には年間最優秀歌手に選ばれるなど、ヨーロッパきってのテノールのひとりです。
今月は、故郷メキシコで『トスカ』カヴァラドッシを歌い、ドイツ・カッセル州立歌劇場での『ノルマ』ポリオーネを経て、マンリーコで東京文化会館の舞台に立ちます。まさに現代のトロヴァトーレ(吟遊詩人)!?
小原啓楼(写真右)は、2010年『蝶々夫人』ピンカートンを始め、『オテロ』『パリアッチ(道化師)』『メリー・ウィドー』等に出演と、二期会公演には欠かせない存在。新国立劇場にも『夕鶴』与ひょう、『沈黙』ロドリゴなどで次々と主演を果たしている、実力派テノールの筆頭です。2013年の日生劇場アリベルト・ライマン『リア』(日本初演)エドマンドが絶賛されたように、その卓越した音楽の構築力から、いきおい難解な役や心理的に複雑な役での評価が高まりを見せる中、今回、託されたマンリーコの座。
「マンリーコと言えばザ・テノールの曲も多く、数あるイタリアオペラの中でも特別な役。キャラクターを感じる、しっかりした、充実した声で、しかも高い音を出さなくてはならない。オーディションを受けておいてなんですが、こんな役がついに来たか、と震える思い」とインタビューで語っています。
▼小原啓楼のインタビューはこちらよりご覧いただけます。
・『イル・トロヴァトーレ』キャストインタビュー 並河寿美・小原啓楼 - オペラを楽しむ|東京二期会
『イル・トロヴァトーレ』は、新しいテノール小原啓楼の魅力に出会う機会となるのではないでしょうか。
ワールドワイドに活躍するエクトール・サンドバルと、まさに今が旬の小原啓楼。ふたりのマンリーコの競演も、ダブルキャストならではの楽しみです。ぜひ両組ともご来場ください!
▼エクトール・サンドバル公式サイト
・Welcome - Hector Sandoval - A tenor of cut Worl-wide
▼小原啓楼プロフィール
・小原啓楼(おはら けいろう・テノール) - 二期会アーティスト検索|二期会21
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■■■ 公演情報 ■■■ パルマ王立歌劇場とヴェネツィア・フェニーチェ劇場との提携公演 《東京二期会オペラ劇場》 G.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』 オペラ全4部・日本語字幕付き原語(イタリア語)上演 日時:2016年2月 17日(水) 18:30開演 18日(木) 14:00開演 20日(土) 14:00開演 21日(日) 14:00開演 会場:東京文化会館 大ホール 料金:S席13,500円~C席8,000円 指揮:アンドレア・バッティストーニ 演出:ロレンツォ・マリアーニ 管弦楽:東京都交響楽団 |
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・2016年2月公演 G.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』 - 東京二期会オペラ劇場