2015年2月19日に幕を開ける、東京二期会オペラ劇場G.ヴェルディ『リゴレット』。
公演に向けて順調に稽古が進む中、二人のタイトルロールにお話を伺いました。
今回の「リゴレットに聞く」は、2014年『ドン・カルロ』ロドリーゴの好演も記憶に新しい上江隼人。
公演に向けての思いを語ってもらいました。
上江隼人
2014年2月 東京二期会『ドン・カルロ』ロドリーゴ役
【『リゴレット』の聴きどころ。そして今回演じる役について】
ヴェルディ中期の作品たるリゴレットは、今までの作風からの大きな転換を迎えた作品であると思います。音楽とドラマを今まで以上に重視し、音楽と歌詞の緊密な結びつきを実現した素晴らしい作品。
本来、ヴェルディはこの作品を「呪い」と名付けたかったようです。ワグナーのライトモチーフではありませんが、この呪いの旋律は序曲に始まり、リゴレットのみならず、モンテローネやジルダにも現れ、物語全編をつらぬくテーマとして創られています。
そのことも是非ご注目頂ければ。
リゴレットはヴェルディのタイトルロールの中で大役です。声だけでなく演じる力も要求されます。そして、この曲がかかれた時代のヴェルディは『リゴレット』以外にも『スティフェリオ』『椿姫』『トロヴァトーレ』等、世間では少し陰のあるキャラクターを主役としている傾向があると思います。彼が何故そのような題材を選んだのか、何を伝えたかったのか?そのようなことを自分の中で読み解けたらと思います。
【ヴェルディのオペラにおける、バリトンの魅力とは?】
ヴェルディ本人がバリトンであり、歌の事を誰よりも良く理解していた作曲家。
彼の旋律を歌うごとに自身が律せられ、新たな発見があります。本当に学ぶことが多いと稽古を通じて感じています。
【今回のプロダクションはイタリアでも人気のアンドレア・バッティストーニを指揮に迎え、演出面もパルマ王立歌劇場の伝統的な舞台装置や、衣裳も楽しみです。今回のプロダクションについては?】
1987年プレミエの歴史ある舞台。数々の偉大な歌手たちが関わったプロダクションであり、彼らが身につけた衣裳をつけて演じることになります。その意味でも歴史の重みを感じられる舞台になると感じており、今からわくわくしています。
また、マエストロとは2012年東京二期会「ナブッコ」、イタリアで「スティフェリオ」でも競演しました。私より若いマエストロですが、それを感じさせない音楽性、統率力、カリスマ性を兼ね備えたまさに、オペラ指揮者の為に生まれてきた人なのだと感じます。約二年ぶりとなりますが、今回も共演できることを大変光栄に思います。
2012年2月 東京二期会オペラ劇場 G.ヴェルディ『ナブッコ』公演
カーテンコールより、写真中央がナブッコ:上江隼人、右隣がバッティストーニ
2012年 パルマ王立歌劇場『スティフェリオ』スタンカー役
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ヴェルディの内面を深く掘り下げることを目指す上江隼人がリゴレットをどう演じるのか。
期待は高まるばかりです!是非会場にてご観覧ください。
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・2015年2月公演 G.ヴェルディ『リゴレット』 - 東京二期会
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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00)