日野妙果(ひの たえか)は、ワルター・モーア、グンドラ・ヤノヴィッツ、エルンスト・ヘフリガーの各氏の薫陶を受け、ヨーロッパを中心に演奏活動を行っているメゾソプラノ。ウィーンでの生活も20年になります。
ドイツ、ラインスベルグ音楽祭にてCh.ティーレマン指揮『ナクソス島のアリアドネ』の作曲家役でオペラ・デビュー後、ナポリ・サンカルロ劇場、チロル音楽祭、コシチェ国立歌劇場、サンタンデール歌劇場、夏の音楽祭などにもソリストとして招聘されるほか、日本でも新国立劇場、二期会など各地のオペラ公演に出演。リート歌手としても高い評価を受けています。
そんな彼女が、日本歌曲を集めた珠玉のCDを送り出しました。
「音楽の時」という言葉がふさわしい、シンプルで格調の高い響き。静謐の中で、音楽の世界に分け入っていく喜び。
日野が歌う日本語の詞には、どこか、過去の記憶から語りかけてくるような優しさがあります。
現代の気忙しさ、と遠いところにあって、流されることがない。芸術家が音楽に誠実であること、どんな時間を誰と、どのように過ごしてきたか、ということでもあって、それで懐かしい「日本語」に聞こえるのかもしれません。
その音楽を共にするのは、ピアニストとして長く一心に、この道を歩んできた小林道夫、80歳にして瑞々しいピアノで、その端整な音に心が洗われていくようです。
『沙羅』全曲の収録は珍しいのですが、「中国地方の子守歌」や、「平城山」など、誰もが知る曲にも新しい発見があります。
▼CDの詳細・お求めはこちら
・沙羅~日本の歌、懐かしき心の原風景/日野妙果 - CAMERATA TOKYO(カメラータ・トウキョウ)
帆かけ舟