2012年07月 アーカイブ

【レビュー】『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』無事終演

東京二期会オペラ劇場初登場となる田尾下 哲の新演出が話題となったヴェリズモ・オペラの傑作『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』。
舞台写真とともに、公演を振り返ります。
写真撮影:三枝近志(◇…7月13・15日組、★…7月14・16日組)
<舞台写真はクリックで拡大表示します>

N.Y.で活躍する、幹子S・マックアダムスの洗練された装置にもご注目ください。

『カヴァレリア・ルスティカーナ』はシンプルでインパクトのあるモノトーン


『パリアッチ』ではポップな色彩と、1960年代を表すTVの撮影セット

指揮はイタリア、ミラノ生まれのパオロ・カリニャーニ。
イタリア各地の歌劇場、ウィーン、パリ、メトロポリタン、ケルン、ジュネーヴ、バルセロナ等、世界一流の歌劇場を指揮し、フランクフルト・オペラの音楽総監督を10年務めたというキャリアながら、毎日、リュックをひょいと担いでプールに通い、颯爽と稽古場に登場。梅雨明けした東京の暑さをものともせず熱の入った稽古を繰り返し、イタリア・オペラの世界を日本で、現代の東京で作り上げました。
『カヴァレリア・ルスティカーナ』の幕開け。

トゥリッドゥ(岡田尚之)と、ローラ(富岡明子)がよりを戻してしまったのを知ったサントゥッツァ(大山亜紀子)の悲しみ。


有名な合唱<オレンジの花は香り>。今回はローラ(澤村翔子)と村の有力者で馬車屋のアルフィオ(松本 進)の結婚式の場面として描かれました。兵役から戻った恋人トゥリッドゥ(大澤一彰)を見て、思わず、ブーケを落とすローラ。


彼の母親ルチア(池田香織)が営む酒屋を訪ねたサントゥッツァ(清水華澄)は、トゥリッドゥの心変わりを訴えます。


サントゥッツァの名アリア<ママも知る通り>。嘆くルチア(栗林朋子)。


トゥリッドゥに戻ってくるように、何度も頼むサントゥッツァ。でもサントゥッツァとの仲は、ローラへのあてつけで始まったのだし、もともと恋仲だったローラとよりを戻したトゥリッドゥは、追いすがれば追いすがるほど冷淡になり、まったく取り合わないのです。


ローラがアルフィオと結婚さえしなければ、サントゥッツァはこんな惨めな思いはしなくて済んだのに、子まで宿して、村人には陰口をたたかれ、哀れでならない。一方、ローラは美人でお金持ち。トゥリッドゥはローラと教会に行ってしまいます。


トゥリッドゥは、村の復讐のしきたりに従い、ローラの夫アルフィオと決闘することになりました。
母親のルチアにそれとなく別れを告げるトゥリッドゥ。<母さん、この酒は強いね>。
そして「もし戻らなかったら、サンタの母親になってやってほしい」と。
岡田は素晴らしく熱く輝く声で、トゥリッドゥを演じました。


アルフィオ(小川裕二)とトゥリッドゥの決闘シーン。トゥリッドゥは殺され、幕となります。

『パリアッチ』

トニオ(上江隼人)が、テレビのインタビュー番組に出ているシーンから、始まります。今回の演出では、トニオがすべての糸を引く。ネッダに横恋慕し、その夫カニオの嫉妬を操る、という難しい役回りでしたが、自在に舞台に出入りし、邪心を隠し持つ野心的な人物を演じて、強い印象を残しました。


鮮やかに降り立つ座長カニオ(大野徹也)とその妻で女優のネッダ(嘉目真木子)。


ネッダのアリア<鳥の歌>。いつの日か大スターになる!新進女優の華麗な演技。


高橋絵理が演じるネッダ。遊び、夢に夢見るような可憐さ。言葉と声と音楽・・・豊かな表現力を開花させました。


トニオ(桝 貴志)がネッダに言い寄りますが、相手にもしないどころかあざ笑うのです。


ネッダにとって、シルヴィオ(塩入功司)こそが本当の愛。
塩入は、艶やかで深みのある美声。


ネッダは、ついにシルヴィオ(与那城 敬)と駆け落ちすることを承知します。
与那城はこれまでにも二期会オペラに数々登場していますが、さすがのいい男ぶり。


一番の聴かせどころカニオのアリア<衣裳をつけろ>。
ネッダの裏切りを知り心ここにあらずですが、芝居の時間です。道化師Pagliaccio。


ネッダは《コロンビーナ》を、ペッペ(小原啓楼)は《アルレッキーノ》を演じます。


ペッペ(与儀 巧)が演じる《アルレッキーノ》のセレナータ。可笑しさと明るさがあって、ペッペの存在がこのオペラの重苦しさを救っている気がします。


芝居と現実の境を見失って次第に正気を失っていくカニオ(片寄純也)。激情と豊かな音楽を堪能させ、客席を沸かせました。


「助けて!」と叫ぶネッダに走り寄ったシルヴィオがカニオを刺し、カニオはシルヴィオを刺す。3人とも死んでしまうという壮絶な結末。

2作品とも惨劇で幕が降ります。人と人との関係で湧き上がる感情、嫉妬、怒り、絶望の究極の結末。生身の人間は、それでも日々演じ、仮面をかぶり、別の顔を見せているものです。本当の自分はどこにいるのか分からなくなっているのは、何も劇中人物だから、なのではなくて、その状況をどこか他人が操作しているような感覚があるからなのではないでしょうか。
この幾層にも重ねられた演出に、見事にこたえた歌手たちに大きな拍手が送られました。そして、楽譜に書かれた言葉が、生きた人間の言葉として歌われたことは、何よりも音楽の力でもあって、大きな感動を呼びました。
ご来場、ありがとうございました。

帆かけ舟

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二期会ゴールデンコンサートat津田ホールAnniversary60
予定販売数終了のお知らせ

二期会ゴールデンコンサートat津田ホールAnniversary60は、全日程予定販売数が終了いたしました。当日券の販売予定もございませんので予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

初回となる7月28日(土)「ソプラノの日」の演奏曲と各出演者のメッセージは、こちらのページにてご覧いただけます。ご一読いただけましたら幸いです。
▼「ソプラノの日」プログラムと出演者のメッセージ
二期会ゴールデンコンサートat津田ホールAnniversary60~ソプラノの日 - 二期会21

▼全日程の詳細はこちら
二期会ゴールデンコンサートat津田ホールAnniversary60 - 二期会21

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二期会創立60周年記念プレミエ・キャンペーン始まる!

二期会創立60周年を記念し、オペラ公演のプレミエ(公演初日)のお客様に特典をお贈りするプレミエキャンペーンを実施します。
欧州のオペラ劇場での特別な公演では、プレミエの料金が他の日よりも値段が高いこともあるくらいスペシャルなイベント。初日だからこその、「スペシャル感」と「高揚感」に劇場全体が包まれます。
「特別な年に、特別なことを!」という想いから、プレミエ特典をご用意いたしました。

『パルジファル』 ◆復刻版 対訳本プレゼント!◆
2012年9月13日(木) 17:00開演 東京文化会館 大ホール
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復刻対訳本の表紙(左)と裏表紙。当時の広告も再現!
二期会が『パルジファル』を日本初演したのは1967年。なんと45年前!
訳詞上演がメインだった時代になんと原語上演を敢行しました。
字幕のない当時にあって頼りにされたのが「対訳」であろう、ということで探しましたら、残っていました!聞けば、どうも当時も非売品でスタッフ用に作られたものであったらしく、ほんとうに部数はわずか。まさに「幻の対訳」でした。
今回は、それをもとに復刻版を作成。9月13日(木)にご来場いただいたお客様全員(!)に
プレゼントいたします!
▼『パルジファル』公演詳細はこちら
東京二期会オペラ劇場『パルジファル』舞台神聖祭典劇全3幕 - 東京二期会

『メデア』 ◆作曲家A.ライマンを迎えてのプレトークに参加◆
2012年11月9日(金) 19:00開演 日生劇場
Reimann-000792.jpg アリベルト・ライマン
これだけ名作がたくさんあり、時代も変遷して、それでもオペラを新しく作曲し、上演する意味はあるのでしょうか。
そのような(ある種意地悪な)問いかけに、アリベルト・ライマンは次のように答えていました。
「人は生きている限り、歌うでしょう」
日生劇場開館50周年記念、読売日本交響楽団創設50周年記念でもあるアリベルト・ライマンの最新作の上演。そのプレミエはもちろんスペシャルです。
今回は、公演前のドラマトゥルク長木誠司氏によるプレトークに、ライマン本人が登場します。初日(11月9日)のチケットをもったお客様だけの特典です。
ご希望の方は、チケットをお申込の後、日生劇場にお電話(Tel.03-3503-3111)にてお申込下さい(定員100名様/お申込順)
▼『メデア』公演詳細はこちら
《二期会創立60周年記念》『メデア』 - 東京二期会

▼チケットのお求め・お問い合わせは:二期会チケットセンター
  TEL.03-3796-1831 (平日10:00~18:00 土10:00~15:00 日祝休)

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メゾソプラノ加納悦子のゴールデンコンサートが、NHK-BSプレミアムで放送されます(再)

昨夏に開催した「二期会ゴールデンコンサートin津田ホールVol.33加納悦子」の模様が、7月26日(木)の早朝、海外・国内の一流アーティストのリサイタルが楽しめる、NHK-BSプレミアムの「クラシック倶楽部」で再放送されます。
■■放送情報■■
NHK BSプレミアム『クラシック倶楽部』
-加納悦子 メゾ・ソプラノ リサイタル-

放送日時:7月26日(木) あさ6:00~6:55
放送局:NHK BSプレミアム
▼番組詳細はNHKのWebサイトをご覧ください
クラシック倶楽部 - NHK BSオンライン
 
   ■   ■   ■
◆前回放送時の二期会Blog掲載記事から…◆
シェーンベルクとベルクを中心とした、敢えていえば決して聴き慣れた作品ばかりではない、玄人向け(?)のプログラムでしたが、「新ウィーン楽派は18歳のときから大好きだった!」と言うとおり、1曲1曲に加納の深い共感を感じるコンサートでした。
▼レビューとアンケート
・コンサート・レビュー「二期会ゴールデンコンサートin津田ホール Vol.33加納悦子」- 二期会21
   ■   ■   ■
そして、多くの方々に感動を与えた加納悦子のリサイタルが、今秋オール・モーツァルト・プロで津田ホールに帰って参ります!
どうぞお楽しみに!
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■■リサイタル情報■■
WILPFコンサート2012 加納悦子メゾ・ソプラノ リサイタル
「今まさに円熟の時を迎えた加納悦子が歌う、モーツァルトの珠玉の歌曲!」

出演:加納悦子(メゾソプラノ)、松川 儒(ピアノ)、笹崎 譲(マンドリン)
日時:2012年11月10日(土) 14:00開演
会場:津田ホール(JR千駄ヶ谷駅前、地下鉄大江戸線国立競技場駅A4出口前)
料金:全席自由 5,000円
お申込み・お問い合わせ:
 ・二期会チケットセンター 03-3796-1831
  (月~金10:00~18:00・土10:00~15:00)

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幸田浩子、NHK「ららら♪クラシック」に登場!

ソプラノの幸田浩子が、NHK-Eテレで日曜夜に放送中のクラシック音楽番組「ららら♪クラシック」に登場します!
今回は、音楽の都ウィーンでウィーン国立歌劇場と双璧をなす名門であり、且つ芸術と娯楽の両立を実現する“オペレッタの殿堂”ウィーン・フォルクスオーパーが取り上げられていますが、このフォルクスオーパーで3年間活躍した幸田はゲストとして招かれ、当時の思い出やエピソードを披露いたします。
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司会の加羽沢美濃さん、石田衣良さんと
■■番組情報■■
「ららら♪クラシック」
本場ウィーンのオペレッタ フォルクス・オーパーの「メリー・ウィドー」

放送日時:7月22日(日) 21:00~22:00
放送局:NHK Eテレ
▼番組詳細はNHKのWebサイトをご覧ください
ららら♪クラシック 次回の放送 - ららら♪クラシック|NHKオンライン

その幸田ですが、今月上旬ウィーンにて、ソロ5枚目となるCDのレコーディングを
行って参りました。
今回のアルバムは、彼女にとって切っても切れない重要なジャンルであるウィーンの作品を収めたもので、J.シュトラウスやレハールは勿論、「ウィーン、わが夢の街」や“恋はやさし野辺の花よ”で知られる『ボッカチオ』のアリアなど、誰もが知る名曲の数々を録音致しました。
現在最もウィーンで注目をされているグイド・マンクージの指揮、そして絶対的な信頼を寄せるウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団との共演による、フォルクスオーパーで培った音楽的センスが堪能出来るアルバムです。
今秋11月に日本コロムビアからリリースの予定ですので、お楽しみに!
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Casino-baumgartenにてレコーディング中

そしてもう一つ、幸田浩子ファンにとって嬉しいニュースです。
来年2月の二期会創立60周年記念オペラ公演『こうもり』に、アデーレ役での出演が決定致しました。
日本では初となる幸田のオペレッタに、今から期待が膨らみます。
こちらも是非ご期待下さい!
▼公演情報は東京二期会のWebサイトに7月25日ごろ掲載予定
東京二期会オペラ劇場

最後に!
クラシック音楽を極めるための月間情報誌「モストリークラシック」最新号(2012年9月号/7月20日発売)の≪宮本文昭の気軽に話そう≫のページに、幸田が招かれております。
東京シティ・フィルの初代音楽監督でいらっしゃる宮本さんとは、今秋11月16日に東京オペラシティで行われる同フィルの定期公演、フォーレ「レクイエム」で共演させて頂く予定です。
マエストロのユーモア溢れるお話には、終始笑いが収まらない幸田でした。
是非お買い求めください。
▼モーストリークラシックの情報はこちら
MOSTLY CLASSIC

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7月13日開幕!『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』公演当日のごあんない

いよいよ13日(金)から東京文化会館 大ホールにて、
<二期会創立60周年記念公演>東京二期会オペラ劇場『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』が開幕します!
公演当日についてのごあんないをいたします。

東京二期会オペラ劇場 2012年7月公演・二期会創立60周年記念公演
P.マスカーニ作曲 『カヴァレリア・ルスティカーナ』オペラ全1幕
R.レオンカヴァッロ作曲 『パリアッチ(道化師)』オペラ全2幕
<日本語字幕付き原語(イタリア語)上演>
指揮:パオロ・カリニャーニ/演出:田尾下 哲
当日券と公演タイムテーブルのご案内
7月13日(金)
7月14日(土)
7月15日(日)
7月16日(月・祝)
当日券
S,A,B,C
S,A,B
S,A,B,C
S,A,B,C
当日券販売開始
17:00~
12:30~
12:30~
12:30~
開場
17:30
13:00
13:00
13:00
開演
18:30
14:00
14:00
14:00
カヴァレリア・
ルスティカーナ
約70分
休憩予定時刻
19:40~20:05
15:10~15:35
15:10~15:35
15:10~15:35
パリアッチ
(道化師)
約70分
終演予定
21:15
16:45
16:45
16:45
東京文化会館
=アクセス=
<JR>
[山手線][京浜東北線][宇都宮・高崎線][常磐線][東北・上越・長野・秋田・山形新幹線]=
「上野駅」公園口徒歩1分
<地下鉄>
[銀座線][日比谷線]=「上野駅」7番出口徒歩5分
<京成電鉄>
[京成本線]=「京成上野駅」正面口徒歩6分

お車のお客様は東京文化会館ウェブサイトをご覧ください
>>交通アクセス - 東京文化会館|来場者の皆様へ

※販売状況により券種によっては販売終了となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
※公演タイムテーブルは、当日の進行によりずれる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

《便利!》
◎二期会チケットセンターのオペラ公演インターネット予約【Gettii(ゲッティ)】では、前売券が公演当日の開場時刻までご予約が可能です!!
チケットはご来場の途中にお近くのセブン-イレブンでお支払&お受取いただけますので、余裕をもってお越しいただけます!どうぞご利用ください!!(※PCのみの対応となります)
▼公演案内ページにある【ゲッティへGO!】ボタンをクリックしてお申込ください!!
 ↓↓↓こちら↓↓↓
2012年7月公演 『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』- 東京二期会オペラ劇場

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本番せまる7月公演、指揮者パオロ・カリニャーニのビデオ・メッセージ!
13日(金)のプレミエは、終演後にキャストがお見送り!

東京二期会オペラ劇場7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』は13日(金)のプレミエまで、あと3日!
先日、オーケストラと両組歌手とのリハーサルを終えたばかりのマエストロ、パオロ・カリニャーニから、日本のお客様へむけてメッセージを受け取りました。

そして、13日(金)のプレミエ公演では、「二期会創立60周年記念プレミエキャンペーン」第一弾を実施します。初日だからこそのスペシャル感、高揚感が劇場全体を包み込むように、創立60周年という特別な年に特別なことを!という想いから実施させていただきます。
今回は、13日(金)の終演後、キャストがロビーにてお客様をお見送りいたします。
どうか心ばかりの御礼の気持をお受けいただければ幸いです。
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二期会創立60周年記念公演『フィガロの結婚』終演後の様子。
今回も一同ごあいさつさせていただきます。
「プレミエキャンペーン」は今後、『パルジファル』、『メデア』と続いていきますので、どうぞお楽しみに!

▼公演の詳細はこちら
2012年7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ/パリアッチ(道化師)』 - 東京二期会オペラ劇場

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サントゥッツァ役 清水華澄 7月8日(日)ラジオ日本に登場
ネッダ役 高橋絵理インタビュー

東京二期会オペラ劇場『カヴァレリア・ルスティカーナ』14・16日のサントゥッツァ役で出演する清水華澄が、今週末ラジオ日本に出演します。
shimizukasumi.jpg 清水華澄
 ■ラジオ日本(AM1422KHz)「松川裕美のビジネス最前線」
 ■放送日時:7月8日(日)午後5時~5時10分
 (聴取可能地域:南関東)
サントゥッツァ役からみたオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』のドラマについて、またオペラの稽古場の様子などをお話ししています。ぜひお聴きください!

さて、『パリアッチ(道化師)』からは、ネッダ役に初挑戦する高橋絵理にインタビューをしました。
cavapagli_keikoba07.jpg 高橋絵理
――ネッダ役に初挑戦する感想を聞かせてください
実は、ネッダを歌うにはまだ早いのでは…と思っていたのですが、今回、まっさらなところから勉強でき体に入れることができたので、とても良かったと思っています。
――高橋さんからみて、ネッダはどんな女性でしょうか。
ネッダは女性として本物の恋・愛の美しさをシルヴィオを愛することで知り、夫カニオの支配的な愛に違和感を感じ始めています。一見、ネッダは浮気者で自由奔放な人物と思われがちですが、大事にしたい感情をひたすら守る真っ直ぐな女性、自分の身に危険を感じても守り通す強い女性だと思っています。
――今回の演出では、その自由さと大事にしたい感情に向かっていく野心的な女性としての面が強調されていますね。さて、高橋さんは、ボローニャでの研修中、イタリア現地と、イタリアオペラの世界が地続きだな、と思われたことはありますか?それは一例としてどんな時でしたでしょうか。
いつも思うことですが、イタリア人はとにかく話し声が大きいです(笑)つまり、イタリア語自体が体で支えて話されている言語なのだと思いますが、そうすることでイタリア語の語感そのものが音楽のように聞こえるのです。それを感じる度に、言葉こそが歌の原点なんだなと再認識させられます。
――お客様に抱負、意気込みをお願いいたします。
公演に向けて全身全霊でネッダを作り上げていきたいと思います。ご来場、心よりお待ちしております!

▼公演の詳細はこちら
2012年7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ/パリアッチ(道化師)』 - 東京二期会オペラ劇場

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東京二期会オペラ劇場7月公演 指揮者パオロ・カリニャーニ来日

2005年の初来日以来、「いつか日本でもオペラの指揮を」と、ファンも本人も待ちに待っていた機会が、ついに実現します。
東京二期会オペラ劇場7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』の指揮者パオロ・カリニャーニが先日無事に来日しました。
カリニャーニは、実はすでに二期会公演を見たことがあります。2006年、フランクフルト・オペラの音楽総監督だったマエストロは、イタリア時代の学友、ロベルト・リッツィ・ブリニョーリが指揮する東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』を見るために、今回の会場となる東京文化会館を訪れています。
その後6年、ますます多忙を極めていましたが、今回、イタリア・オペラ極めつけの名作の二本立て『カヴァレリ・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』で、待望の日本オペラデビューとなったのです。
 
カリニャーニは、新演出でもって、日本のオペラ上演史に新たな1ページを飾れることを名誉として、楽しみに稽古場で躍動してます。
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演出の田尾下 哲とは、昨年以来、打ち合わせ、稽古を重ね、初日を迎えます。田尾下が当2演目を共同演出したチューリッヒ歌劇場は、カリニャーニの本拠地のひとつでもあります。英語で話し合う二人の姿は、まさにヨーロッパの歌劇場のそれです。
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イタリア在住の小栗菜代子による、ローマからの空輸された美しい衣裳、ニューヨークで活躍する幹子S.マックアダムスの装置、ザルツブルク音楽祭でも実績の沢田祐二と強力でグローバルなデザイナー陣にも期待です。
 
カリニャーニは、来シーズンも主なものだけでも、定期的に活躍するパリ・オペラ座での『トスカ』、ウィーン国立歌劇場での『椿姫』、ヨーロッパ注目のネザーランド・オペラでのロッシーニの大作『ウィリアム・テル』新演出(P・オーディ演出)、そしてバイエルン国立劇場では、ヴェルディ・イヤーの白眉を飾る、カウフマン主演の『トロヴァトーレ』新演出(O・ピィ演出)などの大活躍が予定されています。
 
日本ならではの、カリニャーニ指揮によるワールドワイドなプレミエ、7月13日(金)18:30開演、東京文化会館をご期待ください。
また当日終演後は、”二期会プレミエ”プロジェクト第1弾、出演者の見送りが予定されます、お楽しみください。

▼公演の詳細はこちら
2012年7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ/パリアッチ(道化師)』 - 東京二期会オペラ劇場

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【公演御礼】二期会サロンコンサート165 ~煌めく多彩な音のプリズム~!

毎回大好評頂いております、二期会サロンコンサートシリーズ。
2012年シーズン初回となる第165回公演が、去る6月14日(木)に開催されました。
出演は新シーズンのスタートを飾るのに相応しい華やかな舞台姿が魅力のソプラノ高橋知子と、円熟した歌声と共に作曲活動もこなす多才なバリトン加賀清孝。
コンサート前半は歌曲を中心にそれぞれの想いをのせてしっとりと歌い上げました。前半最後の曲は加賀の得意レパートリーである「あんこまぱん」。今回特別に「あんこまぱん」の作詞者である、“リンボウ先生”こと林 望氏と作曲者の伊藤康英氏がゲストとして登場!楽しくも素晴らしい歌声に花を添えました。
休憩には実際に「あんこまぱん」がご来場のお客様にふるまわれるという嬉しいサプライズもありました。このサプライズを用意してくださった影の立役者、カワイ表参道の甘利マネージャーは、試行錯誤を重ねて、お客様に均一な美味しさを提供するべく、三日間あんこまぱんの試作品を食べ続けたとか…。その甲斐あって見事な「あんこまぱん」を再現してくださいました!
サロンコンサートならではのアットホームな心遣いに、更に会場も大盛り上がりしました。
後半のオペレッタ・ミュージカルナンバーはまさに本場の“ショー”を観ているよう。
アンコールまで息つく暇もなく観客を釘づけにし、溢れんばかりの拍手にて無事終演を迎えました。
幅広いレパートリーをもつ、この二人でしか成し得ない素晴らしい競演、そしてピアニスト水戸見弥子の好演も光りました。
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左から:加賀清孝、高橋知子、水戸見弥子

次回の二期会サロンコンサートは、9月27日(木)19時より同じくカワイ表参道コンサートサロンパウゼで開催いたします。
<日韓交流コンサート>と銘打ち、ソプラノ坂井田真実子とバリトン李 宗潤の初共演が実現します!
どうぞお楽しみに!!
▼二期会サロンコンサート公演情報はこちら。次回は「Vol.166 日韓交流コンサート」です。
二期会サロンコンサート2012-2013シーズンラインアップ - 東京二期会

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月刊『ぶらあぼ』に演出・田尾下 哲インタビュー記事 &
『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ』稽古場レポート

東京二期会オペラ劇場7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』の演出、
田尾下 哲のインタビュー記事が、無料クラシック音楽情報誌『ぶらあぼ』7月号に掲載されました!
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▼『ぶらあぼ』は、インターネット上でもご覧いただけます!
「スコアを探偵のように読み解くことからはじめます」田尾下 哲 - WEB「ぶらあぼ」

そして、稽古場から田尾下のビデオ・メッセージが届きました!
▼田尾下のビデオ・メッセージはこちら
「マエストロ・カリニャーニと熱い舞台を作ります!」 - nikikai21 (YouTube)

稽古場も日々充実の度合いを高めています‼ 衣裳合わせも行われていました。
そして、28日にはインターネットラジオ 林田直樹さんの「カフェフィガロ」収録が稽古場で行われました。演出の田尾下が、演出コンセプトについて大いに語っていました。
探偵のように楽譜を読み解き、歌手たちを通して翻訳する田尾下演出。意外な経歴や演出家を志すまでの知られざる秘話なども聞けますよ。
シチリアのムラ社会を舞台にリアリティたっぷりの『カヴァレリア ルスティカーナ』と、1960年代に時代を移して芝居一座の長カニオの若い妻ネッダ、彼女に横恋慕する一座のトニオ、彼女と共に新天地での成功を夢見るネッダの恋人シルヴィオの心理にさらに深く踏み込む事で、作品のフレームをさらに越えたドラマの広がりへと誘ってゆきます。放送が楽しみです。
hayashida_taoshita_120629.jpg 林田直樹さんと田尾下 哲さん
▼「カフェ・フィガロ」放送サイトはこちら
林田直樹の「カフェ・フィガロ」 - Blue-radio.com

<稽古場にて…>
oono_yoshime_120629.jpg 大野徹也(カニオ)と嘉目真木子(ネッダ)
masu_ohara_120629.jpg 桝 貴志(トニオ)と小原啓楼(ペッペ)
(takahashi_yonashiro_120629.jpg 高橋絵理(ネッダ)と与那城 敬(シルヴィオ)

▼公演の詳細はこちら
2012年7月公演『カヴァレリア・ルスティカーナ/パリアッチ(道化師)』 - 東京二期会オペラ劇場

diamond・zen

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