二期会21では10月2日(土)に千駄ヶ谷・津田ホールにおいて《二期会ゴールデンコンサートVol.30中山悌一 一周忌特別演奏会「ドイツリートの継承」》を開催致します。
公演に向た出演者から届いたメッセージをご紹介します。
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テノール 大槻孝志
演奏予定曲
ヴォルフ作曲 シュレッケンベルガー/さようなら/尽きぬ愛
受け継いだ歌を精一杯届けたい
普段オペラをメインに歌わせて頂いてますが、実はドイツ・シュトゥットガルト音楽大学在籍中にはリートを専門に学んでおりました。
自分は誠に残念ながら中山悌一先生に直接教えて頂く機会は得られませんでしたが、二期会創始メンバーの一人、大熊文子先生に長い間師事を受け、先生から当時の貴重な想い出話を聞かせて頂きながら、ドイツリートを通じて音楽の奥深さや声の素晴らしさをたくさん教えて頂きました。
先生は「あなたが大きな舞台に立つ姿を見るまではそれを生き甲斐に頑張って長生きしますからね。」と口癖のようにおっしゃっていたのですが、残念ながらご存命の間に自分が舞台に立つ姿をお見せすることは叶いませんでした。
以来、どんな舞台に立つ時でも、必ず心の中で先生に「頑張りますので見ていて下さいね」と祈ってから舞台に上がっています。
選んだリートは、先生に教えて頂き想い出のたくさん詰まった曲です。
今回も二期会を創始し、先陣切って日本の声楽界を築いた同時代の中山先生に向けて、自分が受け継いだ歌を精一杯届けたいと思います。
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テノール 中村 健
演奏予定曲
R.シュトラウス作曲 朝に!/献呈
ドイツ歌曲の第一人者であり二期会の総監督だった中山悌一先生の思い出は数え切れませんが、一番印象に残っているのは、1962年から3年にかけて3回行われた二期会オラトリオ定期公演です。そのうち二回が山田和雄指揮による劇的オラトリオ「マタイ受難曲」で、中山先生がイエスを歌い、二期会創立メンバーの三宅春惠、小島琢磨、宮原卓也、秋元雅一郎、戸田敏子諸氏をはじめ錚々たる諸先輩にまじり、若輩だった私がエヴァンゲリストとして抜擢されました。間近で聴く素晴らしい声、ドイツ語のディクション、そして深い色合いに満ちたイエスの苦悩。完璧主義で演奏家としては40代で引退し、決してオペラには出演されませんでしたが、そのテクニックと美声、ドイツ人をも驚嘆させる発音は稀有なものでした。今回出演者の中で最高齢になった今、想いを込めて演奏したいと思います。
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二期会ゴールデンコンサート in 津田ホール Vol.30
〜中山悌一 一周忌特別演奏会「ドイツリートの継承」〜
公演日時:2010年10月2日(土) 16:00開演(15:30開場)
会場:津田ホール(JR千駄ヶ谷駅前/都営大江戸線国立競技場駅A4出口前)
料金:全自由席 4,000円
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二期会ゴールデンコンサート in 津田ホール - 主催コンサート|株式会社二期会21