艶やかな美声と完璧なテクニックで聴衆を魅了する貴重なソプラノ横山恵子。満を持してのリサイタル(7月26日(月)津田ホール)が大盛況のうちに幕を閉じました。
横山は海外での『ドン・カルロ』エリザベッタの活躍や、近年『トゥーランドット』のタイトル・ロールでも絶賛を浴びており、このたびのリサイタルは正にその真価が発揮され、その濃厚な時間に舞台と客席はまさに一体となりました。
第一部、R.シューマン歌曲集「ミルテの花」“献呈”や、J.マルクスの歌曲で聴衆を横山の世界に引きこむと、R.ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集」で一転して深い味わいをみせます。後半も全く疲れをみせない歌唱はピタリと的確に音を命中させながら音楽そのものの魅力を伝えました。『ノルマ』『アイーダ』の見事な演奏に続いて、ドイツの歌劇場でも当り役としてきた『マノン・レスコー』マノンの終幕のアリア「独り捨てられて」では、登場の瞬間から舞台上に息をのむような美しいドラマが生まれ、叙情溢れる彼女の魅力を強く印象付けていました。
ピアノは海外の歌劇場での経験も豊かな石坂宏氏。劇場仕込みの豊かな経験を活かしたスタイリッシュな演奏が横山の声と絶妙に呼応。音楽への献身と喜びに溢れたエネルギッシュな演奏となり、ブラヴォーの嵐がいつまでも続いていました。
リサイタルを大成功に終えた横山は、2011年3月には『アイーダ』(東京二期会共同制作/10月発売予定)にも主演します。
今後のさらなる活躍にご注目ください。
▼『アイーダ』は、びわ湖ホールと神奈川県民ホールで上演。情報はこちらから。
びわ湖ホール プロデュースオペラヴェルディ作曲 歌劇《アイーダ》(全4幕)- びわ湖ホール
平成22年度(2010年)神奈川県民ホール主催事業(PDFファイル)- 神奈川県民ホール
▼横山恵子インタビュー特集(*ムービーもお楽しみ頂けます)
ピックアップ・アーティストVol.16 横山恵子の今 - 株式会社二期会21