ムッシュ・トープ(プロンプター)はリヒャルト・シュトラウス自身だった ~『カプリッチョ』


チラシ(PDF1.5MB)
『カプリッチョ』稽古場では早くも沼尻竜典の指揮での通し稽古が行なわれました。

出演者は皆、流暢なドイツ語(イタリア人歌手役はイタリア語なまり)でこのお洒落な「会話劇」は進行します。
場所は貴族趣味の「サロン」が存在していたパリ。ところが時代設定は変更されています。
伯爵が「今日の出来事をオペラにしたら」との提案によりこのオペラが出来上がったのだから、初演当時の1942年がひとつの時代背景に組み込まれたのです。
執事長に率いられた従僕たちの出番は、第一部(慣習的に7場の終わりで休憩がある)から頻繁で大きな意味を持ってきます。
第二部の長大八重唱は早くからの音楽稽古により既に完璧な仕上がり。音楽的に最大な聴き所になるのは間違いありません。

ムッシュ・トープ(仏語でモグラの意)は自作の譜面を持って舞台に這い上がり、その場では権力者側となっている従僕たちに対しても怖れることはありません。なぜなら、彼がこのオペラを作った本人だから・・・。

閑話休題:第二次世界大戦中の日本において、このような平和な芸術談義や敵性国の「サロン」の出来事のオペラ化を行い、上演できたであろうか? 時局を考えない非国民的オペラと非難され上演禁止になったであろうことは容易に想像されます。

東京二期会オペラ劇場R.シュトラウス『カプリッチョ』は11月20日(金)〜23日(月・祝)の4日間、日生劇場にて上演いたします。どうぞご期待ください!

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2009年11月公演 R.シュトラウス『カプリッチョ』- 東京二期会オペラ劇場

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