コンヴィチュニー氏(右)とアニシモフ氏(左) ©広瀬克昭
去る8月1日から始まっている立ち稽古は、当初ライプツィッヒ歌劇場第一演出助手のヴェレーナ・グラウプナー女史によってスタートしましたが、コンヴィチュニー氏が指揮者のアニシモフ氏とともに登場したことでますます活気を呈しています。顔見せ当初、出演者全員に演出意図を詳しく説明したあと、一通り全体を通すように指示。終わって最初のひと言が「来なくても良かったようだ」。しかしそれがジョークであることはすぐに分かりました。「指示されたとおりに動くのは操り人形と同じ。自分の意志で動くことが大切だ」とコメントして、早速各場毎にきめ細かいダメ出しをして行きました。
一動作ずつ区切って、最初は皆に任せてやらせてみて、いいところは大きな声と動作で素晴らしいと誉め、演出家の意図と少しでもずれていれば、その場の人間関係とそれぞれの人物の感情や相互の関係を歌手と確認しながら、何度も確認しながら修正していくのです。驚いたことに、そうする内に皆の動きは魔法をかけたようにみるみる生き生きとしてくるのでした。
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稽古が終わり、マエストロ・アニシモフから、「色々な国でロシア語のオペラを振ってきたけれど、このチームが一番ロシア語になっている」とコメントがあり、声楽家出身の山下健二氏による言語指導が如何に優れたものかを全員が納得することとなりました。
オリジナルの演出は、日本人出演者の持ち味を生かしながら新たな進化を続けており、本番まで3週間残した現時点での充実した稽古を見ていると、本番ではどんなすごいものが出てくるのかと、期待が膨らむ毎日です。(常務理事 中山欽吾)