ヴェールを脱いだcity belle 「The JADE」CD発売へ

 去る7月23日、東京汐留のコンラッド東京において、男性ヴォーカルクァルテット「The JADE」のお披露目の記者発表が行われた。「The JADE」とは、一流のオペラ歌手達が国内で大ヒットしたポピュラーの名曲を歌うというコンセプトをもつcity belleプロジェクト第1弾として、今回デビューすることになったグループ。NHKの当日午後9時のニュースで紹介されたので新しい段階に入ったといえよう。
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ヒット曲は星の数ほどあるが、オペラ歌手が歌うとなると曲目の選択が重要な鍵をもつ。ソプラノやテノールは高いキーで歌い、バスは低音の魅力がある。バリトンやメゾソプラノはビロードのような、耳に心地よい声が特長だ。息のコントロールも自在なのでピアニッシモからフォルティッシモまでなめらかに歌い上げることも得意技だ。しかし、どの曲をどのような歌い方をすれば、オリジナルとは一味違うプロのオペラ歌手の技を披露できるのか、試行錯誤の連続だった。
 今一つの心配はこのような専門外のジャンルに興味を持つオペラ歌手がいるのかということだったが、その不安は杞憂に過ぎず、「こんな企画を待っていた!」と言ってくれる人たちが沢山いることが分かり、計画は一歩一歩前進してきた。
 「The JADE」は、音楽企画会社デジタル・ラボラトリー社が、我々の歌手達に興味を示して、共同でコンピレーションCDアルバム制作を持ちかけてきたことをきっかけに結成された。バリトンの黒田博を筆頭に同じくバリトンの成田博之、テノールの樋口達哉、高野二郎がかつてのヒットソングを歌い、オリジナルの曲も用意された。コア・ターゲットは50歳代の女性で、曲は女性歌手でヒットしたものも含んでいる。
 city belleはより広い人々に向けた音楽ジャンルのコンセプトで、すでに曲目の選定も進み、編曲も行われている。一流オペラ歌手たちがポピュラーのメロディを歌い上げる新たなジャンルを確立するのも遠いことではない。ちなみにcity belleとは、めまぐるしく動く都市で生活する人々の心をふるわすベルでありたい、という気持ちをこめたネーミングである。

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