毎回趣向を凝らし、歌手ひとりひとりの魅力が、存分に発揮される“二期会Week”。今年も多くのお客様をお迎えし、盛況のうちに閉幕しました。
第一夜 今をときめくオペラ界のいい女(プリマ)。田尾下哲氏(演出)により、洗練されたステージで魅せました。
左から田尾下、腰越、加賀、吉原、薗田、石野
第二夜 セノオ楽譜の展示は、やさしくて懐かしい雰囲気。進取の気性に富み、また積極的に西洋の音楽を学んだ大正時代。昭和は遠く、大正はさらに遠い。けれども「大正デモクラシー」と呼ばれた時代の華やかさがしのばれたのではないでしょうか。
左から紙谷、鵜木、里中、星野
会場に展示されたセノオ楽譜
第三夜 ミシラン紀行、燻し銀のリートの夕べ
年月を経て、ほろ苦くしみじみと聴かせるドイツリートの魅力。熟練のピアニスト、オレスタ・スィブリフスキーの深い音色に、若き日の外国旅行を思い出した方も多いのでは? 庄司の真摯な音楽と、近藤の円熟の歌唱。まさに大人の一夜。
左から庄司、近藤、スィブリフスキー
第四夜 めくるめくパワフルな一夜
オペラは、眉しかめたお金持ちだけの楽しみではありません。若くして、オペラの世界に飛び込んだ歌手たちが、自らクラシックのファンを増やしたい!と企画しました。感性にビリビリ響くオペラの魅力。若手歌手陣を支えてくださった、懐深く愉快な名ピアニスト山田武彦氏にも盛大な拍手!
左から与那城、大隅
第五夜 四畳半って・・・
サントリーホールに再び亀さん現わる。昨年の評判を聞きつけて、今年もお客様満員、沸かせる芸の域。日々色々ありますが、夫婦って不思議、いいものですね。
亀山勝子
第六夜 プリマドンナオペラ『ルクレツィア・ボルジア』
ドニゼッティ随一の傑作でありながら、我が国では一度も本格舞台上演されたことはない、という幻の名作。それならば、と満を持して二期会の本格派イタリアオペラ歌手が集結、一夜だけの上演に漕ぎつけた。オペラ界の信頼厚い服部容子氏が、濃く深くドニゼッティの音楽をピアノで画き出し、石鍋多加史の渋い声が、愛と権力にまみれたボルジア家の悲劇に迫る。オペラ劇場の興奮そのままにざわめいた一夜でした。
左から石鍋、服部、大塚、高橋、手嶋、山田
第七夜 二期会の歴史を支えて半世紀
思えば半世紀。その道は平坦ではありませんでした。戦前、戦後の昭和の時代、日本で西洋音楽、しかもオペラ劇場のない国でオペラ歌手を志すということは、現代から考えても非常に険しく遙かな道でした。メールも、電子辞書も、格安航空券もない時代に、ヨーロッパに憧れ、声の力を信じて歩んでまいりました。でも、舞台には愉しい思い出もたくさん! 今日まで、多くのお客様に喜んでいただいた歌を、皆様にも。
尚、当日は体調不良により、瀬山詠子、中村健の両名が出演を辞退いたしました。楽しみにしてくださったお客様には申し訳ございませんでした。
飯山
宮原
栗林
ご来場いただきました皆様には心より御礼申し上げます。
来年もブルーローズでお会いできること願いつつ。
『二期会Week in サントリーホール2009〜愉しみの刻〜』のお知らせ
来年もサントリーホール(ブルーローズ)で開催いたします。
期間は2009年6月15日(月)〜21日(日)
更にパワーアップしたラインナップに乞うご期待!