カウンター・テノールの彌勒忠史(みろく ただし)が、3月17日のローマ/日本文化会館での公演を皮切りに2008年3月中旬から4月初めにかけて行われた、イタリア(ローマ、フェッラーラ)・スペイン(バレンシア、マヨルカ島)での演奏会ツアーを終えて帰国しました。
フェッラーラを除く3都市での公演は、初期・後期バロックを中心としたプログラムによるリサイタル。
©Mario Boccia
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「チェンバリストはCDでも共演しているシルヴィア・ランバルディ氏。日本にもB→C、NHK-FMリサイタルの際、伴奏にもいらした方です。
ローマの演奏会は、日本文化会館で催されました。現在の館長はテレビのイタリア語会話でもおなじみの高田和文先生で、最初にご挨拶いただいた際、どこかでお会いしたことがあるなぁ、と思っていたのですが、こちらが番組で拝見していたためでした。
日本文化会館は普段、日本文化をイタリアに発信する活動をしています。そのため、今回は日本人が歌うイタリアの古い音楽というプログラムで、少々趣旨がずれてしまうのではないかと私なりに危惧していたのです。しかしお客様は大変暖かく受け入れてくださり、そんな心配も杞憂でした。
ただやはり、なぜ日本人が時代も場所も遠く離れたイタリアの古い音楽に情熱を燃やしているのか、と訊かれることは多々あるので、今回も1585年の天正遣欧使節団が聴いて持ち帰った音楽について少し説明をしてみました。
その当時「輸入」された音楽は残念ながらその後の歴史の中で失われてしまったのですが、イタリアでほとんど知られていない我が国とのつながり はお客様にとって興味深かったようです。」(彌勒忠史)
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日本文化会館での演奏会(ローマ)
ロメイの家での演奏会(フェッラーラ)
バレンシア(トッレント)での演奏会
マヨルカ島での演奏会
彌勒忠史blog
*6月には集英社から著書の刊行が予定されています。