豊かな舞台経験を積んだ傑出の演唱と掘り下げた役柄分析が光る立役者
鹿児島県出身。東京藝術大学卒業。同大学院修了。第10回東京国際音楽コンクール第2位受賞。第7回ジロー・オペラ賞受賞。80~81年、文化庁芸術家在外研修員としてミュンヘンに留学。
『ローエングリン』国王ハインリッヒ、『タンホイザー』領主ヘルマン、『ジークフリート』ヴォータン、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ポーグナー等の重厚な役のみならず、『ドン・ジョヴァンニ』レポレロやオペレッタの公演では軽妙な演技で喝采を浴び、主要な役柄を個性的に演じて高い評価を得ており、我が国オペラ界では欠くことのできない存在である。
独唱会も、76年のシューベルト「冬の旅」を最初に、シューベルト「白鳥の歌」、シューマン「詩人の恋」等で回を重ねている。演出家としては『チャールダーシュの女王』『フィガロの結婚』『コジ・ファン・トゥッテ』が新鮮な演出で話題を集めた。その他、サントリー・小ホールでの「二期会創立50周年記念/30日連続演奏会」などの多彩な企画でプロデューサーとして手腕を発揮。演劇俳優としても、92年にシアターコクーン制作シェークスピア「夏の夜の夢」で精霊の王オーベロンを、新国公演「喪服の似合うエレクトラ」等、その活躍の場を広げている。
2007年には、東京二期会『ダフネ』(新制作・日本初演)のペナイオス役で風格ある印象が好評を博した。
近年、兵庫県立芸術文化センター『魔笛』の弁者や『メリー・ウィドー』当り役のミルコ・ツェータ男爵等でも存在感ある演唱で好評を博し、錦織健プロデュースオペラでも『愛の妙薬』ドゥルカマーラ、『セビリャの理髪師』ドン・バジリオで等でも存在感を示している。
2010年シューベルト「冬の旅」CDをリリース。
2010年静岡音楽館AOI オペラ・コンサート「カルメン」の演出など多才ぶりを発揮している。
NHK「きょうの料理大賞1999」で部門第1位を受賞。
著書に「声の力」河合隼雄、阪田寛夫、谷川俊太郎氏との共著(岩波書店)がある。
二期会会員
(2019年6月現在)
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