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五島記念文化賞 オペラ新人賞研修記念成果発表 大沼徹 バリトンリサイタル 2016年11月6日(日曜日) 開演 14時 サントリーホール ブルーローズ

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ドイツ・マイセンから 日本の皆様へ 大沼 徹(バリトン)

五島記念文化賞オペラ新人賞研修記念成果発表として、11月6日にサントリーホールブルーローズにて、リサイタルを開催させて頂く運びとなりました。
これまで私を応援し見守り続けてくださった沢山の皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。

9月には東京二期会初演となったワーグナー『トリスタンとイゾルデ』のトリスタンの忠臣クルヴェナールを歌う事が出来ました。その感動を胸に秋のリサイタルへ向け、音楽の最終仕上げをするべく、第二の故郷ともいえる懐かしいマイセンの師、ハルムート・クレッチュマン先生のもとに暫く滞在しています。

クレッチュマン先生は、旧東独メクレンブルク州立歌劇場の音楽監督だった方です。また奥様のヴィーガント先生は元女優で、フェルゼンシュタインのもとで経験を積んだ演出家です。僕の師の梶井龍太郎先生がそこで歌っていた御縁で、ベルリンのフンボルト大学に留学していた時に紹介して頂きました。その頃クレッチュマン先生はフンボルト大学ではなく、ハンスアイスラー音楽大学で教えていらしたので、先生の空き時間に潜り込んで見ていただいていました。

それから数年後、「新しい声コンクール」のドイツ本選に出場する事になり、コンクール前に先生のレッスンを受けようと、マイセンに引っ越していた先生を訪れレッスンを受けました。その際、奥様には立ち方から歩き方、演技というものを教えて頂きました。歌はお歌いになりませんが、その役柄を演じてみせてくださるのです。その経験はその後の私がオペラに出演する際、本当に参考になりました。
クレッチュマン先生はピアノも大変お上手で、その一音一音が何しろとても音楽的です。奥様は女優でもあったから舞台発語法や演技法の教え方に長けていて、いつかまたマイセンで勉強したいと思っていたところに、五島記念文化財団の五島記念文化賞オペラ新人賞選考審査に合格し、研修先には迷わずマイセンを選びました。

レッスンは連日、歌のレッスンと、ドイツ語の発音、読み方、テキストの解釈の仕方をお2人から教わりました。お2人が本当に納得するまで「ヤー(よし)」といってくださらないので、最初は本当に大変で、大体ドイツ語もまだ流暢とはいえませんでしたから、うちに帰るとヘトヘトで、頭も痛くなるし、毎晩「ロキソニン(頭痛薬)」を飲んでいました(笑)。

レッスンのない日は、3人で街を歩いたり、郊外をドライブに連れて行ってくれたり(運転するのは80歳を越えた奥様です)しました。マイセンは小さな街ですが、中世の街並がそのまま残っていて、ドイツリートの、主に叙情派詩人の詩に出て来る風景がそのままです。小川や水車小屋、壊れかけた城、菩提樹、読むだけでなく実際に触れる、というのは本当に素晴らしい経験でした。演奏しながらそうした風景が脳裏をよぎります。

ですからマイセンは私にとって今や特別な地であり、オペラにしろ、リートにしろドイツものへのシンパシーが当然とても強いのです。

この度は、そんな研鑽の中で勉強した曲を皆様に聴いて頂きたくて、前半は大好きなリートばかり並べました。またリゴレットは、いつか歌ってみたいとずっと思っています。複雑な心情変化も含め演じ甲斐もあり、やはり偉大なヴェルディ(私の二期会本公演デビューは、ヴェルディ『オテロ』のイアーゴでした)へ心からの敬意を表し、選曲致しました。

  • 2010年 東京二期会『オテロ』イアーゴ

  • 2016年東京二期会『トリスタンとイゾルデ』
    クルヴェナール 撮影:三枝近志

演奏の際には、呼吸というか、芝居の延長に声があるというのが理想なので、「その役である」「その役で居る」という事を常に大事にしています。これはマイセンで学んだ1番大切な事でした。リートでもオペラでも、役や歌の内容によってカメレオンの様に姿形を変えられるような、そんな高みを目指して日々頑張っております!
現在私の持てる限りの力を注ぐ、成果発表リサイタル、ぜひ多くの皆様にお聴き頂ければ幸いです。

五島記念文化賞 オペラ新人賞研修記念成果発表
大沼 徹 バリトン リサイタル

日時: 2016年11月6日(日) 14:00開演
会場: サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
 
主催: 公益財団法人五島記念文化財団
後援: 公益財団法人東京二期会
制作: 株式会社二期会21
 
出演:
  • バリトン
    大沼 徹

  • ソプラノ
    安井陽子

  • ピアノ
    河原忠之

予定プログラム(全曲):

<第1部>

  • シューベルト F.Schubert
    • ・春に Im Frühling
    • ・魔王 Erlkönig
  • シューマン R.Schumann
    • ・子供の魔法の角笛 Der Knabe mit dem Wunderhorn
    • ・月夜 Montnacht
  • R.シュトラウス R.Strauss
    • ・なにも Nichts
    • ・君は私の心の冠 Du meines Herzens Krönelein
    • ・ああ、なんて僕は不幸な男なんだろう Ach weh, mir unglückhaftem Mann
  • ヴォルフ H.Wolf
    • ・ねずみを捕る男 Der Rattenfänger

<第2部>

  • ヴェルディ G.Verdi
    • 『ファルスタッフ』より Falstaff
      • ・夢か?まことか? [フォード:大沼 徹]
        • “È sogno? o realtà?”
    • 『リゴレット』より Rigoletto
      • ・慕わしい人の名は [ジルダ:安井陽子]
        • “Caro nome”
      • ・悪魔め、鬼め [リゴレット:大沼 徹]
        • “Cortigiani, vil razza dannata”
      • ・お父様!おお、ジルダ! [ジルダ:安井陽子/リゴレット:大沼 徹]
        • “Mio padre! o mia Gilda!”
  • コルンゴルト E.W.Korngold
    • 『死の都』より Die tote Stadt
      • ・わが憧れ、わが幻(ピエロの歌) [フリッツ:大沼 徹]
        • “Mein Sehnen,mein Wähnen”

<チケット情報>

●入場料金

(全席指定・税込) ¥4,500

●チケット発売日

2016年4月21日(木)~

●ご予約・お問合せ

二期会チケットセンター

受付電話 03-3796-1831 FAX 03-3796-4710

受付時間:平日10:00~18:00/土曜10:00~15:00/日・祝休業

●チケット取扱

サントリーホールチケットセンター 0570-55-0017 http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/

チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:295-246)

東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650

*未就学児のご入場はお断り申し上げます。
*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい。