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大分二期会初のオペラ公演、成功裡に終わる

 去る11月23日、大分市のいいちこ総合文化センター「グランシアター」において、大分二期会制作による初のオペラ公演『魔笛』(中村敬一氏演出)が1,500名の観客を集めて大成功を収めた。大分県民芸術文化祭の閉幕行事として行われ、大蛇には庄内神楽の伝承に努める県立由布高校郷土芸能部の生徒が特別参加で大分らしさを演出した。遠方から参加した県出身歌手達が稽古に不参加の際には、県内在住者がカヴァーを務めるなど、様々な困難を克服しての成功だった。
ooita_zauberflote_DSC_1960.jpg カーテンコールから
 今回の特筆すべき点は、殆どのキャスト、合唱、オーケストラが大分県に関係のある人であるという点で、特に大分県立芸術文化短期大学の存在が大きな力となった。つまり、ピットに入ったのは同短大の現役学生を中心に、卒業生に数名の教員が加わったオーケストラで、ピットでのオペラ演奏も、休憩を挟んだ3時間の長丁場も初めての経験。そんなオケを支えたのが、東京のプロオーケストラでコンサートミストレスを務めた経歴を持つヴァイオリンの川瀬真由美教授と、東京二期会のオペラ制作でも長く活躍し、オペラの演奏に精通した指揮者の森口真司准教授だった。制作費に限界があり、セットの代わりに芸短大美術科の学生達による各場面の背景画を映像で投影したのも好評だった。
ooita_zauberflote_DSC_1528.jpg パパゲーノを演じた安藤常光(左)
 東京二期会会員では侍女役の愛甲久美、上田雅美、モノスタトスの中村弘人が大分在住。ザラストロを歌った伊藤 純(芸短大卒・東京在住)、パパゲーノの安藤常光(大分市出身・金沢在住)、弁者役の原 尚志(福岡在住)。武士2役の秋吉一央(芸短大卒)は、数年前にオペラ研修所を修了した準会員だ。合唱には芸短大の学生に加え、一般募集で4月から稽古を積んできたメンバー達で、堂々たる演奏を聴かせた。(中山欽吾)

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