そして、今回『魔笛』パミーナに挑戦。その意気込みを聞きました。
盛田麻央
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――宮本亞門演出モーツァルト作品の出演は、『フィガロの結婚』(2016年)以来となります。亞門さんの現場はどのような印象がありますか?
盛田: 私は亞門さんの演出を再演として関わってきたのですが、まず立ち稽古が始まって毎回驚くのは、その緻密さです。一人一人のキャラクターが既に目の前で生きて見えてきます。誰かの動きがズレれば、他の誰かのキャラクターもズレてしまう。その中に入り込んでいくのはとても勇気がいるし、難しいですが、同時に本当にワクワクする体験です。
2011年11月『ドン・ジョヴァンニ』(カロリーネ・グルーバー演出)より ツェルリーナ役(一番左/撮影 三枝近志)
――パミーナ役は、どのような役柄、人物、キャラクターでしょうか。
盛田: パミーナは様々な登場人物と出会い、その言葉に沢山影響を受け、心を動かされる役です。ただ今回の演出では、根底に「母親であること」がパミーナを支えているように感じます。それがゲームの中のお姫様であっても彼女自身を強くみせているのでは…と思います。
――名曲ぞろいの『魔笛』ですが、あらためて一番の聴きどころ、一番感動するところを教えてください。
盛田: 本当に名曲ばかりで、どれかを選ぶのは難しいですね。その中での私の最初の“キュン”ポイントは、タミーノのアリアでしょうか!「序曲」から軽やかな心躍る音楽が続きますが、タミーノに愛のスイッチが付いた瞬間、なんとも繊細で美しいメロディが流れます。これで私は心を鷲掴みされてしまいます。是非皆さまにもその体験をしてもらいたいです!
――人生最初のモーツァルト体験はどのようなものでしたでしょうか?
盛田: 小学校の合唱団で、『魔笛』のハイライトに出演したときです。その頃は「蛇」の役をみんなで演じたり、「パパパの二重唱」で子どもたちになったりと、「モーツァルトって楽しい!!」という記憶でした。
そして、大学に入って『魔笛』と再会したとき、このオペラの壮大さに感動したのを覚えています。
2016年7月『フィガロの結婚』(宮本亞門演出)より バルバリーナ役(中央右/撮影 三枝近志)
――これまでで一番印象に残っているモーツァルトの舞台、演奏はどのようなものでしたでしょうか?
盛田: スザンナ役を歌った大学院オペラ『フィガロの結婚』は思い出深い舞台です。初めてのメイク、衣裳、初めてのオーケストラでのオペラ。すべてが初めてでわからないことだらけでしたが、カーテンコールのとき、少し大人になったような気分だったことが忘れられません。長い時間をかけて勉強し作り上げた仲間や先輩との体験は今の私の力になっています。
――今、この『魔笛』を上演することの意味、お客様にお伝えされたいことを聞かせてください。
盛田: コロナ禍がますます厳しい状況になり、オペラや舞台を上演すること、ましてや人が外に出ること自体が難しい中で、空気を動かして音を奏で、息遣いを感じ、愛を歌う。今回の『魔笛』は本当に人と人との繋がり、そして愛の深さを感じられる作品です。聴いていただけるお客様にその温もりを感じていただけたら幸いです。
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▼『魔笛』公演情報ページはこちら
・2021年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場
2021年9月8日(水)18:30、9日(木)14:00*、11日(土)14:00、12日(日)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…パミーナ 盛田麻央 出演日
●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!! |
8日(水),9日(木)の公演につきましては、引き続き新規のご予約を承っております。尚、本公演は予定通り開催させていただきます。すでにお客様のお手元にあるチケットは有効となります。ご来場を心よりお待ちいたしております。