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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー [3]デイダミーア役:ソプラノ 七澤 結&清水理沙

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー第3弾は、タイトルロールの七澤結と清水理沙の登場です!
ギリシア神話の「正史」が、ホメロスの『イーリアス』に残されるようなアキッレの物語であれば、このオペラはアキッレを妻であるデイダミーアから見た、スピンオフと捉えることができるでしょうか。生まれながらの「戦士」であるアキッレを匿っているうちに恋に落ち、息子を身籠ることになるデイダミーア。しかし、ついに彼は勇んで戦場に向かって行ってしまいます。

公演を前に二人に話を聞きました。

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――デイダミーアは、どのような役ですか?


清水理沙: 恋に苦悩する、若き王女という役どころです。
七澤 結: 恋人のアキッレを、トロイア戦争に行かないように、女装をさせて匿うのですが、彼の自由奔放な行動に振り回され常に翻弄されています。精神的に不安定な面もありますが、猪突猛進でこうと決めたら全力を注ぎ、愛とエネルギーに満ち溢れた女性です。
清水: 神話でも現代でも、人の悩みの種やすれ違いの原因の普遍性を強く感じることができる、人間らしく素敵な女性です。 彼女には王女としての振る舞いや品格・知性が備わっていますが、アキッレへの思いが強すぎるせいか、音楽的にも頻繁、劇的に調性が変化していきます。そこから滲み出てくる危うさも魅力の一つであると思います。
七澤: なんと7曲もアリアがあります!音楽も軽やかなものからシリアスなもの、荒々しいものまで幅広く、デイダミーアの起伏の幅が広く表現されています。全体としてレチタティーヴォも特徴的で、転調が多く、ドラマチックです。最後のウリッセとの重唱も美しいのでおすすめです。

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デイダミーア役 七澤 結(ななさわ ゆい)5/25(土)出演


――たくさん曲があって選ぶのも大変かと思いますが、聴きどころをあえて1曲選ぶとすれば?

清水: どの曲もとても美しくて大好きなのですが、最初に私の心を捉えて離さなかったのは2幕の「不安が本当のことを言っているのなら(Se'il timore il ver mi dice)」です。
ウリッセに口説かれているデイダミーアの姿を、偶然アキッレが目撃することでいさかいに発展します。その後、デイダミーアたちは王よりウリッセらを狩りでもてなすよう指示されますが、狩りを得意とするアキッレの姿を見られたら身分を偽っていることがバレかねません。そこで、デイダミーアはアキッレへの注目を逸らすためウリッセを誘惑することを決めますが、恋人との間に亀裂が生まれてしまうのでは、という不安を吐露するシーンで歌われます。

――このアリアのどんなところに注目してほしいですか?

清水: アキッレとの関係が崩れることへの不安と、誤解は解けるだろうと希望を見出そうとする、相反した心情が美しい旋律で切々と奏でられます。
声と合わさる器楽の和声の積み重ねがとても素敵です。決して派手な曲ではないのですが、デイダミーアの魅力が見事に凝縮されている楽曲です。

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デイダミーア役 清水理沙(しみず りさ)5/26(日)出演


――七澤さんはいかがでしょうか?

七澤: 私は、3幕の「あなたが私を不幸にした(M'hai resa infelice)」です。ウリッセ達の策略によりアキッレの女装がバレてしまい、アキッレを失ってしまうと落胆し、ウリッセに向かって怒りを爆発させて歌っているシーンです。

――注目ポイントはどこでしょうか?

七澤: 悲しみを表現するサラバンド(舞曲のリズム)のゆったりとした3拍子から始まり、Bパートでは怒りの表情が荒々しいテンポで超絶技巧の激しいアジリタで書かれています。このオペラのストーリーの中でも1番山場となるシーンで、聴きごたえのあるアリアです。
デイダミーアの起伏の激しさや、感情の爆発、そしてバロックならではの歌詞の情感や風景などの音型での表現にも是非着目して聴いていただけたらと思います。

――ふたりは今回が初顔合わせと伺いました。お互いの印象をお聞かせください。

七澤: 清水さんとは嬉しいことに同い歳でして、共通の知人からは、「私も清水さんもど天然で共通しているよね」と言われました(笑)
ですが、清水さんは芯が強くしっかりしていて、見た目の凛とした美しさや声の情感がデイダミーアにぴったりだなと思って見ております。また私とは全然タイプの違ったデイダミーアになるのではないかと思います。楽しみです!
清水: 七澤さんはいうまでもないですが、すでにご活躍されている素晴らしい歌手のお一人です。
今回キャストの顔合わせで初めてお目にかかりました。お話しすればするほど、これまでに見ていた舞台上のお姿と、たまに天真爛漫で可愛らしいお姿のギャップに、胸がキュンとしてしまいました。私は66期で後輩にあたりますが、「フランクに話そう!」とご提案くださり、心の距離を縮めることにも長けていらっしゃるのでたくさん助けていただいています。
初めてのタイトルロール、そしてダブルキャストとしてご一緒させていただけることが有難く、光栄だと実感する日々を過ごしています。

――力を合わせて、それぞれのデイダミーアを創り上げている様子が伺えました。お客様には、やっぱり両日お越しいただいてそれぞれのデイダミーアをご覧いただきたいですね!最後に公演に向けての意気込みをお願いいたします。

七澤: 初のタイトルロール、初のバロックオペラ、初の現代ダンスと、初めてのことにたくさん挑戦しております。バロック音楽は元々大好きで、この度はこんなに貴重な場で経験させていただけることに感無量です。チームは和気藹々、かつエネルギーに満ち溢れていて、ニューウェーブを起こす気満々です(笑)
バロック音楽ならではの舞曲のリズムと現代ダンスのコラボレーションも、着々と振りがついてきておりますが、楽しいことになっております。会場でしか味わえない高揚感をぜひ体感していただきたいです!
清水: これまでに様々な先輩方が出演していらっしゃる「二期会ニューウェーブ・オペラ劇場」公演。私にとっては初めてのタイトルロールデビュー、そして二期会オペラ公演デビュー作品となります。ヘンデルの魅力溢れる『デイダミーア』を、たくさんのお客様とともに楽しめたらと思います。
フレッシュな舞台をお届けできるよう、心を尽くして臨みたいと思います。ぜひ足をお運びください!劇場でお待ちしております!

――ありがとうございました。

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▼『デイダミーア』公演情報ページはこちら
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2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』
- 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

▼デイダミーア役の二人は、4/23(火)開催のプレイベント「鈴木秀美のヘンデル『デイダミーア』プレトーク&コンサート」にも出演!
鈴木秀美のヘンデル『デイダミーア』プレトーク&コンサート - 東京二期会
2024年4月23日(火)19:00 めぐろパーシモンホール 小ホール

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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2023年の二期会ニューフェイスが一堂に!
「二期会新進声楽家コンサート」~出演者メッセージ 《2》

明日のスター、ここに羽ばたく!

今春、二期会オペラ研修所を優秀な成績で修了した、期待の新入会員20名が一堂に会し、二期会入会後お披露目となるデビューコンサート「二期会新進声楽家のコンサート」。

9月15日(金)の開催に向けての出演者からのコメント紹介、今日はその2回目です。

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202309_murase_aki.jpg■ 村瀬亜紀(むらせ あき/ソプラノ)
ベッリーニ『清教徒』より “あなたの優しい声が”

私の歌う音楽が聴いてくださっている誰かのパワーになって欲しい、心動かす歌を歌いたい、と願って日々自分自身を磨いています。コロナ禍での研修でしたが、こうして音楽と関わり続けられていること、支えてくださる方がいることに感謝してこれからも邁進してまいります。
202309_ueta_ayano.jpg■ 上田彩乃(うえた あやの/ソプラノ)
J.シュトラウスII世 「春の声」

研修所では、これまで目を背けていた自分の弱さと対峙する機会をいただきました。考えながら演じるのではなく、自分自身が表現したい人物として振舞えるようになるまで練習を繰り返すこと。今回は歌曲を歌いますが、オペラアリアと同様に詩や音楽を噛み締め自分のものとし、これが今できる精一杯だと胸を張って披露したいと思います。
202309_kameyama_taichi.jpg■ 亀山泰地(かめやま たいち/バリトン)
モーツァルト『フィガロの結婚』より “すべて準備は整った…少しばかりその目を開け”

大学がクラリネット専攻だった自分にとって、研修所の3年間は本当にたくさんのことを学ぶことができた、かけがえのない時間でした。熱心にご指導してくださった先生方には本当に感謝しております。この先も音楽家であるかぎり勉強は続きますが、常に真摯に音楽に向き合っていきたいと思います。
202309_shimizu_risa.jpg■ 清水理沙(しみず りさ/ソプラノ)
ヴェルディ『運命の力』より “神よ、平和を与えたまえ”

この度は「二期会新進声楽家コンサート」に出演させて頂きますこと、大変光栄に思います。
感染症が流行り始めた頃に研修所へ入所し、制約がある中、熱心な先生方のご指導と関係者の方々のおかげで濃密な時間を過ごせ、心から感謝しております。ご来場いただくお客様をはじめ、沢山の方の協力を得て舞台に立てることに感謝し、心を込めて演奏いたします。
202309_ooigawa_yumi.jpg■ 大井川由実(おおいがわ ゆみ/ソプラノ)
ロッシーニ『セミラーミデ』より “麗しい光が”

研修所に入った頃からずっと憧れていたこの舞台に立てること、とても光栄です。
研修所を修了し、新しい門出、新たな挑戦という意味を込めて今回オペラ「セミラーミデ」のアリアを初めて歌わせていただきます。今まで学んできた全てを発揮し、最高の演奏を皆様にお届けできるよう精一杯演奏いたします。応援よろしくお願いいたします。

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二期会のニューフェイスたちのこれからの活躍にどうぞご注目ください!!
230915shinshin_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会オペラ研修所 第66期マスタークラス修了生・成績優秀者による
二期会新進声楽家コンサート
日時:2023年9月15日(金) 18:30開演(18:00開場)
会場:東京文化会館 小ホール
(JR上野駅 公園口改札より徒歩1分)
料金:(全自由席) ¥3,000
出演者と演奏プログラム:
<第1部>
1. 渡邊瑛介(テノール)
  ベッリーニ『カプレーティ家とモンテッキ家』より “この剣はそのためにある”
2. 山﨑友理(ソプラノ)
  マスネ『マノン』より “わたしが女王のように街を歩くと”
3. 和田 央(バス・バリトン)
  ロッシーニ『セビリアの理髪師』より “わしのような医者に向かって”
4. 竹内穂乃香(ソプラノ)
  グノー『ロメオとジュリエット』より “私は夢に生きたい”
5. 栗田宰早(テノール)
  モーツァルト『魔笛』より “なんと美しい絵姿”
6. 村瀬亜紀(ソプラノ)
  ベッリーニ『清教徒』より “あなたのやさしい声が”
7. 上田彩乃(ソプラノ)
  J.シュトラウスII世「春の声」
8. 亀山泰地(バリトン)
  モーツァルト『フィガロの結婚』より “すべて準備は整った…少しばかりその目を開け”
9. 清水理沙(ソプラノ)
  ヴェルディ『運命の力』より “神よ、平和を与えたまえ”
10. 大井川由実(ソプラノ)
  ロッシーニ『セミラーミデ』より “麗しい光が”
11. 中江万柚子(ソプラノ)&室岡大輝(バリトン)
  ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』第1幕より
    アメーリアと総督(シモン・ボッカネグラ)の二重唱

<第2部>
12. 吉田早穂(ソプラノ)
  グノー『ファウスト』より “宝石の歌”
13. 藤田真由(ソプラノ)
  ベッリーニ『カプレーティ家とモンテッキ家』より “ああ、幾たびか”
14. 小谷美佳(ソプラノ)
  グノー『ロメオとジュリエット』より “ああ、なんという戦慄が”
15. 河向来実(ソプラノ)
  ドヴォルザーク『ルサルカ』より “月に寄せる歌”
16. 田中沙友里(ソプラノ)
  レオンカヴァッロ『道化師』より “鳥の歌”
17. 岩谷香菜子(ソプラノ)
  ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より “あたりは静けさに包まれ”
18. 東 幸慧(ソプラノ)
  ヴェルディ『リゴレット』より “慕わしい人の名は”
19. 舘野真由花(ソプラノ)
  ヴェルディ『椿姫』より “ああ、そはかの人か~花から花へ”
20. 室岡大輝(バリトン)
  ヴェルディ『ファルスタッフ』より “夢か現実か?”
21. 中江万柚子(ソプラノ)
  ドニゼッティ『ロアン家のマリーア』より “不吉な…哀れみの神よ”
(ピアノ)朴 令鈴

▼公演詳細ページはこちらから
二期会新進声楽家コンサート|コンサート・ラインアップ - 東京二期会

●お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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