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ブログで繋ぐ!「第13回 二期会研究会駅伝コンサート【7/29(日)公演】」
出演研究会紹介[2] フランス歌曲研究会

今年もやってまいりました!二期会研究会による夏の風物詩、「第13回二期会研究会駅伝コンサート」。
今回も満を持して出演する10の研究会が、駅伝のように歌の“たすき”を繋ぎます。16:00開演から20:10の終演予定まで実に4時間10分(休憩含む)のロングラン!もちろん、途中曲間での出入りはご自由ですので、お客様の“ペース”でお楽しみいただけます。

出演研究会紹介第2回は、先週の「オペレッタ研究会」から「フランス歌曲研究会」に“たすき”を繋ぎます。

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<16:20~>【フランス歌曲研究会】~ドビュッシー没後100年を記念して~
■ドビュッシー作曲:カンタータ「選ばれし乙女」
[監修・構成]鎌田直純/[指揮]末吉保雄/[語り]栗林朋子/[選ばれし乙女]駒井ゆり子/[合唱]安岐美香、浅木百合子、荒木聡子、稲葉美和子、江澤知香、岡部ゆかり、岡村彬子、鈴木東華、田口久仁子、中沢章子、福田美樹子、堀内晃子、三上道子、宮地里実/[ピアノ]鈴木靖子、成井木綿子

当研究会では昨年10月より、作曲家の末吉保雄先生をお招きして、「ドビュッシー没後100年記念 連続レクチャー」を計4回、例会として行いました。今回はその中で取り上げたカンタータ「選ばれし乙女」を演奏致します。
この作品は、19世紀イギリスの画家であり、詩人としても知られているロセッティの原詩をもとにサラザンが作詩、1887~88年に若き日のドビュッシーによって作曲されました。《語り》役と、《選ばれし乙女》役の独唱、そして女声合唱によって綴られます。天国の入口で、後から来るであろう恋人を待ち続ける乙女のモノローグは、いかにもドビュッシーらしい、言葉と音楽が響きあう美しい世界を描きます。
本来は管弦楽伴奏ですが、今回は末吉保雄先生による編曲のピアノ伴奏版を、先生ご自身の指揮でお聴きいただきます。詩と織りなすドビュッシーの神秘的な音楽の美しさをお楽しみください。

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公演チラシ(PDF)
■■■ 公演情報 ■■■
第13回 二期会研究会駅伝コンサート
日時:2018年7月29日(日) 16:00開演(15:30開場)
会場:東京文化会館 小ホール
   (JR「上野駅」公園口より徒歩1分)
料金:一般¥4,000、学生¥2,000 全席自由・出入り自由
   (学生券は二期会チケットセンターのみ発売)
企画・構成:二期会研究会駅伝コンサート実行委員会

予定時刻と出演研究会:
・16:00~ オペレッタ研究会 ~エメリッヒ・カールマンの世界~
16:20~ フランス歌曲研究会 ~ドビュッシー没後100年を記念して~
・16:40~ イタリア歌曲研究会 ~没後150年ロッシーニのヴェネツィア~
   <休憩15分>
・17:15~ ロシア東欧オペラ研究会 ~リムスキー=コルサコフ没後110年記念~
・17:35~ イタリアオペラ研究会 ~ヴェルディ不朽の名作たち~
・17:55~ <特別コーナー>ヴェルディ『ナブッコ』より 合唱“行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って”
   <休憩15分>
・18:15~ ドイツ歌曲研究会 ~ドイツ歌曲への誘い~
・18:35~ 日本歌曲研究会 ~日本の歌の情景~
・18:55~ ロシア歌曲研究会 ~リムスキー=コルサコフ没後110年記念~
   <休憩15分>
・19:30~ オペラ・ワークショップ研究会 ~その恋果たしてハッピーエンド?~女はみんな、恋をする。~
・19:50~ 英語の歌研究会 ~L.バーンスタイン生誕100年~
   <終演予定 20:10>

*やむを得ぬ事情により出演者・演奏内容が一部変更になる場合がございますので予めご了承下さい
*記載の時刻はあくまでも予定ですので、お早めのご来場をおすすめします
*未就学児のご入場はお断り申し上げます


▼出演者・演奏予定曲等 公演詳細はこちらから
第13回 二期会研究会駅伝コンサート - 東京二期会

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
   (月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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【レビュー】『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』無事終演

東京二期会オペラ劇場初登場となる田尾下 哲の新演出が話題となったヴェリズモ・オペラの傑作『カヴァレリア・ルスティカーナ』『パリアッチ(道化師)』。
舞台写真とともに、公演を振り返ります。
写真撮影:三枝近志(◇…7月13・15日組、★…7月14・16日組)
<舞台写真はクリックで拡大表示します>

N.Y.で活躍する、幹子S・マックアダムスの洗練された装置にもご注目ください。

『カヴァレリア・ルスティカーナ』はシンプルでインパクトのあるモノトーン


『パリアッチ』ではポップな色彩と、1960年代を表すTVの撮影セット

指揮はイタリア、ミラノ生まれのパオロ・カリニャーニ。
イタリア各地の歌劇場、ウィーン、パリ、メトロポリタン、ケルン、ジュネーヴ、バルセロナ等、世界一流の歌劇場を指揮し、フランクフルト・オペラの音楽総監督を10年務めたというキャリアながら、毎日、リュックをひょいと担いでプールに通い、颯爽と稽古場に登場。梅雨明けした東京の暑さをものともせず熱の入った稽古を繰り返し、イタリア・オペラの世界を日本で、現代の東京で作り上げました。
『カヴァレリア・ルスティカーナ』の幕開け。

トゥリッドゥ(岡田尚之)と、ローラ(富岡明子)がよりを戻してしまったのを知ったサントゥッツァ(大山亜紀子)の悲しみ。


有名な合唱<オレンジの花は香り>。今回はローラ(澤村翔子)と村の有力者で馬車屋のアルフィオ(松本 進)の結婚式の場面として描かれました。兵役から戻った恋人トゥリッドゥ(大澤一彰)を見て、思わず、ブーケを落とすローラ。


彼の母親ルチア(池田香織)が営む酒屋を訪ねたサントゥッツァ(清水華澄)は、トゥリッドゥの心変わりを訴えます。


サントゥッツァの名アリア<ママも知る通り>。嘆くルチア(栗林朋子)。


トゥリッドゥに戻ってくるように、何度も頼むサントゥッツァ。でもサントゥッツァとの仲は、ローラへのあてつけで始まったのだし、もともと恋仲だったローラとよりを戻したトゥリッドゥは、追いすがれば追いすがるほど冷淡になり、まったく取り合わないのです。


ローラがアルフィオと結婚さえしなければ、サントゥッツァはこんな惨めな思いはしなくて済んだのに、子まで宿して、村人には陰口をたたかれ、哀れでならない。一方、ローラは美人でお金持ち。トゥリッドゥはローラと教会に行ってしまいます。


トゥリッドゥは、村の復讐のしきたりに従い、ローラの夫アルフィオと決闘することになりました。
母親のルチアにそれとなく別れを告げるトゥリッドゥ。<母さん、この酒は強いね>。
そして「もし戻らなかったら、サンタの母親になってやってほしい」と。
岡田は素晴らしく熱く輝く声で、トゥリッドゥを演じました。


アルフィオ(小川裕二)とトゥリッドゥの決闘シーン。トゥリッドゥは殺され、幕となります。

『パリアッチ』

トニオ(上江隼人)が、テレビのインタビュー番組に出ているシーンから、始まります。今回の演出では、トニオがすべての糸を引く。ネッダに横恋慕し、その夫カニオの嫉妬を操る、という難しい役回りでしたが、自在に舞台に出入りし、邪心を隠し持つ野心的な人物を演じて、強い印象を残しました。


鮮やかに降り立つ座長カニオ(大野徹也)とその妻で女優のネッダ(嘉目真木子)。


ネッダのアリア<鳥の歌>。いつの日か大スターになる!新進女優の華麗な演技。


高橋絵理が演じるネッダ。遊び、夢に夢見るような可憐さ。言葉と声と音楽・・・豊かな表現力を開花させました。


トニオ(桝 貴志)がネッダに言い寄りますが、相手にもしないどころかあざ笑うのです。


ネッダにとって、シルヴィオ(塩入功司)こそが本当の愛。
塩入は、艶やかで深みのある美声。


ネッダは、ついにシルヴィオ(与那城 敬)と駆け落ちすることを承知します。
与那城はこれまでにも二期会オペラに数々登場していますが、さすがのいい男ぶり。


一番の聴かせどころカニオのアリア<衣裳をつけろ>。
ネッダの裏切りを知り心ここにあらずですが、芝居の時間です。道化師Pagliaccio。


ネッダは《コロンビーナ》を、ペッペ(小原啓楼)は《アルレッキーノ》を演じます。


ペッペ(与儀 巧)が演じる《アルレッキーノ》のセレナータ。可笑しさと明るさがあって、ペッペの存在がこのオペラの重苦しさを救っている気がします。


芝居と現実の境を見失って次第に正気を失っていくカニオ(片寄純也)。激情と豊かな音楽を堪能させ、客席を沸かせました。


「助けて!」と叫ぶネッダに走り寄ったシルヴィオがカニオを刺し、カニオはシルヴィオを刺す。3人とも死んでしまうという壮絶な結末。

2作品とも惨劇で幕が降ります。人と人との関係で湧き上がる感情、嫉妬、怒り、絶望の究極の結末。生身の人間は、それでも日々演じ、仮面をかぶり、別の顔を見せているものです。本当の自分はどこにいるのか分からなくなっているのは、何も劇中人物だから、なのではなくて、その状況をどこか他人が操作しているような感覚があるからなのではないでしょうか。
この幾層にも重ねられた演出に、見事にこたえた歌手たちに大きな拍手が送られました。そして、楽譜に書かれた言葉が、生きた人間の言葉として歌われたことは、何よりも音楽の力でもあって、大きな感動を呼びました。
ご来場、ありがとうございました。

帆かけ舟

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