この夏、二期会が日本オペラ連盟、兵庫県立芸術文化センター、愛知県文化振興事業団と共同制作した「カルメン」が今週末、9/12(土) 23:00~ NHK-BS hi にて放送されます。
このプロダクションは、兵庫県立芸術文化センターで9回、東京文化会館で4回、愛知県芸術劇場で2回の合計15回上演され、どの公演もほぼ満員の大盛況でした。
オペラ「カルメン」は、フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーが1873~74年に作曲したものです。親しみやすい旋律、登場人物の際立つキャラクター、わかりやすい脚本ゆえに、 世界中でとても親しまれているオペラの一つといえるのではないでしょうか。
今回の公演では、20世紀のオペラ演出界をリードしたジャン・ピエール・ポネルの薫陶を受け、 1986年から89年までパリ・オペラ座総裁を歴任した ジャン・ルイ・マルティノーティが演出を手掛けました。これまでの毒々しいカルメンではなく、美しい女性の「カルメン」をコンセプトとし、林美智子が見事に美しいカルメンを演じきりました。
どうぞ、この美しいカルメンをご堪能下さいませ!
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ 2009 歌劇「カルメン」
▼放送予定
番組名:NHK ハイビジョン ウィークエンドシアター
放 送:NHK BS hi 2009年9月12日 23:00~2:03
▼放送内容
収録日:2009年7月4日
収録会場:兵庫県立芸術文化センター KOBERCOホール
《出演》
カルメン:林美智子
ホセ:佐野成宏
エスカミーリョ:成田博之
ミカエラ: 安藤赴美子
フラスキータ: 吉村美樹
メルセデス: 田村由貴絵
モラレス: 桝 貴志
スニガ: 松本 進
レメンダード: 大川信之
ダンカイロ: 初鹿野剛
合 唱:二期会合唱団、ひょうごプロデュ―スオペラ合唱団
児童合唱:ひょうごプロデュースオペラ児童合唱団
管 弦 楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
指 揮:佐 渡 裕
演 出:ジャン=ルイ・マルティノーティ
また、BS-hiでは「カルメン」放送後に続けて、一昨年6月に紀尾井ホールで開催されたメゾ・ソプラノ林美智子のリサイタルの模様が再放送されます。
前半は日本の歌を、そして後半には得意とするオペラ・アリアを披露し、現在の充実ぶりを存分に発揮致しております。
中でも武満徹の5つの歌曲が圧巻で、殊に「死んだ男の残したものは」は聴く者の胸を打つ感動の1曲です。
林 美智子 メゾ・ソプラノ リサイタル
▼放送予定
番組名:NHK ハイビジョン ウィークエンドシアター
放 送:NHK BS hi 9月13日(日) 2:05 ~ 3:00
林美智子(Ms)、河原忠之(Pf) 写真提供:紀尾井ホール
▼番組サイトはこちら
NHK ハイビジョン ウイークエンド シアター
※局の都合で予定は変更されることもありますので、予めご了承ください。
タグアーカイブ: 吉村美樹
佐渡裕プロデュースオペラ『カルメン』東京公演も大成功!
気温が30℃を超えた7月17日(金)から20日(祝)までの4日間、東京文化会館に佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2009『カルメン』がやってきました。既に兵庫県立芸術文化センターでの9回の公演を経て、気心知れたマエストロと歌手たちが非常にクオリティの高い公演を見せました。東京公演のオーケストラは、東京フィルハーモニー交響楽団。『カルメン』は上演回数も多く、手の内にあるレパートリーとあって色彩豊かな音色を繰り出し、力強く歌手を支えました。
【17・19日組キャストから】撮影:鍔山英次
児童合唱は、NHK児童合唱団。
児童合唱は、兵庫では、ひょうごプロデュースオペラ児童合唱団、愛知では名古屋少年少女合唱団が出演。生き生きとした表情を見せました。
タバコ工場の女たち。迫力のある合唱で、音楽に奥行きを与えた二期会合唱団とひょうごプロデュースオペラ合唱団。
ホセとカルメン。危険な匂いを感じつつも、魅かれていくホセ(ルカ・ロンバルド)。“誘惑する悪い女”ではなく、“真に自由で美しい女”として、見事に演じたステラ・グリゴリアン。
故郷から、母の便りを持ってホセのもとを訪れるミカエラ(木下美穂子)。純粋で、ひたむきにホセを思うミカエラは、オペラファンの間でも人気の女性。
闘牛士エスカミーリョ(ジャン=フランソワ・ラポワント)。力強いバリトンで、客席を魅了しました。
脱走兵となり、盗賊の一味としてカルメンと行動を共にするホセですが、この荒っぽい仕事に馴染むことはできず、次第にカルメンとも上手く行かなくなります。ミカエラが、母の危篤を告げに、密輸団の隠れ家を訪れ、故郷に帰るように説得します。
再び愛してほしい、と迫るホセに対し、イヤなものはイヤだとカルメンの答えは変わりません。ホセはついにカルメンを殺してしまうのです。
カーテンコール(撮影:堀 衛)
【18・20日組キャストから】撮影:三枝近志
二期会きっての華のあるメゾ・ソプラノ林美智子が、カルメンを演じます。
ホセは、舞台経験の豊富なテノール、佐野成宏。
東京二期会では『ボエーム』ムゼッタ、『ラ・トラヴィアータ』ヴィオレッタなどを演じてきた安藤赴美子。今回は、可憐で清々しいミカエラを好演。
カルメンを逃がした罪で、牢に入れられたホセに、カルメン、フラスキータ(吉村美樹)、メルセデス(田村由貴絵)のセギディーリャの歌と乱舞が幻想のように映ります。
エスカミーリョ(成田博之)とホセの決闘。この決闘の場面は、ノーカットで演奏されるマエストロこだわりのシーン。陰影のある舞台装置も美しく、また迫力がありました。
闘牛を前に、正装したエスカミーリョとカルメン。
死を前にしたカルメン。人生を自分で選び取っていった潔さ、愛に対する自由さ、何より自分に正直であること、そんなカルメンを感じさせる熱演でした。
カーテンコール(撮影:堀 衛)
期間中は、連日2,000名以上のお客様がご来場され、盛大な公演となりました。
ありがとうございました。
このプロダクションは、7月25日(土)・26日(日)に愛知県芸術劇場大ホールで上演され、15回におよぶ公演の千秋楽を迎えます。華麗で軽やかなカルメンに、愛知でもお会いできますように。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)
▼公演詳細はこちらをご覧ください
2009年7月公演『カルメン』- 公演記録|東京二期会
▼「愛知」公演詳細はこちらをご覧ください。
公演情報 オペラ「カルメン」- 愛知芸術文化センター
アリアドネの歓び、ツェルビネッタの輝き
東京二期会オペラ劇場『ナクソス島のアリアドネ』、6月26日(木)から29日(日)まで4日間の公演の幕が下りました。
ご来場ありがとうございました。
●公演ギャラリー●・・・2日目の公演から 撮影:三枝近志
(画像をクリックすると拡大表示されます)
横山恵子の風格にあふれるプリマドンナぶり
左はテノール歌手(青柳素晴) 後ろにエコー(谷原めぐみ) 右はナヤーデ(吉村美樹)
作曲家 小林由佳は、今回が二期会オペラデビュー。才能あふれる青年作曲家を溌剌と演じました。
ベテラン田辺とおるが演じるちょっと意地悪な執事。(右は初鹿野剛が演じる音楽教師)
きらきらと輝く安井陽子のツェルビネッタ。仕草、眼差し、微笑み、すべてがツェルビネッタそのもの。大アリア「偉大なる王女様」は、高音の跳躍が続き、技巧的にも非常に難しい曲。1人舞台は10分以上ありますが、跳ねるように、嬉しそうに歌うツェルビネッタに客席は魅了され、息をのみます。満場の喝采!!
ツェルビネッタとその仲間の道化たち
安井陽子との息もぴったり。アンサンブルの出来は公演全体の印象を左右しますが、ダンスも相まって、客席からは笑いも!
アリアドネを守るエコーたち、この衣裳は、動いた時に、羽根の飾りがゆれてとても美しい。
艶やかなアリアドネ(横山恵子)に応える柔らかく甘いバッカスの声(青柳素晴)。シュトラウスならではの、音の波に浸る幸せ。