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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー [4]フェニーチェ役:バリトン 亀山泰地&室岡大輝

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』キャスト・インタビュー。続いては、フェニーチェ役の亀山泰地、室岡大輝の二人です。
フェニーチェはギリシアの都市国家アルゴスの王子。アルゴスといわてもピンとこないと思われますが、2015年に上演したR.シュトラウス『ダナエの愛』のダナエがアルゴスのお姫様でした。ただ、ダナエ姫の親戚筋にはどうもフェニーチェという人はいないみたいで、彼はオペラ上の人物かもしれません。
ウリッセ(オデュッセウス)とともに、アキッレを探しにスキュロス島にやってきます。ギリシア神話では、ウリッセが飼っていた犬の名前がアルゴス。そんなわけで、フェニーチェは、ウリッセに忠誠を尽くすアルゴスの王子として登場するのです。若者の役なのにバス、バリトンが歌うというのは、ふつう若者は高声との相場があるバロック・オペラの典型からは少しはみ出た設定です。

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――二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『デイダミーア』ご出演おめでとうございます! 二人が演じるフェニーチェはどのような役でしょうか?


亀山泰地: フェニーチェはアルゴスの王子で、アキッレをトロイ戦争に連れ出すため、ウリッセとともにスキュロス島にやってきた使者の1人です。
室岡大輝: 性格はとても一途で忠実ですが、とても粘着質で、一度決めたものにはとことん向き合う姿勢が、詩のリズムや話している内容からも読み取れます。
自国であるギリシアには大変忠実。更に恋にも忠実で、使節団として派遣されネレーアに一目惚れをし、素っ気ない態度をとられても諦めず、最後には武勇もあってか射止めてしまいます。まさに男気溢れる!? そんなキャラクターです(笑)

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フェニーチェ役 亀山泰地(かめやま たいち)5/25(土)出演


――フェニーチェの歌には、そんなキャラクターがあらわれていると思いますが、聴きどころは?

亀山: フェニーチェのアリアは2曲あり、どちらも大変魅力的な曲なのですが、強いてあげるのであれば2幕の 「愛の神秘を知り尽くした者の目の前では(Presso ad occhi esperti già)」 でしょうか。デイダミーアとアキッレが恋仲なのではと疑い、「愛の神秘を知り尽くした者の目の前では、恋する者は用心深くあるべきだ」と歌うアリアです。
全体を通してオーケストラとユニゾンで動く部分が多く、躍動感がありとてもアグレッシブな曲調です。歌っていてどんどん自分の血が滾っていくのを感じます!

室岡: 曲の中で何度も「fiamme(炎)」、「svelar(ヴェールを剥ぐ)」と言う言葉が出てきます。この言葉が出てくる度に、恋の炎が揺れ動く様や、ヴェールを剥いで本性を暴く様子がアジリタを用いることで見事に描かれています。
ちょっと専門的に解説すると、イタリア語の詩にはそのリズムが持つ要素の様なものがあり、特にこのアリアは8音節詩行と言うリズムで構成されています。この8音節詩行はイタリア語の中でも最も旋律的でリズムが取りやすく、粘着性のある(耳馴染みが良い言う意味も含め)詩行とも言われます。
まさにフェニーチェが持つ本質の性格を体現している様なアリアで、狙った獲物は逃さない!と粘着質な性格が出ていますね! 技巧的にはテンポも早いのでとても難しく、歌っていると大変なのですが…(汗)

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フェニーチェ役 室岡大輝(むろおか たいき)5/26(日)出演


――フェニーチェの人物像が一気に立体的になりました。本番の演奏が楽しみですね。さて、亀山さん、室岡さんはともに研修所の同期ですが、お互いの印象は?

室岡: 亀山さんとは二期会研修所マスタークラスで初めて会いましたが、長身でスラッとしていて、スマートと言う言葉が似合う…それが第1印象です! 経歴を聞くと驚きで、東京音楽大学でクラリネットを専攻、大学卒業後声楽に転向、そのまま二期会研修所に入所と、スーパーマンなのです。研修所にいる際は、同じ作品を一緒に研究する機会はありませんでしたが、このデイダミーアを通して、様々な意見交換をして、皆様に楽しんでいただけるようなフェニーチェ像を2人で作り上げて行きたいです!
亀山: 室岡さんは、いつも素晴らしいお声と演技で、たくさんの刺激を受けていました。年も自分より一個上で、勝手に頼れるお兄ちゃんだと思っています(笑)
今回初めて一緒の公演にダブルキャストとして関わることができ、本当に嬉しいです!!

――同期でも男性の同声種だとなかなか一緒に取り組むという機会はないかもしれませんね。これを機に切磋琢磨して個性的なフェニーチェを作り上げてください。最後に本公演に向けて。

亀山: これまで名だたる方々が出演してきた二期会ニューウェーブ・オペラ劇場の舞台に立てることの喜びと緊張で、今から胸がドキドキワクワクしています。お越し下さった皆様とヘンデルの素晴らしい音楽を共有できるように、全力で演じきりたいと思います。ぜひお越しください!
室岡: 本公演で初めての二期会オペラ公演デビューとなります。 なかなか上演機会の無いオペラではありますが、この大変貴重な機会に出演が出来て、今からどんな本番になるのかが楽しみです! 是非たくさんのお客さまに足をお運びいただけますと幸いです。

――ありがとうございました。

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▼『デイダミーア』公演情報ページはこちら
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2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』
- 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
Gettii ←24時間受付、予約&発券手数料0円、セブン-イレブン店頭でお受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!!


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2023年の二期会ニューフェイスが一堂に!
「二期会新進声楽家コンサート」~出演者メッセージ 《2》

明日のスター、ここに羽ばたく!

今春、二期会オペラ研修所を優秀な成績で修了した、期待の新入会員20名が一堂に会し、二期会入会後お披露目となるデビューコンサート「二期会新進声楽家のコンサート」。

9月15日(金)の開催に向けての出演者からのコメント紹介、今日はその2回目です。

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202309_murase_aki.jpg■ 村瀬亜紀(むらせ あき/ソプラノ)
ベッリーニ『清教徒』より “あなたの優しい声が”

私の歌う音楽が聴いてくださっている誰かのパワーになって欲しい、心動かす歌を歌いたい、と願って日々自分自身を磨いています。コロナ禍での研修でしたが、こうして音楽と関わり続けられていること、支えてくださる方がいることに感謝してこれからも邁進してまいります。
202309_ueta_ayano.jpg■ 上田彩乃(うえた あやの/ソプラノ)
J.シュトラウスII世 「春の声」

研修所では、これまで目を背けていた自分の弱さと対峙する機会をいただきました。考えながら演じるのではなく、自分自身が表現したい人物として振舞えるようになるまで練習を繰り返すこと。今回は歌曲を歌いますが、オペラアリアと同様に詩や音楽を噛み締め自分のものとし、これが今できる精一杯だと胸を張って披露したいと思います。
202309_kameyama_taichi.jpg■ 亀山泰地(かめやま たいち/バリトン)
モーツァルト『フィガロの結婚』より “すべて準備は整った…少しばかりその目を開け”

大学がクラリネット専攻だった自分にとって、研修所の3年間は本当にたくさんのことを学ぶことができた、かけがえのない時間でした。熱心にご指導してくださった先生方には本当に感謝しております。この先も音楽家であるかぎり勉強は続きますが、常に真摯に音楽に向き合っていきたいと思います。
202309_shimizu_risa.jpg■ 清水理沙(しみず りさ/ソプラノ)
ヴェルディ『運命の力』より “神よ、平和を与えたまえ”

この度は「二期会新進声楽家コンサート」に出演させて頂きますこと、大変光栄に思います。
感染症が流行り始めた頃に研修所へ入所し、制約がある中、熱心な先生方のご指導と関係者の方々のおかげで濃密な時間を過ごせ、心から感謝しております。ご来場いただくお客様をはじめ、沢山の方の協力を得て舞台に立てることに感謝し、心を込めて演奏いたします。
202309_ooigawa_yumi.jpg■ 大井川由実(おおいがわ ゆみ/ソプラノ)
ロッシーニ『セミラーミデ』より “麗しい光が”

研修所に入った頃からずっと憧れていたこの舞台に立てること、とても光栄です。
研修所を修了し、新しい門出、新たな挑戦という意味を込めて今回オペラ「セミラーミデ」のアリアを初めて歌わせていただきます。今まで学んできた全てを発揮し、最高の演奏を皆様にお届けできるよう精一杯演奏いたします。応援よろしくお願いいたします。

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二期会のニューフェイスたちのこれからの活躍にどうぞご注目ください!!
230915shinshin_thumb.jpg 公演チラシ(PDF)■■■ 公演情報 ■■■
二期会オペラ研修所 第66期マスタークラス修了生・成績優秀者による
二期会新進声楽家コンサート
日時:2023年9月15日(金) 18:30開演(18:00開場)
会場:東京文化会館 小ホール
(JR上野駅 公園口改札より徒歩1分)
料金:(全自由席) ¥3,000
出演者と演奏プログラム:
<第1部>
1. 渡邊瑛介(テノール)
  ベッリーニ『カプレーティ家とモンテッキ家』より “この剣はそのためにある”
2. 山﨑友理(ソプラノ)
  マスネ『マノン』より “わたしが女王のように街を歩くと”
3. 和田 央(バス・バリトン)
  ロッシーニ『セビリアの理髪師』より “わしのような医者に向かって”
4. 竹内穂乃香(ソプラノ)
  グノー『ロメオとジュリエット』より “私は夢に生きたい”
5. 栗田宰早(テノール)
  モーツァルト『魔笛』より “なんと美しい絵姿”
6. 村瀬亜紀(ソプラノ)
  ベッリーニ『清教徒』より “あなたのやさしい声が”
7. 上田彩乃(ソプラノ)
  J.シュトラウスII世「春の声」
8. 亀山泰地(バリトン)
  モーツァルト『フィガロの結婚』より “すべて準備は整った…少しばかりその目を開け”
9. 清水理沙(ソプラノ)
  ヴェルディ『運命の力』より “神よ、平和を与えたまえ”
10. 大井川由実(ソプラノ)
  ロッシーニ『セミラーミデ』より “麗しい光が”
11. 中江万柚子(ソプラノ)&室岡大輝(バリトン)
  ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』第1幕より
    アメーリアと総督(シモン・ボッカネグラ)の二重唱

<第2部>
12. 吉田早穂(ソプラノ)
  グノー『ファウスト』より “宝石の歌”
13. 藤田真由(ソプラノ)
  ベッリーニ『カプレーティ家とモンテッキ家』より “ああ、幾たびか”
14. 小谷美佳(ソプラノ)
  グノー『ロメオとジュリエット』より “ああ、なんという戦慄が”
15. 河向来実(ソプラノ)
  ドヴォルザーク『ルサルカ』より “月に寄せる歌”
16. 田中沙友里(ソプラノ)
  レオンカヴァッロ『道化師』より “鳥の歌”
17. 岩谷香菜子(ソプラノ)
  ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』より “あたりは静けさに包まれ”
18. 東 幸慧(ソプラノ)
  ヴェルディ『リゴレット』より “慕わしい人の名は”
19. 舘野真由花(ソプラノ)
  ヴェルディ『椿姫』より “ああ、そはかの人か~花から花へ”
20. 室岡大輝(バリトン)
  ヴェルディ『ファルスタッフ』より “夢か現実か?”
21. 中江万柚子(ソプラノ)
  ドニゼッティ『ロアン家のマリーア』より “不吉な…哀れみの神よ”
(ピアノ)朴 令鈴

▼公演詳細ページはこちらから
二期会新進声楽家コンサート|コンサート・ラインアップ - 東京二期会

●お問合せは
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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