去る11月23日、大分市のいいちこ総合文化センター「グランシアター」において、大分二期会制作による初のオペラ公演『魔笛』(中村敬一氏演出)が1,500名の観客を集めて大成功を収めた。大分県民芸術文化祭の閉幕行事として行われ、大蛇には庄内神楽の伝承に努める県立由布高校郷土芸能部の生徒が特別参加で大分らしさを演出した。遠方から参加した県出身歌手達が稽古に不参加の際には、県内在住者がカヴァーを務めるなど、様々な困難を克服しての成功だった。
カーテンコールから
今回の特筆すべき点は、殆どのキャスト、合唱、オーケストラが大分県に関係のある人であるという点で、特に大分県立芸術文化短期大学の存在が大きな力となった。つまり、ピットに入ったのは同短大の現役学生を中心に、卒業生に数名の教員が加わったオーケストラで、ピットでのオペラ演奏も、休憩を挟んだ3時間の長丁場も初めての経験。そんなオケを支えたのが、東京のプロオーケストラでコンサートミストレスを務めた経歴を持つヴァイオリンの川瀬真由美教授と、東京二期会のオペラ制作でも長く活躍し、オペラの演奏に精通した指揮者の森口真司准教授だった。制作費に限界があり、セットの代わりに芸短大美術科の学生達による各場面の背景画を映像で投影したのも好評だった。
パパゲーノを演じた安藤常光(左)
東京二期会会員では侍女役の愛甲久美、上田雅美、モノスタトスの中村弘人が大分在住。ザラストロを歌った伊藤 純(芸短大卒・東京在住)、パパゲーノの安藤常光(大分市出身・金沢在住)、弁者役の原 尚志(福岡在住)。武士2役の秋吉一央(芸短大卒)は、数年前にオペラ研修所を修了した準会員だ。合唱には芸短大の学生に加え、一般募集で4月から稽古を積んできたメンバー達で、堂々たる演奏を聴かせた。(中山欽吾)
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月末は実力派ニューフェイスのコンサートを!二期会クリスタルコンサート
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国内外のオペラやコンサート活動で実績をあげ、新たに二期会に入会した実力派のニューフェイスたちが秋の夜にお贈りする、ちょっと素敵な演奏会。 次々と生まれる、輝きをもった新しい声、新しい顔をご紹介いたします。 「二期会クリスタルコンサート」 |
【予定プログラム】 | |
<第一部> | |
プッチーニ『トスカ』より “星は光りぬ” | 又吉秀樹 |
マスネ『ウェルテル』より 手紙の歌“ウェルテルよ、誰が言えましょうか” | 中島郁子 |
プッチーニ『蝶々夫人』より “ある晴れた日に” | 權 敬熙 |
ドニゼッティ『連隊の娘』より “友よ、なんて楽しい日” | 大澤 一彰 |
モーツァルト『皇帝ティトの慈悲』より “ああ、昔の愛情に免じて” | 首藤玲奈・望月友美 |
モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』より “ああ、なんといういたましい光景が” | 上田雅美・中村弘人 |
〜休憩〜 | |
<第二部> | |
コルンゴルト『死の都』より “私に残された幸せは” | 首藤玲奈 |
トマ『ミニョン』より “君よ知るや南の国” | 望月友美 |
ビゼー『美しきパースの娘』より “誠実な恋人の声は” | 中村弘人 |
モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』より “岩のように動かず” | 上田雅美 |
ヴェルディ『アイーダ』より “貴方の運命を左右する” | 中島郁子・又吉秀樹 |
プッチーニ『蝶々夫人』より “魅惑に満ちた瞳の可愛い子よ” | 權 敬熙・大澤一彰 |
*都合により演奏内容が一部変更になることがございます。あらかじめご了承ください。 |
=出演者からのホットな意気込みをご紹介します!=
◆大澤一彰(テノール)
「今回私が歌う、ドニゼッティ作曲『連隊の娘』より「友よ、なんて楽しい日!」は私が一昨年、第44回日伊コンコルソで優勝した時の幸運曲です。
ハイCが連続9回で有名なこの曲を歌う前の晩は、緊張して眠れず、<身も細る>思いです。(ああ、ホントに気持ちだけは…)
蝶々夫人の二重唱は、「世界の蝶々さん」=林康子先生と歌わせて頂いた時、スカラ座時代の思い出を色々とお話頂きながら、手取り足取りレクチャーして下さった、とても大切な曲です。このクリスタルコンサートでは、気合いの入った2曲を用意しました。
皆様に楽しんで頂けるよう、頑張ります!」
他出演者も公演に向け気合い十分です!
皆様、どうぞご期待ください!!