今回は、五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞して、高橋が研鑽の地に選んだウィーンが舞台となるオペレッタ。そして日生劇場は、昨年『ルチア~あるいはある花嫁の悲劇~』(演出・翻案:田尾下 哲)題名役で新境地を拓いてみせた劇場です。開幕を目前にして話を聞きました。
高橋 維
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――研修で過ごしたウィーンの街はいかがでしたか。
高橋: 伝統とモダンが調和する街で、劇場や美術館、あらゆる文化的なものに囲まれての生活は本当に贅沢でした。
大都市でありながら意外にもコンパクトで、少し電車に乗るだけで自然が豊かに広がる郊外にアクセス出来るのも魅力です。
――去る10月17日に、五島記念文化賞オペラ新人賞研修成果発表のリサイタルを開きました。終えられて、今の心境を。
高橋: リサイタルではこれまでのウィーン研修で磨いた歌曲や、私が取り組んできたオペラ作品からプログラムを構成しました。演出家の田尾下 哲さんに監修していただき、照明や演出効果も取り入れた特別感のある舞台になったと思います。
私の場合は声の表現と演出や身体表現が一緒になった時に良いパフォーマンスが出来るように思いますので、これからも舞台経験を重ね成長した姿を見ていただきたいと思います。
2019年11月 東京二期会『天国と地獄』より ユリディス役(撮影 三枝近志)
――ウィーンでは、オペレッタもたくさん経験することができたそうですね!
高橋: オペレッタは、鑑賞はもちろんのことたくさん勉強もしました。師事している先生がアデーレを当たり役としていたこともあり(その名もアデーレ・ハース先生!)、アデーレは特にたくさんレッスンでみていただきました。2つのアリアは現地で出演したコンサートでも歌い、「良く発語できているし、言葉と表現が合っていてとても良かった」とお客様に褒めていただいたことが良い思い出です。
――本場でも賞賛された歌唱が日生劇場でも披露されることを多くのお客様が期待されています。それでは、高橋さんが感じているアデーレの魅力について教えてください。
高橋: 彼女の仕事ぶりや発言からは、決して良いメイドとは思えませんが(笑)、天真爛漫でどこか憎めないキャラクターですね。
舞踏会で鉢合わせたアイゼンシュタインに向かって「メイドに間違えるなんておかしな方ね!」と言えてしまったり、3幕で歌うアリアでは自分の才能をアピールするために女優になりきったりと、すごく度胸があってなかなかへこたれません。私もそうなりたいです!
2021年9月 東京二期会『魔笛』より 夜の女王(中央/撮影 西村廣起)
――最後にファンの皆様に一言メッセージをお願いします。
高橋: 『こうもり』がはじめての方はもちろんのこと、何十回と観た!という通な方にも楽しんでいただけるプロダクションですので、ぜひご期待ください。
アデーレを全幕通して演じるのは初めてなのですが、彼女のキャラクターに助けられて楽しく準備しています。メイドからなんとか脱却しようともがくアデーレを応援する気持ちで観ていただけたら嬉しいです!
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▼『こうもり』公演情報ページはこちら
・2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場
2021年11月25日(木)18:30*、26日(金)14:00、27日(土)14:00*、28日(日)14:00 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…アデーレ 高橋 維 出演日
●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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