ステージでの華やかなオーラと色彩豊かな歌声で日本のオペラ界に輝きを放ちつづける幸田浩子。専属歌手を務めたウィーン・フォルクスオーパーをはじめ、ローマ歌劇場、シュトゥットガルト州立劇場等欧州の主要な歌劇場でも大役をはたしてきました。
『魔笛』夜の女王、『ばらの騎士』ゾフィー、『ナクソス島のアリアドネ』ツェルビネッタ、『ホフマン物語』オランピア、『リゴレット』ジルダなどをレパートリーとしつつ、CDアルバムやリサイタルでは、幸福感豊かに歌われる日本の歌でも日本全国の方を魅了しています。
二期会の『こうもり』では、2013年の白井晃演出でアデーレを好演しましたが、今回はロザリンデに初挑戦。幸田の新しい魅力を発見いただける絶好の機会となることでしょう。“初役”に向けて、話を聞きました。
幸田浩子
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――ロザリンデはどのような人物だとお考えでしょうか。
幸田: 大好きな『こうもり』の舞台に再び立つことができることに、そして、新しい役に挑戦できることに、とてもワクワクしています。
ロザリンデらしさ、とは、、、まだまだ、探している最中ではありますが、本音と建前、理性と本能が出たり入ったりして、演じている中に真実があり…
ご主人さまは、ハメを外したつもりが、自身の妻を一生懸命口説いているのですから…
生命力に溢れた、魅力的な人物だと思います。
ベッリーニ大劇場『清教徒』より
――アンドレアス・ホモキの演出は『ばらの騎士』ゾフィー以来となります。今回、稽古に参加していていかがでしょうか。通底するホモキのメッセージや哲学を感じられるところがあれば教えてください。
幸田: ホモキさんの、深い心理描写と、音楽への造詣、そして、ちょっぴり大人の遊びのある表現方法に、いつまでも、そのお話を聞いていたいくらいです。
共通するところは、不器用ながらも、今を懸命に生きる人々へ、一筋の光を照らしているような、《ああ、そうでありますように…》といった祈りが見えるような気がしています。
――それでは今回のロザリンデさんの見どころ、聴きどころを。
幸田: お客さまが作品に魅入って、それぞれの登場人物を愛しいと思ってくださったら、それがロザリンデも役割を果たした、ということだと思いますので、そうなるように、精一杯努めたいと思います!
ウィーン・フォルクス・オーパー公演『ペンザンスの海賊』より
――フォルクス・オーパーの専属だった幸田さんにとって、ウィーンは特別な思い出の多い町かと思います。今回は、その中でも、『こうもり』にちなんだエピソードがありましたらお話しください。
幸田: 学生時代、初めてウィーンを訪れた際、到着した夜に観たのが、フォルクス・オーパーの『こうもり』でした。
専属時代も、お稽古や本番の無い日には、『こうもり』がやっていると、しょっちゅう、のぞいていました。いつも、キャストもお客さまも、リラックスして、笑い声の溢れる、華やかで、柔らかな舞台でした!!
2013年2月 東京二期会『こうもり』より アデーレ役(撮影 三枝近志)
――ウィーンに行かれたら、必ず訪れる(訪れたい)ところはありますか?または、必ず食べたいもの、とかでも…!
幸田: ウィーンに住んでいたころは、ウィーンの森のふもと、葡萄畑の近くに住んでいたので、葡萄畑や自然公園に行きたくなります。お散歩の合間に飲むMost(ブドウジュース)やStrum(発酵ワイン)はなんとも美味しくて。
そういえば、今年のワインはどんな出来なのか、楽しみです…。
2017年7月 東京二期会『ばらの騎士』より ゾフィー役(撮影 三枝近志)
――それでは最後に公演に向けて、ファンの皆様にメッセージをお願いします。
幸田: 今だからこそ、より一層皆さまの心に響き、明日へのエネルギーとなる作品となることを願い、キャスト、スタッフ一同、お稽古を重ねています。ぜひ会場にお越しくださいませ。
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▼『こうもり』公演情報ページはこちら
・2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場
2021年11月25日(木)18:30*、26日(金)14:00、27日(土)14:00*、28日(日)14:00 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…ロザリンデ 幸田浩子 出演日
●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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