オフィスビルのランチタイムに生のクラシック音楽をお届けしている丸の内トラストシティ・ランチタイム・コンサート(主催:森トラスト株式会社 制作:株式会社東音企画)。
来る6月22日(木)は、東京二期会オペラ劇場10月公演『蝶々夫人』に関連してケート役のソプラノ和泉万里子と神官役のバリトン杉浦隆大がデュオで出演します!ピアノは荻原萌子です。
昨日行われたリハーサルの終わりに、ふたりに話を聞きました。
――まずは、ふたりが考えるオペラ『蝶々夫人』の魅力を
和泉: 蝶々さんは、私にとって憧れの役です。私は以前びわ湖ホールでの「P.コンヴィチュニー オペラ・ワークショップ」に蝶々さん役で参加させていただきました。そのとき感じたことは、たとえ舞台が日本で蝶々さんが日本人であっても、作品の根底に流れている感情や表現はイタリア人のものだというものでした。ヨーロッパから見た日本というものをあらためて感じました。この作品を日本人が書いたなら本当に悲惨な話になったかもしれませんが、イタリア人のプッチーニの音楽によって、悲しみが美しく感動的な姿に昇華されていると思います。
杉浦: 私は、二期会オペラ研修所時代に、今回も歌います蝶々さんとシャープレスの「手紙の二重唱」を勉強しました。この場面で初めて蝶々さんとピンカートンとの間の子どもが登場するのですが、この瞬間のプッチーニの音楽には、結末を知っているのに、毎回初めてのような衝撃を受けています。
和泉: そうですね。私自身今3才の息子を持つ母となって、蝶々さんの心情をいろいろ想像できるようになりました。
杉浦: このオペラには随所に日本の音楽がちりばめられていますね。日本にゆかりのあるメロディなので、表現されている感情や情景が、私たちにとっては、自然でストレートに伝わってくるように思います。
和泉万里子 |
杉浦隆大 |
――6/22(木)のランチタイム・コンサートでは、ふたりの得意なレパートリーに加えて、日本の歌と『蝶々夫人』の演奏もお楽しみいただけます。聴きどころは?
和泉: キングズシンガーズのメンバーでもあったボブ・チルコットさん編曲の「FURUSATO」を歌います。日本人ならよく聴きなじみのある歌ばかりですが、思わぬところで思わぬ音が書かれていて、とても新鮮です。こちらでも『蝶々夫人』と同じように、海外から見た日本の情景を感じていただけるのではないかと。どうぞお楽しみに!
――それでは、10月『蝶々夫人』にむけて、意気込みを
杉浦: 二期会の伝統の舞台に立つことに、心から幸せを感じています。いろいろな意味でこの舞台を楽しみたいと思います。
和泉: 私が務めるケートという役はピンカートンの本妻なのですが、最後に蝶々夫人の運命を決定づけてしまいます。その意味で演じるのがとても辛い役なのですが、蝶々夫人に対しては同じ女性として、誠心誠意をもって演じたいと思います。
和泉・杉浦: ご来場お待ちしております。
■■■ 公演情報 ■■■
森トラスト ランチタイムコンサート 丸の内トラストシティ
第296回 二期会セレクション ~ ある晴れた日に
日時:2017年6月22日(木) 12:10開演
会場:丸の内トラストタワーN館 1Fエントランスロビー
・アクセス
料金:無料
出演:和泉万里子(ソプラノ)、杉浦隆大(バリトン)、荻原萌子(ピアノ)
演奏予定曲:
中山晋平 「鞠と殿様」
ボブ・チルコット(編曲) 『ふるさと』
プッチーニ 『ジャンニ・スキッキ』より 「私の大好きなお父さん」
ロッシーニ 『セヴィリアの理髪師』より 「私は街の何でも屋」
プッチーニ 『蝶々夫人』より 「ある晴れた日に」 「手紙の二重唱」
▼森トラスト ランチタイムコンサート 丸の内トラストシティの情報ページはこちら
・丸の内トラストシティ|コンサートスケジュール|ランチタイムコンサート - 森トラスト株式会社
▼神官:杉浦隆大(10/6・8)、ケート:和泉万里子(10/7・9)出演!
・2017年10月公演〈二期会名作オペラ祭〉G.プッチーニ『蝶々夫人』 - 東京二期会オペラ劇場
名作オペラ祭特別料金!S席が1万円
和泉万里子 (いずみ まりこ) ソプラノ
大阪音楽大学卒業、同大学院修了を経てウィーンに留学し、宮廷歌手O.ミリャコヴィッチ女史の元で研鑽を積む。同地にてプライナー音楽院オペラクラス主席修了。二期会オペラ研修所マスタークラス修了(優秀賞受賞)。これまでに『アドリアーナ・ルクヴルール』タイトルロール、『ラ・ボエーム』ミミ、『ドン・ジョヴァンニ』ドンナ・エルヴィラ、『ポッペアの戴冠』ポッペア等を演じ、各地で好評を得ている。第四回いかるが音楽コンクール第一位及びハンナ賞、第五回神戸新人音楽賞コンクール優秀賞他多数受賞。2017年10月東京二期会『蝶々夫人』ケート役にて出演予定。二期会会員
杉浦隆大 (すぎうら たかひろ) バリトン
東京都出身。東京藝術大学卒業、同大学院修了。二期会オペラ研修所マスタークラス修了(最優秀賞及び川崎靜子賞)。2015年2月東京二期会『リゴレット』題名役のアンダースタディを務め、同年5月二期会ニューウェーブ『ジューリオ・チェーザレ』クーリオ役にて本出演を果たす。続く10月東京二期会『ダナエの愛』にも出演。2017年は10月『蝶々夫人』神官役、11月『こうもり』フランク役にて続けて二期会公演に出演を予定している。二期会会員