恵まれた体躯を活かし豊かな声を響かせて、ベルカントオペラからプッチーニの作品までイタリアものを中心にレパートリーを築いてきたテノール芹澤佳通。二期会オペラには、今回、7月『ばらの騎士』動物売り役でデビューを飾ります。
「動物売り」は、第1幕、元帥夫人の朝の接見の場で、三人の孤児や帽子屋とともに登場します。
動物といっても家畜や猟犬ではなく、インドやアフリカから連れてきたサルやオウムや小犬など愛玩対象の動物です。18世紀半ばには、シェーンブルン宮殿内に今でいうところの動物園が出来、マリア・テレジアはそこでの朝食を楽しみ、また市民にも開放されていたそうです。動物売りからは、当時の王政や貴族社会を支える貿易・商業活動の盛んな様子がうかがえます。
本公演の舞台では、テノール芹澤が、きっとかわいいお犬様を連れて舞台にのぼることでしょう!
公演にむけて意気込みをききました。
■動物売り(7/26・29出演) 芹澤佳通(せりざわ よしみち) *出身地: 静岡県榛原郡 *声種: テノール(リリコ・レッジェーロ) *主なレパートリー: 【オペラ】ドニゼッティ『リタ』、ベッリーニ『清教徒』、ヴェルディ『椿姫』『リゴレット』、プッチーニ『『ラ・ボエーム』『ジャンニ・スキッキ』/【オーケストラ曲】ベートーヴェン〈交響曲第九番(合唱付き)〉、モーツァルト〈レクイエム〉、ロッシーニ〈小荘厳ミサ〉、フランク〈十字架上のキリストの最後の7つの言葉〉 *趣味: 植物を育てること。 *好きな○○言葉: 好きな「言葉」→「やればできる。やらなきゃ、できない。続けさえすれば成功。やめたときが失敗だ」(遠山正瑛) |
<インタビュー>
――オペラ歌手を目指すようになったきっかけは?
芹澤: 声楽を始めたきっかけは母の助言でした。
それは決して「あなたの声は良い声だから歌を歌いなさい」といった素敵なエピソードではなく、もともとピアニストを夢見て音楽科のある高校を受験し、ピアノ専攻に落ちて音楽教育専攻に入学したことに端を発します。音楽教育専攻ではピアノともう一つ楽器を学ばねばならず、何の楽器にしようかな?と考えていたところ、母から「歌はタダよ」と言われたため、頭が上がらず始めたのが「声楽」でした。
その後、マイクもスピーカーも使わず己の身一つで会場に声を轟かせることに魅せられ、自分の「声」の可能性を突き詰めようと、現在の道に進みました。
――R.シュトラウス『ばらの騎士』の魅力についてきかせてください。
芹澤: 多くのオペラでは歌手が旋律を歌い、オーケストラは伴奏という形式を取っていますが、「ばらの騎士」では音楽的な旋律はオーケストラが奏で、歌手は言葉で演じる、というところが魅力です。シュトラウスの革新的な手法を味わえる作品であると思います。
――本公演にむけての意気込みを。
芹澤: 初の二期会の舞台を、役名付きで踏めることは大変名誉なことです。感謝の気持ちと、これまで自分が培った技術を舞台に貢献出来ればと思います。もちろん主要キャストを務められる方々が素晴らしいのは言うまでもありません。一つの作品に掛ける思い、その思いをシュトラウスの音楽に乗せて皆様に伝えられればと思います。
当日は出演者一同、全力でおもてなしさせていただきますので、ご来場頂ければ幸いです。
■■■ 公演情報 ■■■
二期会創立65周年・財団設立40周年記念公演シリーズ
《グラインドボーン音楽祭との提携公演》
東京二期会、愛知県芸術劇場、東京文化会館、iichiko総合文化センター、
読売日本交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団 共同制作
PDFちらし |
R.シュトラウス『ばらの騎士』 東京公演 オペラ全3幕・日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演 日時:2017年7月 26日(水) 18:00開演★(D席 売切) 27日(木) 14:00開演(D席 売切) 29日(土) 14:00開演(S席 残少/C席、D席 売切) 30日(日) 14:00開演(C席、D席 売切) (各日とも開場は開演の60分前) <★26日公演ではプレミエ・キャンペーンを開催> 会場:東京文化会館 大ホール 料金:S席17,000円~D席5,000円、学生席2,000円 指揮:セバスティアン・ヴァイグレ 演出:リチャード・ジョーンズ 管弦楽:読売日本交響楽団 |
▼公演情報ページはこちら
・2017年7月公演 R.シュトラウス『ばらの騎士』<東京公演> - 東京二期会オペラ劇場
▼チケットのお求め、お問合せは
・二期会チケットセンター TEL03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日・祝 休)
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