リコメーデはスキュロス島の王で、デイダミーアの父。アキッレを「トロイ戦争に行けば死ぬだろう」との運命から救うため、この島に匿っています。
公演を前にして、二人に話を聞きました。
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――リコメーデはどんな人物、役柄ですか?
水島正樹: リコメーデは、スキュロス島の国王であり、割と高齢の役です。
頼まれたら断れない性格で、どの人にもよく思われたいと思っているような人です。
目黒知史: 友人のペレウスから頼まれ、彼の息子アキッレを自分の国に匿っているのですが、アキッレを探しにきたギリシャ軍に対し、一度は嘘で誤魔化したものの、最終的には自由に探すことを許可してしまうという、一国の主でありながらYESマンです。国王としては情けないと思う部分もありますが、後にその判断を後悔するシーンもあり、非常に人間的であると思います。
リコメーデ役 目黒知史(めぐろ ともふみ)5/25(土)出演
――平和な国の、優しい王様、という印象がありますね。リコメーデの聴きどころを教えてください。
目黒: リコメーデのアリアは2曲あるのですが、今回はオリジナルカット版で1曲のみになりました。
水島: 今回、第一部最後のアリアになるリコメーデのアリアです。 島の自然や、昔楽しんでいた狩りについて語るアリアになります。
目黒: 高齢のため足腰も弱まり寿命も残り少なくなってきているのですが、それを嘆くのではなく、むしろ穏やかに過ごしつつ死を迎え入れるような。
水島: ヘンデルの軽快な音楽とは違い、ゆっくりとしたテンポで歌われるこの曲は、どこか哀愁が漂っていますね。昔懐かしい記憶が蘇ってくるかのようです。
目黒: やはりバスのアリアですので、低音の響きが魅力ですね。曲の後半部分では下降音型が印象的で、あたかも人生の終わりが近づいているように使われています。
――若々しい登場人物が多い中、ひとり大人で、老成した人物の存在は、ドラマとしても大切なのだと思います。さて、今回、二人は「初顔合わせ」になりますか?
目黒: 水島くんは大学の後輩になるのですが、今までほとんど接点がなく、しっかりと話したのは今回の稽古場が初めてでした。ただ去年11月の二期会オペラ『午後の曳航』に出演されていたので、相当な実力者だと思っています。現場では先輩後輩関係なくお互い切磋琢磨して高め合えたらいいと思います。
水島: 目黒さんは、歳は私よりも上の先輩です。とても知的で音楽や、心情を深く勉強されていていつも勉強させてもらっています!
リコメーデ役 水島正樹(みずしま まさき)5/26(日)出演
――最後にお客様に向けて、本番への意気込みをお願いします。
目黒: 演出の中村さんを始めとして若い世代が中心となって作り上げていく舞台です!ダンサーさんと一緒に若さ溢れるパワフルでアグレッシブな舞台を作っていきます。
水島: フレッシュな私達が演じるこの『デイダミーア』、きっとお楽しみいただけますので、ぜひ会場へお越しください。
目黒&水島: よろしくお願いします!
――ありがとうございました。
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▼『デイダミーア』公演情報ページはこちら
2024年5月公演 G.F.ヘンデル『デイダミーア』 - 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
2024年5月25日(土)17:00、26日(日)14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
指揮:鈴木秀美/演出:中村 蓉/管弦楽:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ
●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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