【明日開幕!】 4月公演 プッチーニ『エドガール』~舞台構成 飯塚励生「現代に通じる歴史的背景とプッチーニの音楽のターニングポイント」

いよいよ明日4月23日(土)『エドガール』の初日を迎えます。
昨日はエドガール福井敬組のゲネプロがBunkamuraオーチャードホールで行われました。

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会場のBunkamuraオーチャードホール

あっという間の2時間!
音楽の濃密さは他のプッチーニの名作に勝るとも劣りません。
もちろん、後に続く名作を髣髴(ほうふつ)とさせるドラマティックなオーケストラやロマンティックなメロディも素敵ですが、「初期の作品らしさ」が感じられるところが、かえってとても新鮮です。
合唱も加わる1幕の教会のシーンや、3幕の葬送のシーン。その荘厳な響きでは、プッチーニのミサ曲を思わせます。もともとプッチーニは、教会のオルガニストの家系に生まれました。オペラ作曲家として稀代の成功を収めましたが、その裸の魂には、生まれながらにしての宗教的な響きが宿っていたのかもしれない、と想像を膨らませます。

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21日のゲネプロより

舞台構成は、前回公演『サムソンとデリラ』に続いて、ニューヨーク出身の演出家の飯塚励生。
東京二期会では、2012年日生劇場共同制作ライマン『メデア』(日本初演・第67回文化庁芸術祭音楽分門大賞受賞)を演出しています。初日ゲネプロ終了時に話を聞きました。

――飯塚励生さん、ゲネプロお疲れ様でした。とても珍しい『エドガール』を舞台化されるにあたって、この作品の一番の魅力と思われたところはどこでしょうか?

飯塚: 魅力的なポイントを2つ挙げるとするならば、まずは歴史的背景です。
舞台は1302年に行ったフランス・フランドル戦争、または金拍車の戦いです。フランス王のフィリップ4世がフランドルを併合しようとした1297年から1314年の戦争でした。これは現在のロシアとウクライナの情勢と似ていませんか?どの時代になっても人間は歴史を学ばず、成長していないことに残念に思います。
次に、この作品を聴くと、プッチーニ自身の音楽的展開を感じます。1幕は、彼にとって多大な影響を与えた作曲家――ビゼー、ヴェルディ、ワーグナー等の音楽が感じ取れますが、2幕からは段々とプッチーニらしい音楽が流れて来るように感じます。ロマン派の音楽家からヴェリズモの巨匠になりかかるターニングポイントを聞ける絶好のチャンスだと思います。

――マエストロ、アンドレア・バッティストーニの印象はいかがでしょうか。

飯塚: マエストロ バッティストーニとご一緒する時間は非常に短期間ではありましたが、内容の濃い豊かな時間でした。稽古中は穏やかで、時にはユーモアたっぷりですが、自分の意見を相手にはっきり伝えていき、チームをまとめていく姿勢が感じられました。
福井敬さん組の最終オーケストラ付き舞台稽古では、彼の情熱とパワーは稽古場の100倍感じました。

――開幕を待つファンの皆様に一言お願いいたします。

飯塚: セミ・ステージ方式のコンサートですので、客席から、歌い手の情熱と迫力、マエストロバッティストーニのパワー溢れる指揮、オーケストラが奏でるプッチーニの音楽の美しさ、視覚的な舞台背景(映像と照明)等を一つのパッケージで経験出来る、絶好のチャンスだと思います。
どうぞ心ゆくまでお楽しみください!

明日開幕の『エドガール』どうか、見逃されませんように!!

※タイムテーブル、当日券情報は、この後、当ブログに掲載いたします。

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▼『エドガール』公演情報ページはこちら
2022年4月公演 G.プッチーニ『エドガール』<セミ・ステージ形式上演> - 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ

2022年4月23日(土)17:00、24日(日)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
指揮:アンドレア・バッティストーニ/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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