2024年02月19日のエントリー

東京二期会オペラ劇場2024年2,3月公演 ワーグナー『タンホイザー』キャスト・インタビュー [5]エリーザベト役:ソプラノ渡邊仁美

『タンホイザー』二期会キャストのリレー・インタビュー第5弾は、エリーザベト役ソプラノ渡邊仁美です。
今回同役の梶田真未とともに二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』題名役で二期会デビュー。
『サロメ』、『ルル』の題名役のカヴァーを務めた後、東京二期会コンチェルタンテ・シリーズR.シュトラウス『平和の日』に主役のひとりマリアに抜擢され高く評価されました。
そして、今回初のワーグナー作品でのヒロイン・デビュー。公演を前に話を聞きました。

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エリーザベト役:渡邊仁美(ソプラノ)


――エリーザベトは今回初役かと思います。どんな役でしょうか。どんな人物と思われますか?

渡邊: 素直で、純粋で、とても強い人です。溢れる喜びを表現したり、無邪気な反応を見せたりもしますが、愛する人のために戦い、祈り… 理由はどうあれ、その行動力は、現代の女性にも共感できる部分が多いのではないかと思います。ただ綺麗なだけではない、魅力的な女性です。

――純粋で強い人という人物像は、今回ダブルキャストで同役の梶田さんからも聞きました。二人は学生時代からの友人であるそうですが、梶田さんの印象もお聞かせください。

渡邊: 梶田さんは実は大学の同級生なんです!
たくさんの思い出があって、とても語り尽くせないのですが…梶田さんは努力家で、ちょっと天然で、面白い人です。
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』でもダブルキャストで出演させていただきました。アルチーナ役のときもそうでしたが、今回も本当に楽しく一緒に稽古を重ねています。
幸せです。

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2018年5月 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』より アルチーナ役 (撮影:三枝近志)


――一緒に学んできた二人で、舞台のキャリアも一緒に重ねていけるというのは、実は貴重なことではないかと思います。「幸せです」という言葉に、実感がこもっているように感じました。さて、エリーザベト役に取り組んでみて、ワーグナーのオペラの特徴といいますか、意外にも思われたことなどはありますか?

渡邊: タンホイザーの登場人物はとても人間的で、しかも現代でも共感できる性質を持っていると感じます。また、多くのオペラはいつも急な展開を見せますが、ワーグナーはそれがもっと現実的な時間軸に近いというか…リアルなタイミングで感情が動く、そんな感覚があります。

――確かに、友情と片想いに悩むヴォルフラムもリアルな感情ですし、、第2幕で「綺麗ごと並べてんじゃねえ」と爆発するようなタンホイザーの感情もロックで現代的ですね(ダメですけど)。また、稽古を重ねてきて、この演出の魅力を教えてください。

渡邊: ワーグナーが書いたエリーザベトの台詞は、感情や目的、信念がはっきりしています。もちろん音楽によってそれが最大限に表現されているのですが、それをまた更に深めてくれる演出です。余計な情報は無く、エリーザベトという人を全力で生きることができる、それが私にとって最大の魅力です。

――最後に、お客様に意気込みをお願いいたします。

渡邊: 私にとって大きな挑戦となる初役ですが、素晴らしい環境に恵まれ、感謝の気持ちでいっぱいです。ワーグナーの総合芸術を存分にお楽しみいただける舞台になることと思います。是非多くの方にご覧いただきたいです。劇場でお待ちしております!

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2023年4月 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ『平和の日』より マリア役 (撮影:堀 衛)


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▼『タンホイザー』公演情報ページはこちら
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2024年2,3月公演 R.ワーグナー『タンホイザー』
- 東京二期会オペラ劇場
2024年2月28日(水)17:00*、29日(木)14:00、3月2日(土)14:00*、3日(日)14:00 東京文化会館 大ホール
指揮:アクセル・コーバー/演出:キース・ウォーナー/管弦楽:読売日本交響楽団
*…エリーザベト 渡邊仁美 出演日

●お問合せ・ご予約:二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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