2021年11月05日のエントリー

二期会名作オペラ祭『こうもり』キャスト・インタビュー~オルロフスキー成田伊美「いつも演奏する時は、自分が共感する部分を見つけようと思っています」

〈二期会名作オペラ祭〉オペレッタ『こうもり』キャスト・インタビュー。第7 回は、オルロフスキー役のメゾソプラノ成田伊美です。
2015年二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『ジューリオ・チェーザレ』題名役をはじめとして、二期会オペラにも出演を重ね、先月には、自身初のソロリサイタルも成功させました。
オルロフスキーはメゾソプラノの代表的な「ズボン役(男性役)」のひとつ。大役を前に話を聞きました。

202111_narita_yoshimi_00.jpg 成田伊美

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――オルロフスキーはどのような人物でしょうか?

成田: オルロフスキーは二期会研修所時代に役を頂きまして、取り組みましたが、なんとも掴みどころがなく、当時は寂しげな人だなという印象が強すぎて、ただテンションの低い人になってしまった記憶があります。今考えてみると本当のオルロフスキーは誰よりもテンションの高い人で、だからこそ、生活感がないというか現実味がない人物かと思います。その点、今回のホモキさんの演出では共感する部分が多いかと思います!

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2015年5月『ジューリオ・チェーザレ』より 題名役(撮影 三枝近志)

――では、今回の成田さんの見どころ、聴きどころを教えてください。

成田: 今回の設定は大変珍しいオルロフスキーになっています。難役がさらに最高レベル難易度になったといった感じでしょうか?でも、先ほど述べたように、自分自身が共感できる部分をどんどん見つけていき、自分自身の方にグッと役を近づけていきたいと思います!見どころは、、、やはりアリアでしょうか? ファルケとの人間関係にもご注目ください!

――成田さんの世代は、メゾソプラノがとても充実している印象があります。お互いリサイタルのときは応援し合っているとも伺いましたが、そうした同世代、同声種の人たちを特に意識することはありますか。

成田: もちろん意識してます。私たちはおそらく、ただの仲の良い友達でもなく、ライバルというわけでもなく、お互い尊敬できている関係ではないでしょうか?一定の緊張感がないというと嘘になりますが、研修所で切磋琢磨したあの時から10年近くが経ち、お互い理解し合えてる部分が多いのかな?と私は思っています!

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2017年10月『蝶々夫人』より ケート役(左から2人目/撮影 三枝近志)

――成田さんのご両親も二期会アーティスト(ソプラノ成田淳子、テノール成田勝美)です。同じ道を歩もうと決意した一番の理由は何でしたでしょうか。

成田: 私は4歳の時に、『蝶々夫人』の子ども役をやりました。幼心にすごく楽しかった記憶があり、またあの世界に戻りたいと思ったことが、おそらくきっかけかと思います。ただ、本当はフルートで大学に進みたかったので、声楽を始めたきっかけは、はっきりと記憶になく、、、
父や母が歌っていることが日常でしたので、間違いなく影響は受けてるかと思います。父が大変苦しみながら本番に向かっているのも間近で見ていましたし、オペラというものの怖さはよく理解しているかと思います。でも両親のように歌いたいという気持ちはどこかにあったのかもしれませんね。

――成田さんが役を演じるにあたって、「自分らしさ」はどのように意識していますか。

成田: つい先日、メゾソプラノの偉大な先生とこの話をさせていただきました。その中で、歌曲でもオペラでも「音楽を自分の方に近づけることの大切さ」をお話してくださり、強く共感しました。自分から離れてしまうと、一見できているように見えても、ホールでは飛ばないことが多いように感じます。自分が本当に感じていること、思っていることが舞台では一番飛ぶのではないでしょうか?そのため、いつも何か演奏する時は、自分が共感する部分を見つけようと思っています。

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2021年9月『魔笛』より 侍女II役(左端/撮影 西村廣起)

――将来に向けて目指したい役や取り組んでいきたい作品は?

成田: リヒャルト・シュトラウスの『薔薇の騎士』オクタヴィアンと『ナクソス島のアリアドネ』作曲家はぜひ取り組みたいと思います。でも、最近一番興味があるのは、ビゼー『カルメン』カルメンでしょうか?すごく惹かれるオペラです。

――最後にお客様に向けてメッセージをお願いします。

成田: 長かったコロナ禍がようやく落ち着き、少しずつ日常を取り戻されているのではないでしょうか?『こうもり』では満席のお客様とお会いできるのを楽しみにしております。楽しいオペレッタの世界をご堪能ください!大爆笑間違いなしですし、ウィーンの香りが広がるような素敵な音楽をお楽しみください。劇場でお待ちしております!

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▼『こうもり』公演情報ページはこちら
2021年11月公演 J.シュトラウスII世 オペレッタ『こうもり』 - 東京二期会オペラ劇場

2021年11月25日(木)18:30、26日(金)14:00*、27日(土)14:00、28日(日)14:00* 日生劇場
指揮:川瀬賢太郎/演出:アンドレアス・ホモキ/管弦楽:東京交響楽団
*…オルロフスキー 成田伊美 出演日

●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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