ご存じのとおり、東京二期会のみならず日本を代表するカヴァリエ・バリトン。老いたる騎士で皆から笑い者にされるファルスタッフを演じます。ファルスタッフを「人間的な魅力にあふれている」と語る黒田。その新境地にどうぞご期待ください!
東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』ファルスタッフを演じます、黒田 博です。
ファルスタッフは…女性が大好きで、食べることも、お酒を飲むことも大好きで、思ったことを行動に移す行動力がありますし、他の出演者からは、いろいろといじめられたり、ひっかけられたりしますけれども、まあ最終的には自分が自分らしく生きるということに専念しているような男性に思います。非常に、僕は魅力的な人物だと思います。
音楽的にも、このオペラ全体の中で、こまかくてかわいらしいアンサンブルであるとか、難しいソロのパッセージであるとか、それらがそれぞれの役に与えられてて、しっかりしたキャラクターを持っていますので、合唱も加わってアンサンブルをするのが、「このオペラの一番の聴きどころかな、と思います。
『ファルスタッフ』はヴェルディの最後のオペラ。そのひとつ前に書かれた同じシェイクスピア原作の『オテロ』の2作は、それまでのヴェルディの作品とはかなり変わっています。
アリアとして取り出すところももちろんあるんですけど、その前後の音楽とずっとつながっていますし、非常に壮大なそれも混沌とした音楽で、同じ年に生まれたドイツのワーグナーの影響……というと多分ヴェルディが怒って出てくるかもしれませんけれども、でも、その音楽から得たものが非常に出ている気がします。それがイタリアの歌と見事にマッチしているので、とてもワクワクすると思います。
『オテロ』のイアーゴや、今回のファルスタッフとか、それまでのヴェルディ・バリトンとしては毛色が違うかなと。ていねいにそのカンタービレに歌うというよりは、この後に来る時代を先取りしているとうか、自分の感情などを露わに吐き出すかのような。ファルスタッフも、ファルセットやら、「ウエッ!」という肉声やら色んな声が必要になってきて、難しいといえば難しいですけれども、(演技と音楽がマッチしていて)やっていてとても楽しいですし、ある程度の年齢になってきて、そのようなあまり美しくない声を出しても負担にならない方法もだんだんとわかってきましたので、いろいろ駆使してみたいなと思います。
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▼『ファルスタッフ』公演情報ページはこちら
・二期会創立70周年記念公演 2021年7月公演 G.ヴェルディ『ファルスタッフ』 - 東京二期会オペラ劇場
2021年7月16日(金)18:30、17日(土)14:00*、18日(日)14:00、19日(月)14:00* 東京文化会館 大ホール
*…ファルスタッフ 黒田 博 出演日
●公演のご予約・お問合せは《発売中》
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)
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