2018年09月17日のエントリー

11月公演『後宮からの逃走』キャスト・メッセージ~ベルモンテ役:テノール金山京介&山本耕平

11月公演モーツァルト『後宮からの逃走』キャスト・メッセージ紹介連載2回目は、ベルモンテ役のテノール金山京介と山本耕平です!

<ベルモンテ>
ベルモンテは、18世紀スペイン貴族の青年。トルコにさらわれた婚約者コンスタンツェを救出するため果敢に異国の地へ乗り込みます。
モーツァルトは、ベルモンテにアリアを4曲用意しました。コンスタンツェへの愛と救出の決意、そして不安を表す1幕の二つのアリア、コンスタンツェとの再会を喜ぶ、そして、いよいよ後宮を脱出せんとするときの心情を独白する3幕のアリアといずれも聴き応え十分です!
『魔笛』のタミーノ王子にも似て、いえタミーノ以上に、溌剌とした細かいパッセージとともに息の長い優美なレガートを多用した音楽で書かれていて、一途で勇敢でありながら、どこか優雅で王子様気質を感じさせるベルモンテ。二期会のふたりのプリンス・テノールは、どのように感じているでしょうか。メッセージをどうぞ。

金山京介 (かなやま きょうすけ)
11月22日(木)・24日(土)出演

2015年東京二期会『魔笛』タミーノで鮮烈なデビュー。そのとき演出の宮本亜門からも「オペラ界の貴公子」と称された逸材。その歌唱力と演技と舞台容姿に、新世代のモーツァルト・テノールとして大きな注目を集めています。

《ベルモンテ役について》
金山: 彼のキャラクターを考える上で一番強く感じるのは「若さ」でしょうか。若さゆえの行動力、若さゆえの熱情、若さゆえの向こう見ずなど、良くも悪くも「若さ」から来る感情で動いている人物と考えています。

《『後宮からの逃走』の見どころ・聴きどころ》
金山: 何といってもこのオペラはアリアがとても多いです。ダブルキャストですと両日の歌い手により演技、表現などは変わるものですが、アリアが多いということは、それだけ作品として違う面をお届けできるのではと思います。ぜひ両日ご覧頂き、キャストによる違いをお楽しみください。

《『後宮からの逃走』テーマ、メッセージ》
金山: この作品の大きなテーマの一つは「赦し」だと思います。人としての倫理的な「赦し」だけでなく、恋人同士の愛の「赦し」などいくつかの「赦し」をもって物語が進んでいく。これは現代にもよくみられる共通のテーマと思います。


東京二期会2015年7月公演『魔笛』より(撮影:三枝近志)
タミーノ 金山京介(左)、パミーナ 嘉目真木子
 

山本耕平 (やまもと こうへい)
11月23日(金・祝)・25日(日)出演
 
二期会オペラ主演デビューとなった2014年『ドン・カルロ』で、テノール福井 敬とのダブルキャストでドン・カルロ役を務め上げ、翌年『リゴレット』のマントヴァ公爵役の座もオーディションで勝ち得た山本。さらにその後、3年にわたるイタリアでの研修を経て、今回のベルモンテは、いわば日本再デビューです!

《ベルモンテ役について》
山本: 人間関係が変化していく中で一貫した立場を取り続ける軸のような役割を持っている役だと思います。人物としては、慎重が求められる救出作戦中でも、自分の召使が悪く言われているのを聞いて
「いいや、あいつは良いやつだ」とかばってひと悶着起こしてしまうあたり、とてもいい人なのではないかと感じています。
コンスタンツェには尻に敷かれるタイプでしょう。

《見どころ、聴きどころ》
山本: 聴きごたえのある難易度の高いアリアが各役に割り当てられています。
ソプラノとテノールが2組という面白い編成でいつの世も変わらない男女のやりとりが面白おかしく描き出されている4重唱や、当時の聴衆にとってエキゾチックに響いただろうモーツァルトによるトルコのエッセンスなど、聴きどころは枚挙に暇がありません。

《このオペラのテーマ、メッセージ》
山本: 拒絶ではなく対話、報復ではなく許しを選ぶことが出来れば人は分かり合える、という大きなメッセージの後ろに、
「わからないものや、自分と違うものは怖いけれど、だからこそちょっと魅力的に映るよね!」
というモーツァルトの軽やかな遊び心が聴こえるように感じます。
人との違いをどう愛し楽しむかは自分次第だよ、ということかもしれません。


東京二期会2014年2月公演『ドン・カルロ』より(撮影:三枝近志)
ドン・カルロ 山本耕平(中央)
 
 
▼『後宮からの逃走』公演情報ページはこちら
2018年11月公演 W.A.モーツァルト『後宮からの逃走』 - 東京二期会オペラ劇場

 2018年11月22日(木)18:30、23日(金・祝)14:00、24日(土)14:00、25日(日)14:00 日生劇場
 指揮:下野竜也、演出:ギー・ヨーステン、管弦楽:東京交響楽団、合唱:二期会合唱団
 〈主催〉公益財団法人東京二期会
 〈共催〉公益財団法人ニッセイ文化振興財団【日生劇場】

●お問合せ・チケットのご予約は
 二期会チケットセンター 03-3796-1831
 (月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日祝 休)

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Hakuju Hall主催「二期会モーニング ディーヴァ,ディーヴォ」 2018/2019シーズンがいよいよスタート!

今春、二期会オペラ研修所マスタークラスを優秀な成績で修了した、若き歌手の声を聴くシリーズ、Hakuju Hall「二期会モーニング ディーヴァ,ディーヴォ」。今シーズンの第一弾は、9月27日(木)に開催されます。
このたびのコンサートに向けて、出演のソプラノ牧野元美とテノール根津久俊の二人よりメッセージが届きましたので、ご紹介いたします。


写真左から、テノール根津久俊、ソプラノ牧野元美、ピアノ河野紘子

■牧野元美(まきの もとみ)
この度は二期会モーニング ディーヴァ,ディーヴォに出演させていただけますこと、大変幸せに思っております。このコンサートでは、モーツァルトとリヒャルト・シュトラウスを演奏させていただく予定です。私はモーツァルトの作品から、オペラの素晴らしさや面白さを学び、またリヒャルト・シュトラウスの作品を勉強して、歌い手としての表現の幅を広げることができたように感じています。これまでの成果が出せるよう、精一杯歌わせていただきます!テノールの根津くんとは、研修所のマスタークラスで一緒だったのですが、共演の機会が少なかったので、今回がとても楽しみです。二重唱ではお互いの想いをぶつけ合って、それぞれの魅力が伝わる演奏にしたいですね!皆様と会場でお会いできるのを楽しみにしています。

■根津久俊(ねづ ひさとし)
今年で6年目になる二期会モーニング ディーヴァ,ディーヴォ、出演させていただける事になり大変光栄に思います。ソプラノとテノールのデュオという事で、選択肢には困りませんでした。それはもう…「綿密」な打ち合わせを経て、数ある曲目の中から各々が良い意味で没頭し、我々はもちろん皆様にも楽しんでいただけるプログラムになっているかと思います。ただランチタイムコンサートですので開演時間が11時とお早めです。どこかの朝の弱いぽっちゃり系テノールのように、お寝坊には十分ご注意して起こし下さい。

     *     *     *

期待のソプラノとテノールの共演をぜひお楽しみください!



■■■ 公演情報 ■■■
二期会モーニング ディーヴァ, ディーヴォ <第16回>
二期会新星トップ7名による、ときめきのデビューコンサート!

日時:2018年 9月27日(木) 11:00開演(10:30開場) ※休憩なし約1時間
会場:Hakuju Hall (ハクジュホール)
料金:全席自由 500円(税込)
出演:牧野元美(ソプラノ)、根津久俊(テノール)、河野紘子(ピアノ)
予定プログラム:
・チマーラ:海の詩 〔根津〕
・ピツェッティ:牧人たち 〔根津〕
・R.シュトラウス:献呈 〔牧野〕
・R.シュトラウス:万霊節 〔牧野〕
・R.シュトラウス:ツェツィーリエ 〔牧野〕
・R.シュトラウス:夜に 〔牧野〕
・ドニゼッティ:歌劇『愛の妙薬』より “人知れぬ涙” 〔根津〕
・R.シュトラウス:歌劇『アラベラ』より “私のエレメール!” 〔牧野〕
・チレア:歌劇「アルルの女」より “フェデリコの嘆き” 〔根津〕
・モーツァルト:歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』より “夫の腕の中に” 〔牧野&根津〕

主催:Hakuju Hall/株式会社白寿生科学研究所
協力:二期会オペラ研修所
後援:公益財団法人東京二期会

▼コンサート詳細ページはこちらをご覧ください
第16回 二期会モーニング ディーヴァ, ディーヴォ - Hakuju Hall

▼ご予約・お問合せは
Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8700
 10:00~18:00(火~土/祝日・休館日を除く)
 
 

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