本年7月、東京にてグラインドボーン音楽祭との提携公演『ばらの騎士』を指揮するセバスティアン・ヴァイグレは、今欧州で最も活動的な劇場として評価の高いフランクフルト歌劇場の音楽総監督にして、ドイツ・オペラの世界的エキスパート。昨年も読売日本交響楽団の定期に登場し、R.シュトラウスを含むプログラムを披露。今年4~5月メトロポリタン歌劇場で『ばらの騎士』を成功に導き、東京での指揮ぶりにますます期待が寄せられています!
セバスティアン・ヴァイグレ
そのヴァイグレは、多くの録音が発売されています。
このたび7月本公演の「予習」におススメのCD、DVDを探しに、タワーレコード渋谷店を訊ねてまいりました。
NO MUSIC, NO LIFE...
ご案内いただいたのは、タワーレコード渋谷店 クラシック担当 雨海秀和さんです。
手には、ヴァイグレ指揮 フランクフルト歌劇場『ニーベルングの指環』DVD BOX(8枚組)。
まずは、セバスティアン・ヴァイグレについて。
「私が知っている限りですが、セバスティアン・ヴァイグレの名前を最初に見たのは1997年、ベルリン国立歌劇場の来日公演でした。音楽監督ダニエル・バレンボイムが指揮をしていた『魔笛』の最後の2回をヴァイグレが振っていますね。
ベルリン国立歌劇場ではオトマール・スウィトナー音楽監督時代からソロ・ホルン奏者を務めていましたから、ライブ録音された1988年のサントリーホールでのブラームス〈交響曲第1番〉や、前年のベルリン国立歌劇場来日公演などにも奏者として来日していたはずです。残念ながら、それを確認できるような写真や映像はわからないのですが。」
2003年にはOPERNWELT誌の年間最優秀指揮者に選出され、07年バイロイト音楽祭で『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を指揮。08年フランクフルト歌劇場の音楽総監督に就任、同劇場は2014/15シーズンにOPERNWELT年間最優秀オペラ座に選ばれています。
「フランクフルトは今や世界で一番新制作の多い歌劇場でしょうね。主要なプレミエ公演やドイツ・オペラはやはりヴァイグレが指揮をしています。ヴァイグレとフランクフルトとで録音も多く残しています」
それでは、おススメのCDやDVDを聞いてみましょう。ご覧のとおり、現在、渋谷店では『二期会通信』とともに、ヴァイグレのコーナーが設けられていました。
「最近ではリヒャルト・シュトラウスの管弦楽集を継続し録音していますので、オペラではありませんが参考になると思いますよ。バイロイト音楽祭の『マイスタージンガー』は、そのものズバリの映像が出ていますね。国内盤はブルーレイになります。」
「迷ったときはコレ!」フランクフルト歌劇場R.シュトラウス『影のない女』です。
なお、雨海さん一押しは前述の『指環』。一番濃いところにいきましたね!
あわせて、『ばらの騎士』入門編についてもお聞きしました。
「『ばらの騎士』といえば、やはりカルロス・クライバー指揮のウィーン国立歌劇場ですが、入門編ということでいえば、小学館《魅惑のオペラ》シリーズに収録されているショルティ指揮コヴェント・ガーデン王立歌劇場。解説付きでおススメです。」
絵具のパレットみたいな《魅惑のオペラ》シリーズの陳列です。
作中に『ばらの騎士』が登場する、村上春樹さんの最新長篇小説『騎士団長殺し』コーナーも。小説に関連する音源が並んでいます。
(小説から引用)――「私はカラヤンかエーリッヒ・クライバーの指揮したものを好んで聴きますが、ショルティ指揮のものはまだ聴いたことがありません。もしよろしければこの機会に是非聴いてみたいのですが」――
「グラインドボーン音楽祭の『ばらの騎士』(2014年)は残念ながら現在在庫が切れておりますが、6月中頃には再入荷予定です。」と雨海さん。
最後に、あらためてヴァイグレについて。
「日本では、スター指揮者が脚光を浴びる傾向がありますが、彼のように、歌劇場のたたき上げというか、スウィトナー時代にはホルン奏者としてキャリアを積み、バレンボイムの時代にカペルマイスターとなり、そうして職人的技術を磨いてきた人がもっと評価されてしかるべきだなと思います。昨年、ウィーン国立歌劇場の来日公演でアダム・フィッシャーが高く評価されたように、(今回の二期会公演でヴァイグレも)そういう評価の展開になるといいな、と思っています。」
雨海さん、ありがとうございました!
▼店舗情報はこちら
・タワーレコード渋谷店
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-22-14 クラシック音楽は7F
営業時間:10時~23時(不定休) TEL:03-3496-3661
■■■ 公演情報 ■■■
二期会創立65周年・財団設立40周年記念公演シリーズ
《グラインドボーン音楽祭との提携公演》
東京二期会、愛知県芸術劇場、東京文化会館、iichiko総合文化センター、
読売日本交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団 共同制作
PDFちらし |
R.シュトラウス『ばらの騎士』 東京公演 オペラ全3幕・日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演 日時:2017年7月 26日(水) 18:00開演★(D席 売切) 27日(木) 14:00開演(D席 僅少) 29日(土) 14:00開演(C席、D席 売切) 30日(日) 14:00開演(D席 売切) (各日とも開場は開演の60分前) <★26日公演ではプレミエ・キャンペーンを開催> 会場:東京文化会館 大ホール 料金:S席17,000円~D席5,000円、学生席2,000円 指揮:セバスティアン・ヴァイグレ 演出:リチャード・ジョーンズ 管弦楽:読売日本交響楽団 |
▼公演情報ページはこちら
・2017年7月公演 R.シュトラウス『ばらの騎士』<東京公演> - 東京二期会オペラ劇場
▼チケットのお求め、お問合せは
・二期会チケットセンター TEL03-3796-1831
(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日・祝 休)
←24時間受付、予約手数料0円、セブン-イレブン店頭決済&お受取の インターネット予約「Gettii(ゲッティ)」も是非ご利用ください!! |