2月17日(水)、ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』公演の初日、今回のプレミエ・キャンペーンとして演出ロレンツォ・マリアーニによるプレトークを開催しました。(通訳:菊池裕美子)
さあ、始まります!
まず、あちらにかけてありますヴェルディさんにこんばんはと言いましょう。そしてヴェルディさんに拍手を。(注:東京文化会館大ホールのロビーには公演期間中、作曲者G.ヴェルディの肖像のタペストリーを掲げています)
たくさんの方においでいただけてうれしく思います。
私はいつも、文化の違う方たちに、我が国の文化を理解してもらっているということに、言葉に表せない感動を覚えます。来日の度に、言葉が違っても、お互いに通じ合うことができることが魔法のようだと感動します。
みなさまに『イル・トロヴァトーレ』についてお話する機会を得られてうれしく思います。
この作品は感動的で、ミステリアスです。
そして、このオペラは物語が説明しにくいものです。
『椿姫』『リゴレット』やプッチーニの『ラ・ボエーム』とは違って、『イル・トロヴァトーレ』は聴いているだけで理解できるものではありません。あの世とか、目に見える現実の世界とは違う世界のものなのです。
『椿姫』とか『リゴレット』を見て感傷的になって泣ける、というのとは違って、『イル・トロヴァトーレ』は、達観するような気持ちになります。宗教的というわけではないですが、わからない、もっと大きな何かがあります。
音楽はよく知られていて印象に残りますが、表現できない何かが心に残ります。
今回の演出は、「ミステリアス」を強調しています。現実にはあり得ないお話の内容ですが、重要なのは、すべてが夜のシーン、だということです。『イル・トロヴァトーレ』というオペラは、「見えない」ということが重要です。見えないもっと大きな力、いわば人間の力を超えた力が働いているのです。
この演出はパルマ、ヴェネツィア、と上演してきました。画家でも小説家でも、芸術家は発展していくものです。今回は、パルマやヴェネツィアより興味深くまたよりミステリアスな演出になっています。東京でやるのはニューヴァージョンの『イル・トロヴァトーレ』です。
私にとって日本はミステリアスな存在です。ミステリアスなみなさまにミステリアスな作品を楽しんでいただきたいと思います。
私は吉本ばななが好きなのですが、その中に「エニグマ・アルデンテ」という言葉が出てきます。このアルデンテというのは、燃えるような、とか、燃え尽きてしまう、とかそんな意味です。とても静かな時があっても、内側そういうものがあるのかもしれません。情熱があって苦しみの中にある静けさ――そういったものです。
最後に、東京二期会、合唱団、東京都交響楽団、スタッフ、そしてもちろんソリストに感謝を述べたいと思います。
それでは皆様、『イル・トロヴァトーレ』をお楽しみ下さい。(拍手)
短い時間の中で、舞台のコンセプトの核心を伝えたマリアーニ。想像が膨らむ内容だったのではないでしょうか。
▼マリアーニ演出については、会場で販売している公演プログラムに掲載の演出ノートもあわせてお読みください。
・プログラムの紹介ツイート - 東京二期会|Twitter
東京二期会『イル・トロヴァトーレ』は、2月20日(土)と21日(日)の残り2日!
両日とも14時開演です。皆様のご来場をお待ちしております。
▼より詳しいマリアーニのインタビューをこちらからご覧いただけます
・幻想的な舞台に映る愛の真実、東京二期会がオペラ「イル・トロバトーレ」上演 2月17日から4公演 – 産経ニュース
▼公演タイムテーブル、当日券情報はこちら
・2月公演G.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』~公演当日のごあんない - オペラの散歩道(二期会blog)
▼キャスト一覧、公演詳細はこちらをご覧ください
・2016年2月公演 G.ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』 - 東京二期会オペラ劇場
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(月~金 10:00~18:00/土 10:00~15:00/日・祝 休)
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