前回、17世紀の知られざるドイツ歌曲にスポットライトを当て、その多彩な歌い分けで絶賛を博した加納悦子。
平成27年度文化庁芸術祭参加公演となる「第2夜」は《白鳥の歌~辞世のリート~》と題し、ドイツ・リートの2大巨匠、「歌曲王」シューベルトと、“愛”を歌で描いたシューマン、それぞれが最晩年に書いた作品群を取り上げて演奏します。
まずシューベルトからは彼のリート作品の集大成と言える、死後友人らによって集められた遺作集『白鳥の歌』より、レシュタープの詩による7曲を。
シューマンの作品からは、美しい旋律の中に苦悩と哀愁が見え隠れする1851年の作品『6つの歌』、幼くしてこの世を去った薄幸の少女が残した詩に、シューマン自身が深い感銘を受けて作曲した『7つの歌~エリザベト・クルマンを偲んで~』、そしていいようのない淋しさが漂い、歌詞の内容とも相まって、どこかシューマン自身の晩年を暗示しているようにも聴こえる『メアリ・スチュアート女王の詩』を掘り下げます。
今回取り上げるシューマンの作品を収めたアルバム《メアリ・スチュアート女王の詩 シューマン・後期歌曲集》では、命を削りながら作曲に取り組んだシューマンの心情に迫る加納の歌唱が高く評価され、第51回レコード・アカデミー賞を受賞しております。
二人の巨匠が魂を込めて送り出した名曲に、新たな命を吹き込む一夜。ぜひお聴き下さい。
■■■ 公演情報 ■■■
平成27年度(第70回)文化庁芸術祭参加公演
『加納悦子・三題 ~ドイツ・リートをめぐる風景~』
第2夜《白鳥の歌~辞世のリート~》
日時:2015年10月15日(木) 19:00開演
会場:リリア(1F)・催し広場
料金:全席自由 一般2,000円/学生1,000円
出演:
加納悦子(メゾ・ソプラノ)
石井里乃(ピアノ)
國土潤一(構成・お話)
予定プログラム:
F.シューベルト
『白鳥の歌』D957 より
愛の使い/兵士の思い/春の憧れ/セレナーデ/
仮の宿/遠い国で/別れ
R.シューマン
『6つの歌』OP.107
『7つの歌~エリザベト・クルマンを偲んで~』OP.104
『メアリ・スチュアート女王の詩』OP.135
▼公演詳細はこちら
・リリア“歌の花束” 加納悦子・三題 ~ドイツ・リートをめぐる風景~ - 川口総合文化センター リリア
●●● CD情報 ●●● シューマン「6つの歌」「7つの歌~エリザベト・クルマンを偲んで」「メアリ・スチュアート女王の詩」を収録 ≪メアリ・スチュアート女王の詩 シューマン後期歌曲集 SCHUMANN Späte Lieder≫ 絶賛発売中!/ALCD-7172/¥2,800+税 ▼アルバム詳細はこちら ・加納悦子【メアリ・スチュアート女王の詩 シューマン後期歌曲集】 - ALM RECORDS |