ソプラノ嶺 貞子は、イタリア歌曲の研究で知られていますが、モーツァルトのアリアを好んで演奏してきました。
このたび、ライブ・アーカイブシリーズ第4弾として、1978年の1月と6月に日本モーツァルト協会の例会で収録された貴重な録音が「モーツァルト アリア集」としてまとめられました。
モーツァルトの“コンサート・アリア”を、喜びとともに歌う嶺の声には、技巧を超えて音楽の生命が感じられます。
嶺がひたむきにヨーロッパから学んだ、精神の自由や、詩の深い意味や、愛の強さについて、現代に生きる私たちに問いかけてくる響き。
フランスの至芸といわれるアンリエット・ピュイグ=ロジェ(ピアノ)との共演によるモーツァルトも3曲。澄んだやわらかい音色が懐かしく、やさしい。
管弦楽は古典音楽協会、その創設者で指揮の三瓶十郎氏(1921-1983)は、生涯をバロック音楽の研究に捧げ、100曲以上もの初演を行いました。嶺は、年に何回か開催されていた東京文化会館の例会で三瓶氏とたびたび共演しましたが、昭和57年7月のバッハ「結婚カンタータ」が最後となりました。
■■■ CD情報 ■■■
「モーツァルト アリア集 Mozart: Arie da concerto e d'opera」
嶺 貞子:ソプラノ/アンリエット・ピュイグ=ロジェ:ピアノ
三瓶十郎:指揮/古典音楽協会
フォンテック FOCD9679 定価2,400円+税
◆1978年1月24日 日本モーツアルト協会 例会より
・レチタティーヴォとアリア〈この胸に、さあ、いらっしゃい〉〈天が私に貴男を返して下さる今〉KV374
・レチタティーヴォとアリア〈哀れな私、ここはどこ!〉〈ああ!語っているのは私ではない〉KV369
・レチタティーヴォとアリア〈ああ、私はそのことを予感していた〉〈ああ、私の目の前から消えておくれ〉KV272
・アリア〈崇高な魂と高貴な心は〉KV578
・『フィガロの結婚』KV579より スザンナのアリア〈歓喜の小躍りを〉
◆1978年6月22日 日本モーツァルト協会 例会より
・『ルーチョ・シッラ』KV135より ジューニアのアリア〈暗い闇に包まれた岸辺から〉
・『羊飼いの王様』KV208より アミンタのロンド〈僕はあの人を愛そう、変わらぬ思いでいよう〉
・『アルバのアスカーニオ』KV111より ヴィーナスのアリア〈あの美しい光線の薄明に〉
・『アルバのアスカーニオ』KV111より シルヴィアのレチタティーヴォとアリア
〈ああ司祭様、そうではなく、神様のように〉〈そうではありますが、別の愛の〉
・『魔笛』KV620より パミーナのアリア〈ああ、私は感じる、消え去ってしまったことを〉
・レチタティーヴォとアリア〈ベレニーチェと〉〈昇りくる太陽よ〉KV70
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・New![2015.5.27]嶺 貞子/モーツァルト アリア集|新譜のご紹介 - フォンテック