2015年05月15日のエントリー

ニューウェーブ・オペラ・インタビュー(4)
セスト役 今野絵理香、田川聡美

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場ヘンデル『ジューリオ・チェーザレ』キャスト・インタビュー・シリーズ。
本文中で紹介しているアリアや重唱曲を、こちらのナクソス・ミュージック・ライブラリの東京二期会公演楽曲試聴コーナー(無料で最大15分間連続でお聴き頂けます)とあわせてお楽しみください。
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本日は、セスト役のソプラノ今野絵理香(こんの えりか・23日出演)と、田川聡美(たがわ さとみ・24日出演)に聞きました。

――セストは、コルネリアの息子(史実では実の息子ではありません)で、殺された父親ポンペーオの仇を討とうとする役ですね。歌い演じていてどのように感じますか?
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今野: セストには3曲のアリアがあるのですが、どれも凄くカッコいいので大好きです。
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田川: どれも復讐の怒りに満ちた非常に激しい音楽で、歌っているとどんどん興奮が高まります。
セストの台詞にはvendettaやvendicar(復讐、仇討ち)という言葉がとても多いのですが、口に出して自分を鼓舞しなければそれに向かうことのできない、セストの幼さ、気弱な心がよく現されているように感じます。
今野: それだけに精神的にとても苦しい役ですが、稽古場がとても楽しくて今のところ心を保っていられます(笑)
一人じゃ何も出来ない弱虫でお母さんに縋っていた男の子が、どんどん逞しく青年になっていく成長過程を見て頂けたら嬉しいですね。
田川: そこを観て頂けたら、役者冥利に尽きます。
今野: 剣さばきも特訓しております!!
◆naxos試聴トラック [I-9]:(プレーヤー楽曲番号 9.)
 第1幕 4場: Aria: Svegliatevi nel core (Sesto)
  “我が心に”
(※父の死と悲しみに沈む母コルネリアを前にして、セストは復讐を誓う)
◆naxos試聴トラック [II-22]:(プレーヤー楽曲番号 44.)
 第2幕 11場: Aria: L'aura che spira (Sesto)
 “漂う大気は”
(※チェーザレの死の報せ聞いたセストは、一度は絶望して命を断とうとするが、コルネリアに制され再び勇気を奮い立たせる)
(※本公演ではもう1曲、第2幕 6場の“L'angue offeso mai riposa(怒りの舵は休みを知らぬ)”が演奏されます。トロメーオ王の後宮に連れ去られることになった母コルネリアに従い、セストは復讐の機にむかいます)

――今「稽古場が楽しくて」という話がありましたが、皆そう言っていますね。楽しいエピソードがあれば。
田川: ヘンデルのアリアはダ・カーポ・アリアといって、ABAの形式で、二回目のAパートは各々が考えた華やかな装飾音を付けて歌います。その装飾に応えて、オーケストラも装飾音を加えて演奏されるのです。練習の過程で、たまに歌手が突拍子もない装飾音をつけて歌うことがあります。そんなとき、チェンバロの上尾直毅さんや、鈴木秀美マエストロが時々チェロを弾きながら指揮して下さるのですが、〈それカッコいいね!〉とか〈その音は変だよ(笑)〉といった意味を込めた装飾で返してくださり、皆の笑いを誘っています。音楽で伝えあえる環境、音楽の冗談が飛び交う稽古場は楽しく、私にとって幸せを感じる瞬間です。

――二期会デビューにむけての意気込みをどうぞ。
今野: 支えてくださっている皆様に感謝し、最高の舞台を作り上げていきたいと思います!
田川: 『ジューリオ・チェーザレ』は私にとって特別に思い入れのあるオペラで、しかも長年の憧れだったズボン役でそれを飾ることができ、本当に嬉しく、幸せな気持ちでいっぱいです。この興奮と喜びと緊張を、力に変えて、歌い演じたいと思います!
今野・田川: ぜひお楽しみに!!

▼公演詳細ページはこちら
2015年5月公演 二期会ニューウェブオペラ劇場 G.F.ヘンデル『ジューリオ・チェーザレ』 - 東京二期会
●お問合せ
二期会チケットセンター 03-3796-1831
(月~金10:00~18:00/土10:00~15:00/日祝・休)
※当公演は、5/23(土)17時・24(日)14時の両公演ともに予定販売数を終了致しました。誠にありがとうございました。尚、当日券のご用意もございませんので、あらかじめご了承くださいませ。(5/13(水)16:00)

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