『リゴレット』の原作は「レ・ミゼラブル」等で知られるヴィクトル・ユゴーの戯曲「王様はお楽しみ」です。
この戯曲は16世紀フランス国王の行いと、その進化の反逆を中心に扱われますが、不届きな王が登場するため、一度の上演で上演禁止となった問題作でした。
*写真はパルマ王立歌劇場公演より
ヴェルディはこの台本に惚れ込み、忠実にオペラ化を目指しましたが、当時のイタリアでも国王の不道徳を扱うことは風当たりが強く、舞台や登場人物名を現行のように変更することをしぶしぶ了承します。
こうしてヴェルディは作品を完成させるのですが、原作者のユゴーからパリで訴えられます!
これは当時著作権の概念が発達していたフランスにおいて、ユゴーの原作をかなり忠実にイタリア語化した『リゴレット』は、上演に際して著作権料に相当の金銭を支払うべきという訴えでした。
結果としてユゴーは敗訴、この訴訟の関係で『リゴレット』パリ初演は世界初演から大きく遅れました。
ただ、パリ初演時に嫌々ながら劇場へ招待されたユゴーは、その演奏に目を見張ったそう。
特に第3幕の四重唱「美しく愛らしい娘よ」に非常に感動し、四者の感情を同時に語らせる表現に「ヴェルディの音楽は戯曲が表現しえない点まで伝えている!」と驚嘆。
その後熱心なヴェルディファンになったとの逸話が残っています。
原作を超える感動をもたらすオペラ『リゴレット』は、是非会場にてご覧ください![T]
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・2015年2月公演 G.ヴェルディ『リゴレット』 - 東京二期会