2014年05月15日のエントリー

『蝶々夫人』公演プログラム アーカイブ販売中!

オペラ鑑賞のおともに公演プログラムは欠かせません。
4月公演『蝶々夫人』では、白地にアゲハ蝶の舞っている表紙のプログラム。
二期会では、終演後もプログラムをアーカイブ販売しており、ネット上でもお買い求めいただけます!
今回の『蝶々夫人』のプログラムは、自信をもっておすすめしたい保存版!ご来場されたけれどもプログラムをお買いそびれになったお客様、また残念ながら公演にはお越しいただけなかった方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
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注目記事1.坂東玉三郎、栗山演出を語る
「ご自身もオペラ鑑賞のためにヨーロッパを訪れることもある坂東玉三郎さんは、かつて栗山昌良演出の舞台に立った経験をもつ。現在の歌舞伎ブームの火付け役ともなった稀代の名優が語る、栗山演出の真髄と思い出、オペラへの想いとは……」

注目記事2.対談・妹尾河童×栗山昌良 知られざる、あの頃のオペラ
「戦後まもなくの時代、若かりし二十代のころから日本のオペラの黎明期を切り拓いてきた二人が、時とともに変遷してきた歴史をたどりながら、輝かしくも知られざる軌跡の数々を語り合った」

注目記事3.料理評論家・山本益博が聞く ダニエーレ・ルスティオーニ、オペラへの想い
「今年31歳になる指揮者のダニエーレ・ルスティオーニは、同世代の指揮者の中でもっとも世界的に活躍する指揮者だ。今回が初来日となるルスティオーニの魅力に、大のオペラ愛好家としても知られる料理評論家の山本益博氏が迫った」

その他にも、稽古場の様子を写した写真や、過去の舞台写真が満載の「栗山昌良二期会オペラ演出史」も。「記念版」と申し上げたい記事が揃いました!

通信販売は二期会チケットセンターのチケットオーダーフォームから承ります。
ご興味をお持ちになられた方は、どうぞこちらのお申込みフォームへ!!
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二期会チケットセンター オーダーフォーム - 東京二期会
 (こちらのチケット一覧の中に掲載しています)

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【レビュー】2014年4月公演『蝶々夫人』
~栗山昌良演出の伝統的な美しい舞台×話題を呼んだ初来日の指揮者ダニエーレ・ルスティオーニ

31歳の若きマエストロ、ダニエーレ・ルスティオーニの初来日と、日本のプロダクションとの初共演、長年日本のオペラの舞台を牽引し、その礎を作り、今なお現役の栗山昌良演出による伝統的な美しい日本の『蝶々夫人』が、ついに終演しました。
多くのお客様にご来場賜り、ありがとうございました。
舞台写真とともに、公演を振り返ります。
写真撮影:三枝近志(☆…4月23・26日組、◆…4月24・27日組)
会場:東京文化会館大ホール
<舞台写真はクリックで拡大表示します>

水船桂太郎演じるピンカートンと、牧川修一のゴロー。
蝶々さんの愛らしさは、確かにピンカートンを魅了したのでしたが、その愛は、蝶々さんが信じたような愛ではなかったのでした。


樋口達哉の凛々しい爽やかなピンカートン、立派な思いやりと礼節あるシャープレスを泉 良平が演じました。


これまでにも多くの蝶々さんの舞台を支えてきた永井和子。
細やかで人情味あふれるスズキ。


腰越満美の可愛らしさが、一層、健気にも哀れにも思われました。


シャープレスはベテラン、福島明也。


木下美穂子の蝶々さん。蝶々さんの朋輩である芸者衆は、女声コーラスが演じています。
芸者衆独特の仕草、歩き方まで、神経の行き届いた演出がされています。


蝶々さんの伯父、ボンゾ(峰 茂樹)が現れ、キリスト教に改宗した蝶々さんをなじります。


蝶々さんの初々しさ。


この二重唱はとてもロマンチックですが、歌手にとっては難易度も高く、音楽的にも山場です。オーケストラの流麗な旋律が、ルスティオーニの指先から客席へと流れる様は美しく、ため息が出ました。

栗山昌良演出の舞台全景。
ふすまや障子で部屋の仕切りを変えられる、その構造を、ピンカートンは軽薄、と言いますが、文化の違い、かりそめの結婚式を真実の愛による正式な結婚と信じた幼い蝶々さん、いろいろなことがこの舞台に表れます。


ピンカートンの帰りを待つ蝶々さんとスズキ。
生活費も残り少なく、心細い様子。でもピンカートンの変らぬ愛を頑なに信じて帰りを待ち続けます。そしてこの後、歌われるのが、名アリアある晴れた日に。


ゴロー(栗原 剛)がヤマドリ(鹿野由之)を新しい旦那として勧めますが、蝶々さんは耳を貸しません。


蝶々さんは、シャープレスにピンカートンとの間に子どもがいることを打ち明けます。


部屋中に花を播き、美しく化粧をして、子どもの頬にも紅をさし、ピンカートンが丘に上がってくるのを待ちます。


信じて待つ蝶々さん。その愛の強さ。
日が落ちて、また夜が更け、そして朝を迎える。蝶々さんの思いと時間の流れが、音楽と、見事な照明で表現されます。


小林由佳演じるスズキ。
身のこなしの美しさ、表情の豊かさ、いつもいつも、世間を知る女性として、蝶々さんを心配する様子、いちだんとこの役への思いが深くなったようです。ケートは谷原めぐみ。


覚悟を決めた蝶々さんはケート(佐々木弐奈)に伝えます。
彼が引き取りにきてくださるなら子どもをお渡しします。30分後にこの丘に来て下さるように。


幾度となく演じてきた蝶々さん。死ぬ気で生きる美意識を、蝶々さんの役に感じる、と語った腰越でした。

カーテンコール(撮影:堀 衛)





ご来場、ありがとうございました。

帆かけ舟

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